2019年3月14日木曜日

Dream League 11の見所を3つ。

◆神君puppey The Destroyerは勝てるのか。

神君ppy率いるSecretが現代シーンにおいて最強のチームである事はもはや誰の目にも疑いようのない事実である。しかしながらその世界最強チームSecretという現実は、kuroky率いるLiquidの存在しない世界線において作られた既成概念である。より正確に言うならば、Secretが積み上げてきたここまでの実績は、miracle-の存在しない場所でコツコツとポイントを積み重ねていただけにすぎない。そして、現代シーンにおいて、miracle-というIDは、dota2シーンの全てを意味する。ppy率いるsecretが世界最強のチームであるという事実は、dota2シーンの外側で築き上げられた砂上の楼閣なのだ。

神君ppyの戴冠と共にdota2シーンが終わりを迎え全ての争い事が終わり世界に平和がもたらされるであろうといういつか予測した現実が、もうすぐそこにまで迫っているかと思える今、果たしてmiracle-は神君ppyの天下太平を阻止出来るであろうか。果たしてppyはmiracle-に対し、「miracle-とて人の子である」という遠い昔に忘れ去られた現実を突き付けることが出来るだろうか。




◆覇王maybeを失った中国。

dota allstars17年の歴史の中で最悪のマネジメントを有するLGDによって、遂にmaybeが墜ちた。まぬけなeSprotsによって潰されたと表現するのがこれほどまでに適切なプレイヤーは、maybeをおいて他には思い浮かばない。maybeはその登場以来、常にdotaプレイヤーの序列4位以内に入り続けていたプレイヤーであり、一度として五位以下に落ちる事はなかった。そのプレイヤーを失ったのだから、当然LGDは、そして中国は弱くなるはずである。かつて中国はdota2において、2年近くもタイトルから遠ざかっていた。そのような時代が再び訪れても、なんの不思議もない。maybeの穴を埋められるプレイヤーなど存在しないのは当然の話であるし、現状の中国はプレイヤー数の減少と相反して、無駄にチーム数が増えすぎており、戦力が分散して全体的に弱体化傾向にある。DL11におけるLGDは、maybeを失って尚、優勝して然るべきチームの1つではある。けれども、その大業は成らないだろう。中国のdotaは昨年のTI8において、LGDという世界最悪のマネジメントを誇るチームがふざけたpickを繰り返し、自ら己の手によってmaybeを完膚なきまでに叩きつぶしてしまった時点で、終わったのだろうと僕は思う。




◆Jリーグで2年連続50点とるストライカー拒絶者。

Jリーグで50点獲ってるヘンリク・ラーションこと拒絶者が、Jリーグで2年連続50点獲って帰ってきた。世界の頂点を争うレベルでの実績はLGDに完膚なきまでに叩きのめされたという記憶だけが残るレベルでしかないが、幸いにしてLGDは自壊していった。50点、それも2年連続50点。100点の男ヘンリク・ラーションは果たして、中国に新しい時代の幕開けを告げる事が出来るのだろうか。maybeから拒絶者へ、というのは中国のPUBの頂上でかつて起こった時代の移り変わり。そのIDに不満はないが、miduan、miracle-はあまりに遠く、チーム力の差も歴然である。

2019年3月13日水曜日

ソフマップによるEスポーツ搾取と、誰かを無償で働かせる為の道具としてのEスポーツ。

ソフマップで開催される東西戦というEスポーツイベントにおいて、実況解説の求人が出ていました。私はその求人に応募する為に問い合わせを行いました。その問い合わせの回答の中で、ソフマップが「Eスポーツ」というものを、一円の対価も支払う事なく労働者に無償労働をさせる為の道具として用いている事が明らかになりました。


このテキストは、ソフマップによって行われたEスポーツイベントの求人に対する問い合わせに対する回答を記録し、ソフマップの回答が正当なものであるかどうかを検証する為のものです。








ソフマップが開催したEスポーツイベントの求人には、拘束時間と給与が記載されていませんでした。そこで私はその求人に応募する為に、ソフマップに問い合わせを行いました。拘束時間と給与を問い合わせたのです。

それに対するソフマップの回答は以下の通りです。





1,労働に対する賃金を要求するのは常識のない人間。

賃金を要求するのは常識のない人間のすることであり、「仕事をします、お金をください」はEスポーツの世界では通用しない。そんな自分勝手で都合の良い世の中などない。



2,ソフマップは無名の輩に機会を与えてやってるんだから喜べ。

無名の輩に有名になる機会を与えてやっている。スポンサー企業と出会う機会を与えてやるのだから感謝するべきである。



3,無償労働をしない人間は、Eスポーツに対して本気ではない。

「ありがとうございます」と感謝して、よろこんで無償労働をしない人間は、Eスポーツに対して本気ではない。私達ソフマップはよろこんで無償で働く志のある人材を育てていく。







果たして、これらソフマップの回答は正当なものでしょうか?
順を追って見て行きたいと思います。






◆労働に対する賃金を要求するのは常識のない人間。

賃金を要求するのは常識のない人間のすることであり、
「仕事をします、お金をください」
はEスポーツの世界では通用しない。
そんな自分勝手で都合の良い世の中などない。

「労働に対する賃金を要求するのは常識のない人間」
ソフマップは言いました。
果たして、そうでしょうか?







