2005年4月28日木曜日
不正ランキングと不正な正しさ。
正しさは武器だ。
強力な武器だ。
正しさが強力な武器である事は疑う余地の無い事実だ。
ブロックブログからランキングが消えたニュースが日本中を駆け巡り世界中を震撼させてから2ヶ月が経ち、一時期の異様なまでの騒がれ方は一段落しその衝撃の大きさに慌てふためき浮き足立っていたブログ界隈は落ち着きを取り戻しつつあった所へヤプログからランキングが消えたというインターネッターであれば誰もが目を疑うようなビッグニュースが各地で驚きをもって伝えられているのは皆様ご周知の通りである。
それらと比べれば遥かに小さくマイナーな話題ではあるが、ライブドアブログのランキングでは不正行為が横行し、それを有志が力をあわせて実験ブログのランキングを上げ、堀江社長ブログから1位を奪取するという形で広く知らしめる事に成功した。
それを受けて、ライブドア社はその実験ブログの削除と、いくつかの不正ブログへの対処を行い、事態は沈静化した。ライブドアランキングを巡る騒動は終わったと見てよいだろう。
この有志の行動にはいくつかの側面がある。
まず第一に、これはコミニティを守る為の戦いである。
多くのブロガーはブログサービスに多少の思い入れがある。
そのサービスに貢献したいと思い、ブログサービスと自分との関係が良好である事を願う。
その最も極端な例は、株式会社はてなのはてなとはてなユーザーの関係であろう。
はてなダイアリー最大の特徴であるキーワードで繋がる横の繋がりはユーザーなくしては成り立たない。30日以上ブログを書いたユーザーのみが作成、改変可能であるキーワードは今日も無数に増え続けており、はてなダイアリーを日々進化させ続けている。
実名騒動において多少の行き違いはあったものの、今も尚運営側とユーザーとの距離が最も近いブログサービスである事は誰もが認める所である。
もし、はてなに大きな不具合が見つかると、はてなのユーザーは近藤淳也にそれを伝え、問題点は迅速に改善修正されるだろう。それがはてなの距離である。はてなにはそれを迅速に行える体力(技術力)もあるようだ。
けれどもはてなの近さは異常な例と言ってもよく、はまちやがmixiにはまったり、有志が堀江貴文にしたようにという形が普通、悪い言い方だが普通だろうと思う。
第二に、これは聖戦である。
正しい物を守る正義の戦いである。
何事においても、ルールは遵守されるべきであり不正は許されるべきではない。
ライブドア社の定めた規約に反する行為が行われている事は疑う余地の無い事実である。
その違反をライブドア社に伝える、通報するというのは、正義である。
なんでも評点ら有志一同が行っている行動は間違いなく正しいものである。
コミニティを守る為の正義の戦い。
しかしこの問題にはもう1つ姿がある。
この戦いが持つ第三の意味。
それは、既得権益を守る為の戦いである。
ランキング上位者にとって、ランキング掲載というのは利益である。
大きな利益である。
ブロックブログのランキングにおいて、当ブログが1位となった日のランキング経由アクセス数は25アクセス、30位で5アクセス程度であった。数字としては極めて小さなものではあるが、その存在はブログ運営者にっとってもリンク集として利用するユーザーにとっても非常に大きな守るに値する利益であった。
アメーバやヤプログからランキングが消滅した際のブロガーの失望からもわかるように、ランキングの存在というのは上位者であれ下位者であれ、ブロガーにとっては非常に大きな既得益なのだ。
それが不正ブログによって脅かさる。
上位20位の半数以上が不正ブログ。
不正を行っていない人間にとっては断じて見過ごす事の出来ない既得権益の危機だ。
では、どうして不正ブログが後を絶えないのか。
ブロックブログにおいて、そのような不正が行われた事は一度としてない。
それに対し、ライブドアでは永遠に不正ブログが現れ続けるであろう。
彼らが不正を行う動機は何か。
彼らを不正へと突き動かすものは何か。
それは、現金である。
ランキング上位ブログにはライブドアー.comという巨大なアクセス数を誇るポータルサイトからリンクが張られ、同様に国内有数のアクセス数を誇るblog.livedoor.comからもリンクが張られる。
そこからは、大量のアクセスが流れ込む。
その1アクセス1アクセスは現金へと変換される。