我が国には最低賃金法という法律があります。我が国だけではありません。世界中様々な国と地域において、企業が人を用いる場合に支払うべき最低賃金が、法律によって定められています。なぜ、最低賃金なるものが、法律によって定められているのでしょうか。




最低賃金が法律で定められているのには、2つの理由があります。




1つは、人間が生きていく為にはお金が必要だからです。
そして、我が国の日本国憲法の第25条に、次のようにあります。


すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。


健康で文化的な最低限度の生活を送るために必要な金額を推定し、それを得られるだけの賃金を法律で保証するのが、我が国の政府の仕事です。故に、私達の国の政府は、法律によって最低賃金を定めています。我が国において、最低賃金によって得られる収入と、生活保護により得られる金額は共に、月額約12万円になっています。なぜほとんど同じかというと、それが憲法によって定められた「健康で文化的な最低限度の生活」を営むために必要な金額だからです。

最低賃金は、まず第一に、政府が国民に対し、最低限度の生活を保証する為に定められています。






最低賃金が法律で定められているのには、もう1つの理由があります。それは、不当競争を防止する為です。



同じ商品を制作販売する会社が2つあり、一方の会社が雇用した労働者に対して時給1000円を支払い、もう一方の会社が交通費だけを温情で支給して時給0円で労働者を雇用していたならば、競争に勝つのは、時給0円の側です。

時給0円で雇える労働者に対して、1000円もの時給をを支払う馬鹿でまぬけな会社は、競争に敗れて潰れてしまいます。これは公正な競争ではありません。企業が公正な競争を行う事により、私達の社会は発展していきます。それが、社会主義国家ソビエトが崩壊した理由であり、アメリカを盟主とする西側諸国が冷戦に勝利した理由の大きな1つの要因です。

最低賃金は、不当競争を防止し、公正な競争を促し、我が国の経済を発展させる為に、法律で定められているのです。即ち最低賃金法は、Eスポーツを発展させる為に、存在しているのです。






◆「労働に対する賃金を要求するのは常識のない人間」か?

ソフマップはEスポーツ東西戦というイベントの賃金の問い合わせに対して、「労働に対する賃金を要求するのは常識のない人間」と主張しました。この点においては、ソフマップの間違いは明確なものです。労働によって賃金を受け取るのは労働者の権利です。労働者に対して賃金を支払うのは当然のことであり、その際に幾ら支払うべきかというのが法律によって定められています。「私達ソフマップは法律を無視していい」というソフマップの主張こそが、常識のない行為です。いえ、それは、常識のない行為などというなまぬるいものではありません。ソフマップは法律を無視した行為によって利益を得る、犯罪企業であるという事実が明らかになっただけのことなのです。






◆「仕事をします、お金をください」は通用しない。

「仕事をします、お金をください」
はEスポーツの世界では通用しない。
そんな自分勝手で都合の良い世の中などない。


ソフマップは私の問い合わせに対して、「仕事をします、お金をくださいは、Eスポーツの世界では通用しない」と主張して来ました。これは驚くべきものです。前述の通り、我が国では憲法に基づき、仕事をさせるなら最低賃金を支払うべしと定められています。

ソフマップが主張する、我が国の法律が通用しない「Eスポーツの世界」というのは、いったいどんな世界なんでしょうか。ソフマップにとって、「Eスポーツの世界」とは、我が国の憲法も法律も無視してよい、特別な魔法の世界なんでしょう。そんな自分勝手で都合の良い世界など、存在しません。ソフマップは「Eスポーツ」というものを、自らの行為を正当化する為だけに用いているのです。




◆ソフマップは無名の輩に機会を与えてやってるんだから喜んで然るべき。

ソフマップは私の問い合わせに対して、「無名な人達に、スポンサーと出会える貴重な機会を提供しているんだから、賃金も交通費も出さないが、感謝して喜んで働くのがEスポーツだ」と主張してきました。果たして、本当にそうなのでしょうか?




まず最初に、ソフマップは本当に「無名の輩に有名になる機会を与えた」のでしょうか。既にイベントは終了していますので、実際に実況解説した人達が、スポンサー企業との出会いの場も持たないような、未経験の無名の人達だったのかどうかを、検証します。





以下が、実際にソフマップで実況解説を行った人達です。



  
・リーゼフェルト
   https://twitter.com/LyzeFelt
   東京アニメ・声優専門学校 講師(PUBG)  /
   ゲーム実況・解説  / イベント・大会等MC /
   テレビ出演多々有 / 元プロゲーマー /
   ゲーム配信 / ライター / その他お仕事も受けてます。
   詳細はURLにて【仕事・依頼・ご相談のお問合せ先】

・和葉
   https://twitter.com/sasuga_kazuha
   全ての言葉に心あり 東アニ卒業生。
   esportsキャスターやってます。
   実況/解説経験タイトル LoL/PUBG/CS:GO/OW/R6S/
   Shadowverse/スト5/GGXrd/スマブラ/エルソード/
   どうぶつタワーバトル/ウォーソング/クラロワ
   お仕事のご依頼お待ちしております。

・フリー監督
   https://twitter.com/free_kantoku
   ゲーム配信/実況解説/イベント企画/TV出演など。
   大会優勝多数。
   TV LOLチーム金子 監督
   e-sportsプロチーム「TRS」「Det」元代表



ソフマップは言いました。

未経験の人達に貴重な経験を積む舞台を提供し、無名な輩にスポンサー企業との出会いの場を提供してやっているんだから、それに対して賃金を要求するのは常識のない人間のすること。




一体このどこが、未経験の人達なのでしょうか?
一体この人達のどこが、無名な輩なのでしょうか?

フリー監督なる人物のプロフィールを見て下さい。TV出演など大会優勝多数です。TV出演など大会優勝多数でもまだ無名というのであれば、そのフリー監督なる人物は凄まじくつまらない人物なのでしょう。フリー監督はやることなすこと喋ること全てつまらないから無名なのでしょう。それ以外に無名である理由が思い浮かびません。




・サイコパス堀川
   https://twitter.com/doneshineshine
   DISTRICT81 Gaming Overwatch部門 GM
   兼 ストリーマー/e-Sports Cafe MK staff/
   Overwatch peak4257/Apex Legends/
   LoL/スマブラSP/CS:GO/Fortnite/
   Twitch公式パートナー/
   イベント企画・運営/
   イベントMC/実況・解説

・U者
   https://twitter.com/Usya_LoL
  esportsキャスター、大会やイベントの盛り上げ役!
   sn→usya 「U者」でゆうしゃと読みます。
   All Campus Series2017、AfreecaTV LOL公式日本語放送、
   JCCやWUL等で実況させて頂いてます!ご依頼はDMまで!


・SeFi4
   https://twitter.com/gamers_SeFi4
   UBG(PC)/AcRyL Matrix/実況者/Matrix(日本代表)/
   るな☆まな推し/青猫特務隊/デバイス(Siberia650/
   Rival310/CORSAIR-K63/SoundBlaster G5)
   お仕事依頼→sefi4tv@gmail.com

・シンイチロォ
   https://twitter.com/shinichi_rooo
   元吉本芸人のeSportsキャスターのシンイチロォでっす!!
   Blizzardアカウント(シンイチロォ#1546)
   実況やMCなど呼んでいただけると嬉しいです!!
   お仕事・お問合わせは ~ まで!



いったいこのどこが、無名なんでしょうか。
いったいこのどこが、未経験なんでしょうか。


ソフマップの主張は完全に破綻しています。ソフマップは自らの法律違反を、スポンサー企業との出会いの場という、謎の論拠を用いて正当化しようと試みただけだったのです。






ソフマップよりも悪質なのが、このリストに有る人達です。

彼らは、我が国の法律を無視して「仕事をします、お金をください」はEスポーツの世界では通用しないと主張する犯罪企業ソフマップと共謀し、我が国のEスポーツを破壊しにかかったのです。無名でもなんでもない人達が、労働に対する対価を支払わない犯罪企業と結びつき、我が国のEスポーツの公正な発展を妨げたのです。


法律に基づいた賃金を受け取るべき労働に際し、賃金を受け取らずにそれを行う事は、我が国の法律によって、禁じられています。





「不当に役務を低い対価で供給する行為」
それが、我が国の法律で禁止されている不当廉売、
所謂ダンピングと呼ばれる犯罪行為です。



なぜ不当廉売が禁止されているのか。
それは、公正な競争を促し、経済の発展を促す為です。

Eスポーツを、発展させる為です。



フリー監督に代表される彼らは、我が国のEスポーツから公正な競争を奪う事で、Eスポーツの発展を阻止する為に、不当廉売ダンピングを行い、我が国のEスポーツの未来を潰す事により、自分達だけが利益を得ようとしたのです。その為に、法律を無視する犯罪企業であるソフマップと結託し、不当廉売を行ったのです。彼らこそが我が国のEスポーツにとっての大敵であり、不当廉売という経済犯罪を行う事でEスポーツの未来を害する純然たる悪の集団であり、消えて滅びて然るべき人達なのです。






◆無償労働をしない人間は、Eスポーツに対して本気ではない。

「ありがとうございます」と感謝して、よろこんで無償労働をしない人間は、Eスポーツに対して本気ではない。私達ソフマップはよろこんで無償で働く志のある人材を育てていく。

このソフマップの主張は、有言実行なものです。有言実行である点だけに関してはリスペクトしましょう。サイコパス堀川、フリー監督、リーゼフェルト等には、給与が支払われていない事を確認済みです。公式には交通費も支給されていません。全員が無償労働、廉価販売、ダンピングを望んで行い、Eスポーツから公正な競争を奪い、我が国におけるEスポーツの発展を阻害する事で、自分達だけが利益を得られる環境を作ろうと企む、Eスポーツの大敵のリストです。







また、ソフマップが自分達が賃金を支払わない事を正当化する為に用いたスポンサー企業も、我が国のEスポーツの敵である事は言うまでもありません。このようなイベントをスポンサーし、ソフマップの主張を正当化するADATA Japanは、我が国のEスポーツにとってもっとも有害な会社であると言えるでしょう。


ソフマップは「Eスポーツ」という言葉を、自らの法律違反即ち犯罪行為を正当化する為に用いました。また、サイコパス堀川、U者、フリー監督、シンイチロォ、和葉、リーゼフェルト等は、不当廉売を行う事で我が国のEスポーツから公正な競争を失わせました。それらは、我が国のEスポーツの発展と未来を阻害するものです。彼らのように、「Eスポーツ」という謎の流行語を、自らの利益の為のみに用い、Eスポーツを破壊する人々こそが、世界中のeSportsプレイヤーにとって、そしてEスポーツの未来にとって、最も有害な人々の一例なのです。