ブログやインターネットにおいて、広告をクリックするのは超コアユーザーか一見客なのだ。超コアユーザーの人数を増やすのは困難であるが、一見客はアクセスさえしてくれれば変換レートはそれ程高くないとはいえ、そのまま現金へと変換される。
アフィリエイト収入の中核を担う一見客が100人単位で流れ込むという事実が彼らを不正へと突き動かしているのである。
ライブドアランキングを攻撃しているのは全員現金ブロガーである。
同時に、ライブドアランキングを守る運動の中心にいるのも同じ現金ブロガーである。
ライブドアブログは、現金ブログを開設するには最適なブログサービスである。
無料バージョンでは検索エンジンとの親和性が悪いので他に劣るものの、有料プランは検索エンジンとの親和性もカスタマイズ自由度も非常に高く、ランキング上位者には毎月アメーバに匹敵する現金が転がり込む。
ライブドアブログは他の追随を許さない最高の現金ブログサービスである。
ただし、ランキング上位に入れるならば、の条件付でだが。
故に、ランキング上位に入ろうと不正を行う人間が後を絶たないのである。
攻撃側と守る側の差異は何か。
それは、正しさの量である。
それだけが唯一の差異であると言ってよい。
不正を行って現金を得ようとする攻撃者には微塵の正義も無いのに対し、不正から既得権益を守る彼らは確かな正義を手にしているのだ。
しかし、彼らが守ろうとしているものは既得権益である。
株式会社はてなが実名登録を義務付けると発表(後に撤回)した際には共生関係信頼感という正しさが傷つけられたと感じ、はてなダイアリーから問答無用で離脱したユーザーが大勢いた。
しかし、ライブドアではそのような事は起こらない。現金ブログを運営するに辺り、ライブドアは問答無用で選択される程のアドバンテージを持っており、それが彼らがライブドアを選択した理由であり、抜け出す現金ブロガーはただの馬鹿としか言いようが無い状況であるからだ。
出て行けば良いという発言に対して現金ブロガーは“財産”に固執し“財産”が故にに出て行かない。より正確に言えば“財産”を考えるならば出て行くべきではない。
挙句の果てに「ライブドアからアクティブなブログをごっそり引き抜いてみませんか?」とはまったくもってお笑いである。引き抜き。引き抜きてー。引き抜いてみませんか。現金ですねー。うふふ。いやー、現金ブロガーの鏡だ。あはは。頑張れ“財産”。
彼らが正しさという武器を手に戦っているというのは紛れも無い事実である。
正しさとは世に浸透する説得力を持つ強力な武器ではあるが、無敵の兵器では無いし、正しさよりも強力な武器は無数に存在しているという事を忘れてはならない。彼らが手にしている誤差の範囲の正しさなどは何にもならないのである。
最も大事な事は彼らが選択したライブドアという会社である。
ライブドアがライブドアへと進化したのはパクリと不正と抜け道の、裁かれない究極の現金企業としての正しい業務の果てである。その社色と社員の現金ブログの言論がライブドアブログの特性を作り上げたと言っても良い。
まともな神経を持つ人間ならばライブドアに正しさなど求めない。アダルトビデオのブログがノーマルカテゴリーに存在するブログに正しさも糞も無い。不正を滅ぼす正しさを求める人間はライブドアなどにブログを作らない。
彼らが正しさを手にしたのは正しさを守る為ではない。
彼ら、というよりは彼なんでも評点が正しさを手に立ち上がったのは既得権益を守る為である。
そもそも公正なランキングというものが存在しないに等しいものである。
開催国のステロイドもオリコン調べも新宿店も全て不正で成り立っている。
正しさはおろか純然たる正しさでさえ勝利する事は滅多とないのだ。
発覚しなければどのような不正も裁かれる事は無いし、発覚したとしても20年逃げ切れば無罪だ。彼らが「不正を行っていない」と認定するブログの多くも不正の塊だ。18禁のエロリンクも著作権侵害も誹謗中傷も人種差別も不正行為の正当化も何でもありだ。
正しさを手にしているのは事実だが、正しさでは無い。
不正側か、正しさを手に守る側か、現金を手に正しさと不正と戦う側か。
どう転ぶにしろ、これまでの全てのランキングがそうであったように、これからの全てのランキングもそうであろう。
負けるのは不正を行わない正しい側の人であり、勝者は常に不正な側だ。