2019年3月12日火曜日

stylishnoobの何が完全に間違っているのか。






「pcゲーマーならば、中国サーバー隔離に賛成するのは当然だ」
stylishnoobは言いました。


これは、間違いです。
stylishnoobの発言は完全に間違ったものです。








なぜstylishnoobは完全に間違った発言を行ってしまったのでしょうか。それは、stylishnoobが無知だからです。僕自身が、そして私達ビデオゲームプレイヤーの一人一人がそうであるのと同じように、見るもの全てを即座に撃ち殺す事で有名なかのstylishnoobもまた、無知蒙昧の人だったのです。




stylishnoobの発言を否定するのは、とても簡単なことです。

なぜならば、私達の住んでいるこの世界には、中国人を中国サーバーに隔離した結果、退屈になったゲームが存在しているからです。中国サーバーを隔離した結果、絶望的につまらなくなってしまったpcゲームがあるからです。あなた方にとって、にわかには信じられない話でしょうが、それは実在しているのです。








そのpcゲームとは、dota2です。

中国人が中国サーバーに隔離されるまで、私達dota2プレイヤーは中国人と同じサーバーでdota2を遊んでいました。「中国人はマナーが良かった」という事実は、当時dota2を遊んでいたプレイヤーの中では広く共有されています。私達がプレイしていたdota2というゲームにおいて、中国人は最もマナーのよい人達でした。




それだけではありません。

中国人が中国サーバーに隔離されてしまったPCゲームであるdota2を今もプレイし続ける私達は、「中国人を中国サーバーに隔離しないでほしかった」と、強く思い続けているのです。僕達は中国人と同じサーバーで遊べるpcゲームを、今も望み続けているのです。








https://www.esportsearnings.com/games/231-dota-2


その理由がこれです。

中国人の獲得賞金額は、他の国を圧倒しています。
2位から5位まで足してもまだ足りません。

dota2というPCゲームにおいて、中国は強豪です。
ただの強豪ではありません。
圧倒的な強豪地域です。




かつては獲得賞金額ランキング上位100名のうち、半数以上が中国人でした。中国には綺羅星の如き世界的な名手が、一天を埋め尽くさんばかりに輝いていました。





carryという概念を完成させ、mobaは一人のDPSによって勝利出来るという事を証明しつづけた伝説のcarry player、Z-rexことzsmj。中国が遂に手に入れた真の才能とまで謳われた、生まれながらの覇王maybe。1から5まで全てのポジションで中国最強即ち世界最強になれると囁かれたキャプテンfy。そのfyに勝るとも劣らない後衛プレイヤー、ファンタスティックFことFenrir。平凡極まる凡人が、ただ努力のみによって世界の頂点にまで辿り着けると証明して魅せた人類最強super。dotaは一人で二位までは行ける、史上最強のインゲームリーダー、キャプテンxiao8。全てを貫き勝利をもたらす魔法の力の銀の弾丸ChuaN The Silver Bullet。dota14年の歴史の中でただ一人、サポートがゲームを勝利に導けるという事を実証したMMY。中国全土が悲嘆に暮れた未完の帝王、情熱の人Burning。RTZという異形のカナダ人によって一度は失われた中国覇権時代を取り戻す為に登場した、中国の未来ことCty。全てを照らす朝日のごとく何故かmidをやるADC、ライジングサンこと昇る太陽sccc。世界で一番レートの高い男June、勝率9割のパブスター梦、異次元にしてLoL世代の才能拒絶者。ビデオゲームの歴史の中で才能だけなら未だに最強、全ヒーローで世界一の使い手、神の手を持つ史上最強のside solo carry、yyf。







ぼくらは、彼らと遊べたのです。

「PLAY DOTA」という赤いボタンをクリックするだけで、僕等は彼らと遊べたのです。その可能性があったのです。確かに、確実に遊べるわけではありませんでした。天文学的な確率ではありました。それでも、あの頃の僕等には、中国が世界に誇る伝説的な名プレイヤー達と同じチームで、あるいは敵同士として、同じビデオゲームを遊べる可能性があったのです。




youtubeでしか見た事のないような有名プレイヤーと同じゲームで遊べるかもしれない。たとえそれが僅かな可能性であったとしても、心はあまりに無邪気なもので、僕等はその可能性という非日常に対して胸をときめかせながら、「PLAY DOTA」という赤いボタンをクリックし続けたのです。




人とは、下世話なものです。

有名人に会いたいとか、有名人と遊びたいといった感情は、誰もが皆、どこかで抱いているものです。stylishnoobがオフラインのイベントに出席すれば、日本中からバスと電車を乗り継いだ人々がstylishnoobに会う為だけに会場を訪れます。Atlasというゲームにおいては、stylishnoobと同じグループで遊ぶ為に、多くのプレイヤーが現金をstylishnoob本人に対して支払いました。スタバでカフェフラペチーノを飲む為ではなく、「田中さん、サブスクライブ継続7ヶ月目ありがとうございます、感謝します」と言ってもらう為だけに、人は500円を費やすのです。








あの頃の僕等には、可能性がありました。

stylishnoobに勝るとも劣らぬような伝説的な有名プレイヤー達と、同じゲームで遊べる可能性がありました。そして、その可能性はある日、突然、完全に消えました。中国人が中国サーバーに隔離されてしまったのです。dota2はつまらなくなりました。dota2は退屈になりました。dota2からトキメキの、半分以上が失われました。








私達がプレイしてきたdota2というゲームは、日本ではサービス展開すら成されていない、日本人プレイヤーなど一人も存在しないレベルの、誰も知らない零細マイナーpcゲームであり、stylishnoobが知らないのも当然のことです。知っているわけがありません。当たり前の話です。




そんなdota2ではありますが、dota2がpcゲームであるという事実は揺らぎません。故に私達dota2プレイヤーは、stylishnoobの何が完全に間違っているのかを、簡単に証明することができます。















それはまず第一に、「中国人を中国サーバーを隔離せよ」というのは、決して、pcゲーマーの総意などではないということです。「pcゲームで中国鯖を独立(隔離)させることに難色を示す奴は自称うんこ漏らしたことが無い成人男性ほど信用ならない」というのは、stylishnoobによる、stylishnoobの所感の表明でしかありません。「pcゲーマー」という主語は、あまりにも大きすぎたのです。主語が大きすぎる事が問題だったのです。







そして、「中国人を中国サーバーに隔離せよ」というのが私達pcゲーマーの総意でないという事実こそが、stylishnoobの発言の何が完全に間違っているのかを証明する為の論拠です。







stylishnoobは何を望んでこのような発言を行ったのでしょうか。stylishnoobは何故、「中国人を中国サーバーに隔離せよ」という意見が、pcゲーマーの総意であると誤認してしまったのでしょうか。





私達ビデオゲームプレイヤーにとって、その理由を推測するのは容易いことです。あまりにも容易いことです。








それは、チートです。
チーターです。












私が初めてプレイしたFPS(TPS)シューターはPUBGです。

3D酔いに極めて弱い人間であるが故に、これまで長きにわたり、FPSシューターを遊びたいなどと、考えたことすらありませんでした。FPSというのは人を銃で撃って喜ぶような頭のネジが完全にいかれてしまった人達のビデオゲームだと信じてこれまで生きてきました。

私は3D酔いという無敵の障壁によってFPSという暴力から守られていたのです。ところが、PUBGはその壁をいとも容易く突破してきました。Xerox Macabreの配信で見たPUBGは、とても面白そうなビデオゲームだったのです。








そして私はPUBGを購入しました。

けれども、家屋を漁ると3D酔いをしてしまうので、家に入る事は出来ません。3D酔いせずにアイテムを集められる場所を探し続けた結果、常に発電所に降りて、地上を駆け回り、2階は酔うので無視をして屋上へと上がり、屋上の欄干の上に10分以上しゃがみ続けて3D酔いの回復を待ち続けるという、独自のプレイスタイルを完成させました。それは、とても楽しかったです。K/Dは当初の0.02から、最終的には0.5まで上がりました。何度かドン勝つもしました。10年以上pcゲームを遊び続けながら、初めて遊んだFPS(TPS)シューターは、僕にとって、衝撃的な面白さでした。




けれども3D酔いが深刻なので、あまり長くは遊べません。故に私は、人のPUBG配信を見るようになりました。僕が見ていたのはgrimmmzです。当時のgrimmmzはshroudと人気を二分する程の、人気PUBG配信者でした。それから2年が経ち、shroudは今でも人気配信者です。一方のgrimmmzは完全に消えました。跡形もなく消え去りました。もはや誰もgrimmmzの行方を知りません。生きているのか、死んでいるのかさえ、定かではありません。





なぜ、grimmmzは消えたのでしょう。
完全に消えてしまったのでしょう。





それは、チートです。
grimmmzはチートに極めて弱かったのです。






チートに弱いのは、grimmmzもshroudも同じでした。相手はずるをしているわけですから、勝てるわけがありません。しかし、両者の間には決定的な違いがありました。それは、メンタルです。メンタルの強さです。shroudはチーターに殺されても「HAHAHA、くだらねーな」と軽く笑い飛ばせる強靱なメンタルの持ち主でした。一方のgrimmmzは違いました。

「このゲームこそが俺の求めていたゲーム」とまで言い放ち、PUBGにその情熱を注ぎ込み真剣に遊び続けていたgrimmmzのメンタルは、PUBGがチーターによって急速に汚染されて行くという事実に耐えられませんでした。

shroudにとってのPUBGは数多ある「ただのゲーム」の1つでしかありませんでしたが、grimmmzにとってのPUBGは、自らが情熱を注ぎ込むに値する、求め続けた幻の、遂に出会った真のビデオゲームだったのです。




それ故に僕はgrimmmzの配信が好きだったのです。唯一grimmmzのPUBG配信だけを見ていたのです。冷淡に人を撃ち殺し続けるだけのshroudにも、金の為にきゃっきゃとはしゃぐNinjaにも、気がつけば荷台で伏せているSPYGEAにも、全く興味はありませんでした。面白いなどとは微塵も思いませんでした。




あの頃の僕等は、grimmmzの愛に引き寄せられていたのです。ビデオゲームに対する愛に、PUBGに対する愛に、そして情熱に、努力に、引き寄せられていたのです。故にあの頃のgrimmmzは、今では信じられないでしょうが、Ninjaを遙かに凌ぎ、あのcloud9のshroudと、人気を二分する程の、大勢のリスナーを集めていたのです。人々を虜にしていたのです。僕等一千万人のgrimmmzリスナーは、grimmmzの情熱に酔いしれていたのです。

自ら己が遠い昔に失ってしまったビデオゲームに対する熱い情熱を、grimmmzの中に見出し、grimmmzに仮託し、grimmmzがプレイする様を手に汗握って応援し、grimmmzが「このゲームこそが俺の求めていたゲーム」と言うのだから、それは僕等にとってもそうなのだと信じて、grimmmzを応援するだけに留まらず、PUBGというビデオゲームをも応援し続けていました。「PUBGはただのゲームだ」と冷淡に言い放つshroudの対極に、私達grimmmzリスナーは存在していたのです。






そしてgrimmmzは壊れました。
凄まじい速度で壊れていきました。

「世界中の人々にPUBGの面白さを伝える」
という崇高なテーゼの元にPUBGをプレイするgrimmmzにとって、自らがその面白さを世界中に伝えようとしている愛すべきPUBGが、チーターによって退屈でつまらないストレスだけが溜まる空間へと変貌していく様は、何よりも耐えがたいものでした。

怪しい殺され方をする度に、PUBGを情熱的に愛しているという自らの態度と、PUBGの面白さを伝えるという自らのテーゼに決して反さぬように細心の注意を払いながら、決して「cheat」という言葉を用いる事のないように自らを律し続けつつ、GeForce Experienceによって録画されたShadowPlayのリプレイを、ひん曲った唇に押し殺した表情を隠しながら、声にもならないうめき声を上げつつ何度も何度も繰り返して見ていました。その度に、grimmmz配信の視聴者は、500人単位で減っていきました。




shroudの身に同じ災難が降り懸った際にshroudが選択する行動は、grimmmzのそれとは対照的なものでした。「HAHAHA, ok.」それで終わりでした。shroudにとってのPUBGは、ただのゲームでしかなかったのです。grimmmzにとってのPUBGは、人生でした。愛でした。情熱でした。全てでした。だからこそ、僕達grimmmzリスナーは、grimmmz配信が好きだったのです。だからこそ、僕達grimmmzリスナーは、grimmmzを見捨てたのです。




愛は憎しみへと変わります。
どのような愛でもそうです。

たかがビデオゲームなんてものを、愛したのがそもそもの間違いだったのです。grimmmzはその間違いが故に人々に見捨てられて行ったのです。僕達grimmmzリスナーが見たかったものは、grimmmzではありませんでした。あの頃、あの日、あの時、あのtwitchで、私達grimmmzリスナーが見ていたものは、grimmmzのゲーム配信ではありませんでした。PUBGでもありませんでした。僕等が見ていたものは、愛だったのです。愛を見ていたのです。あの日のgrimmmz配信には確かに存在しいていた、愛こそを僕等は見ていたのです。





そして、愛は憎しみに変わりました。

目を輝かせながら振り向きざまに二階の窓めがけてダブルバレルをぶっ放しては続けざまに武器を持ち替えてさらに2つのキルをとり、同じクリップが10も20も作られていた、あのgrimmmzはもうどこにも存在しません。

あれからの僕等がgrimmmz配信で目にしたものは、たとえドン勝つしたとしても、「運よくチーターに殺されなかっただけだ」という決して発声される事のない言外の言葉と憎悪に満ちた表情を懸命に押し殺し、偽りの微笑みを頬と目尻で捏造しながら、まるで何かに追われるようにウェブカメの外側へと駆け足で逃げるように飲み物を取りに行き、ため息と共に戻ってきては「あーーー、サブスクライブありがとうございます、感謝します」と機械的に読み上げるだけの、grimmmzの変わり果てた姿でした。そこには密かに隠された、決して目に見えない、見える憎しみがありました。憎しみだけがありました。





「PUBGこそが俺の求めていたゲーム」とその愛を語っていたgrimmmzという一人の人間の、その他ならぬその愛こそが、配信で生計を立てていく為にPUBGをプレイし続けてはチーターに殺され続けるという、自らの陥ってしまった境遇への、そしてPUBGというビデオゲームへの、憎しみの元凶でした。






いえ、そんなものではなかったのかもしれません。

今にして思えば、僕にはわかります。grimmmzが本当に憎んでいたものの正体がわかります。grimmmzが憎んでいたものは私達grimmmzリスナーでした。自らがどれだけPUBGの面白さを配信で伝えても、PUBGをプレイせずに指をくわえてまぬけな表情で勝ち負けと愛と情熱の全てをgrimmmzに仮託しながら無責任にPUBG配信を見続ける私達grimmmzリスナーでした。

私達grimmmzリスナーは、チートの疑いが濃厚なキルログが画面上部に表示されるだけで露骨に表情が凍り付くgrimmmzを見て、「こんなgrimmmzが見たいんじゃない」とgrimmmzを見捨てました。常に爽やかで些細な微笑みを浮かべながら、冷淡にただのビデオゲームをプレイし続けるshroudのPUBG配信へと流れて消えて行く。それが、私達grimmmzリスナーの正体でした。

grimmmzはその憎しみを私達リスナーへと向けないように注意していたように見えましたが、それが「リスナーこそが収入の源である」という理由から来るものなのか、あるいはgrimmmzが元来所持していたプロ配信者としての誇りからなのか、それとも自らが愛したPUBGというビデオゲームを発端として誰かを不愉快な気分にさせたくはないという、憎しみへと変貌しても未だ変わらぬPUBGへの愛から来ていたものなのかは、今となっては知るよしもありません。






grimmmz配信を少しずつ見なくなっていった僕は、次第にPUBGへの情熱を失っていきました。PUBGを起動する頻度が下がり、やがて最終的には野良スクアッドで中国人の3人組に車を手配して行ったら撃ち殺されてアイテムを漁られたのを最後に、二度とPUBGをプレイしなくなり、PUBG配信も見なくなりました。それはあっという間の出来事でした。1つのビデオゲームが僕の目の前に現れて、凄い速度で消えました。








僕は今でも、頻繁に、とても悲しい気持ちになります。

"PUBG"という文字列を目にするだけで、あるいは"バトロワ"という文字列を目にするだけで、心に涙が浮かんできます。それは今では完全にインターネットから消えて無くなってしまったあの頃の、見知らぬ誰かのIDを思い起こさせる、とても悲しい文字列なのです。もしもPUBGにチーターが一人も居なかったならば、grimmmzは今でも人気配信者だったのかもしません。いえ、人気があったかどうかなんて、私達grimmmzリスナーにとってはどうでもいいことです。もしもPUBGにチートがなかったら、grimmmzは今日も楽しそうにビデオゲームをプレイしていたことでしょう。僕等はそれが見たかったのです。幸せそうに拡マガ無しのベクターを撃ち尽くしてしまい慌てふためきながらピストルでARに撃ち勝つgrimmmzが見たかったのです。それは叶いませんでした。grimmmzは死にました。チーターに殺されたのです。











果たして、です。

stylishnoobの言うように、中国サーバーを隔離していれば、世界中のビデオゲームプレイヤーは、幸せにビデオゲームを遊び続けられたのでしょうか?stylishnoobの言うように、中国人を隔離していれば、grimmmzは死なずに済んだのでしょうか。















違います。
断じて違います。

これは中国の問題ではありません。
中国人の問題ではありません。


チートの問題なのです。
チーターの問題なのです。




事実、チートの存在しないdota2において、中国は問題ではありませんでした。チートの存在しないdota2において、中国人は問題ではありませんでした。それどころか、中国人は最もマナーのよい人達だったのです。




stylishnoobの間違いは、「チート」と「中国人」がイコールで結びつけられる事の決して無かったdota2というBLACKSHOTよりも遙かにマイナーな誰も知らないpcゲームを完全に無視した上で、「チート」と「中国人」を結びつけた事にあります。







stylishnoobは続けざまに「私には黒人の友人がいる(I have a black friend)」をやっていますが、無論これも論外です。自らの無知から来る特定の人種集団に対する間違った認識を「うんこを漏らす」と茶化しながら「そうでないならばゲーマーではない」と強いつつ拡散した上で、「私には黒人の友人がいる」と言ったところで、なんの弁解にもなりませんし、正当化されるわけがありません。









言うまでもなく、チートは人種の問題ではありません。
チーターは世界中に存在しています。








何よりもその証拠となるのは、他ならぬ関優太です。

かつて、関優太はBF4というpcゲームで、チートの疑いをかけられました。チートの疑いをかけられた関優太は、チートツールを使用していない事を証明する為に、自宅検証を受け入れます。言うまでもなく、それは自宅検証などではなく、ただの暴力行為です。20代の無力な若者であった関優太というビデオゲームプレイヤーに対して、ビデオゲームのコミュニティが徒党を組んで、完全な濡れ衣であるチートの疑いを背景として、自宅に踏み込みPCを漁るという暴力行為を受け入れさせ、その暴力を行使した、というだけの出来事です。stylishnoobというIDで知られている関優太は、我が国のビデオゲームの歴史に汚点を残す暴力事件の被害者なのです。





確かにBF4にチーターは存在したでしょう。だからといって、関優太という一介のビデオゲームプレイヤーを、「おまえチート使っただろ」という暴力によって虐げてよいはずがありません。その被害者が、その当人が、その人物が、中国人にチーターが多いという事を論拠として、中国人が一切問題にならなかったdota2というpcゲームの存在を無視しながら、中国人の隔離を訴えているという実情は、あまりにもかなしい光景です。あの日、身に覚えのないチートの疑いをかけられた怒りを、あの日XVIDEOSの閲覧履歴を隠したいが為にブラウザの履歴を消しただけで糾弾された憤りを、関優太はもう忘れてしまったのです。無理もありません。遠い日の出来事です。




チーターの疑いをかけられた人物が実際はチーターではなかったという事実を歴史に残す。それにより、関優太よりも先、我が国のビデオゲームの未来の中で、チートという濡れ衣を被せられ、無実の罪によって追い詰められ疲弊したプレイヤー達に対し、「負けるな」というエールを送りたい。

あの日の関優太は、そんな崇高な志を抱き、その信念と願いの中で、自宅検証とは名ばかりのただの暴力事件の被害者となることを、自ら率先して選んだのです。それを、僕等は今でも忘れていません。関優太という不世出のゲームプレイヤーが私達に残していった類い希なる伝言を、私達ビデオゲームプレイヤーは、今日も覚えています。そして語り継いでいるのです。





ならばその伝言を、私達は今拾うべきでしょう。





今日も、世界のどこかで、誰かが濡れ衣をかけられています。身に覚えのないチートの疑いをかけられています。たとえば我が国だけの話にしても、stylishnoob以降も、xqが、EuniceOrtizが、vueloが、Nephriteが、数多の名プレイヤーが、チートの疑いをかけられ続け、それを否定する為に体力を消耗してきました。これほど不毛なことはありません。




何故そのような出来事が起きたかというと、世界中どのような国にも、チーターは多数存在するからです。我が国ではかつて、任天堂のハードウェアを売る店が同じ棚でチートツールを合法的に販売していましたし、国会議員までもがそのチートツールを使っていました。日本でしか展開していないゲームにもチーターは存在しますし、中国サーバーが隔離されているゲームにおいても同じようにチーターは存在しています。

だからと言って、「ゲームがうまい」というだけの理由でチーター扱いするのは完全な間違いですし、「中国人だから」というだけの理由でチーター扱いするのも完全な間違いです。どちらも同じ、完全な間違いです。







stylishnoobがビデオゲームをプレイする中で、多大なストレスを受け、その多大なストレスについて発言を行うという行為は、極めてポジティブで建設的な行為です。だからと言って、「ゲームがうまい」というだけの理由でチーター扱いするのは完全な間違いですし、「中国人だから」というだけの理由でチーター扱いするのも完全な間違いなのです。

stylishnoobの何が完全に間違っていたかというと、主語と述語、即ち発言の全てであり、唯一stylishnoobが完全に正しかったことは、発言を行ったことです。ビデオゲームをプレイするのは極めて容易い一方で、発言を行うのは極めて困難であり、体力を消耗する行為です。

そして、確かな事実として、ビデオゲームをプレイしているだけでは世界は変わりません。ビデオゲームをプレイするという行為は、世界を変える行為ではありません。stylishnoobの発言は主語と述語が間違っていた、即ち全てが間違っていた発言ではありましたが、ビデオゲームをプレイするのとは違い、世界を未知の光で照らし、私達の住んでいる世界をよくする為の行いだったのです。




声をあげることは正しく、訴えたいことを訴えるのは常に正しいものです。無視と黙殺と言論弾圧で変わる世界は存在しません。誰かが何かを言わない限り、世界は決して変わらないのです。そして、関優太はあの日の自宅検証に続き、一度ならずも二度までも、世界を変えようとしたのです。私達はまずその行いに、敬意を払うべきでしょう。

2019年3月11日月曜日

乳首から稲妻を放つ男 vs 力道山。

力を手に入れた。乳首から稲妻を放つ力である。無論のこと、望んで手に入れたものではない。不幸せが必然である一方で、幸福は偶然によってもたらされる。同じように無力さというものが必然である一方で、力は偶然によってもたらされるのである。よって、この力は偶然の産物である。当然である。一体誰が、乳首から稲妻を放つ力などという、一見するとくだらない、そして得体の知れない謎の力を、自ら望んで手に入れようか。

乳首から稲妻を放つ力を手に入れた今、僕が思い出すのは力道山である。力道山は空手チョップを繰り返す事で世界中の大男を悉く、意図も容易く薙ぎ倒す力を手に入れながら、寿司を喰らってサイダーを飲む事によって死んだ。それが寿司によるものなのか、サイダーによるものなのかは今も議論の絶えないところであるが、全てを薙ぎ倒す空手チョップという、まるで夢のような唯一にして絶対なる力を手に入れながら、寿司だとか、サイダーだとか、そういうありふれたくだらないものによってその命を絶たれたのである。

ならば、と僕は思う。今の僕ならば力道山にも勝てるのではないか。何しろ、僕は、乳首から稲妻を放つ能力を手に入れたのである。確かに、乳首から放たれる稲妻というものは、全てを薙ぎ倒す空手チョップと比較すれば若干弱い。稲妻は所詮稲妻である。稲妻は雷光だけを網膜に残し、一瞬で消えて失われる。一方で空手チョップを喰らったその痕跡は、向こう二晩は消えぬであろう。空手チョップとは、それほどの威力である。やはり分が悪い。冷静に考えれば、僕は力道山には勝てぬやもしれぬ。

けれどもサイダーはそれを成した。稲妻が一瞬であるのと同じように、サイダーもまた一瞬である。あっというまに気が抜けて、ただの砂糖水へと戻ってしまう。サイダーは自らが、水と砂糖と二酸化炭素へと崩壊しゆくその中で、力道山を殺したのである。サイダーにすら出来たのだから、成して成らぬことはあるまい。咳により胸の骨を折り、息をする度に乳首から自らの脳髄目掛けて痛みという稲妻が放たれる特殊能力を手に入れた俺は、稲妻が生み出す激痛により、力道山とならずとも、きっと誰かを殺せるであろういつの日か。

2019年3月7日木曜日

ぼんやりと

ぼんやりと頭が痛くて、ぼんやりと湿気た部屋で、ぼんやりと春を感じながら飲むぬるい茶は、この先続きを書く気力すら失われるほどに生暖かい。