2012年1月29日日曜日

僕は馬鹿だからLodaが勝つと楽しい。

NaViが終わった。遂に終わった。やっと終わった。直近7試合の成績は3勝3敗1分け。これはもう完全に終わったと考えるのが自然だろう。遂に終焉、NaViの終焉である。








NaViは昨日の試合までに、EG、KuroKy、モスクワ5、DTS、未知強ニュージーランドオーストラリアなどを相手に満遍無く負け始めており、あとはLodaがNaViに勝てば往年のdotaシーンが復元される、という所まで来ていた。




そして昨日のxP対NaVi。

xP.Loda
xP.pajkatt
xP.ミラクル
xP.akke
xP.pinoy

EGに居たパジャがLodaと合流。
かつて欧州dotaシーンで完全無敵の絶対王朝を築いたLodaだけど、KuroKyという悪魔的なタレントにその地位を追われて、一時期はKuroKyに負けっぱなしだった。その最大の要因は「チームメイトの差」であり、その時期に「彼がLodaと組めば」と世界中から望まれ続けていたのが、同じスウェーデン人であり、そつなく上手いなんでも出来る万能系プレイヤーとして注目を浴びていたパジャキャットだった。そのパジャは事もあろうかKuroKyと組んでタイトルを獲ったりして、世界中が待ち望んだLodaとの合流は中々果たされなかったものの、紆余曲折と長い長い歳月を経て、シーンの盛り下がりとKuroKyのうざすぎる強さからdota allstarsに対するモチベーションを失いつつあったLodaとドリームチームを結成し、欧州シーンの象徴的な場であるDreamHack Winterで遂に悪魔のKuroKyは討たれ、王冠はLodaの頭上に輝きめでたしめでたし大団円、という事で欧州dotaシーンはエンディングを迎えて終了したのである。




そして、dota2。
パジャは当たり前のようにEGでプレイしていた。
EGはEスポーツチームとしての競争力があり、アメリカ人のフィアーとデーモンという古豪を軸にした強いチームでもある。だから、パジャはこれから先もEGでプレイし続けるのだと思っていた。そしてパジャが売り切れたという事は、スウェーデン人(スウェーデン語話者)のクラックが売り切れたという事を意味し、「Lodaが上を目指そうにも世界的名手は見あたらない」という残酷な現実だけがそこにあった。ところが、そのパジャがEGを抜けてLodaと合流したのだから笑いが止まらない。



xP.Loda、欧州シーンの頂点。
xP.パジャ、遅れてきたスウェーデン人クラック。
xP.ミラクル、KuroKyと組んで頂点、Lodaと組んで頂点。
xP.akke、SK.Lodaのチームメイト。可もなく不可もなし。
xP.pinoy、情報が無い。見た感じ可もなく不可もなし。

こんな感じの面々で、戦える戦力が遂に揃った。
Loda本人もいい感じに仕上がってきており、あとはNaViを討伐するだけ。

展開はNaVi、farmはLodaといった感じの順当な立ち上がりから、ほとんど互角でゲームは進み、15対15くらいまではがっぷり四つ。けれどもその辺りからNaViの大切な主戦力であるdendiが次第にゲームの枠組みから外れて行き、欧州1のファーマーという不当な評価を受け続けてきたLodaの超一流のファーム技術と神ミクロが見事に生きて全ての会戦で一手、あと一手が足りずに負けまくるNaVi、勝ちまくるLoda、次第に空気化するxboct。aegisを使ったLodaの攻めも綺麗に決まり、決定的な差が付いてテンションだだ下がりのロシア語実況。melee raxを2つ割られてどうしようもなくなるNaViと、テンションが下がりすぎて遂にストリームを中止するロシア語実況者。一段落して「これ、bo1?」と聞くdendi。「bo2」との回答を得た瞬間にgg。いつもはBGMにKpopとか流してる癖に何故か鳴り響くUSオーエンは彼女なのかのギターアレンジ。Lodaがー、Lodaが欧州に帰ってきた!!!!


2ゲーム目は開始3分前に終了したレベルのpick負けなので何も書く事は無い。プレイヤーとしてのLodaは復活したものの、pickerとしてのLodaは全然駄目。賢明に勉強している事だけは伝わってくるが、場数が足りていない。NaViのpickerであるPuppeyは、5年以上の長きにわたり、pickerとして負けに負け、pick負けという屈辱を積み重ね続けて来たという強みがある。一方のLodaは一時期pickerをしていなかったし、「pick負け」の経験自体が皆無。puppeyやpggといった良いpickerが「pick勝ちしないと勝てないチーム」で長く過してきたのに対して、Lodaにはその経験が無い。この差は一朝一夕には埋まらないだろう。けれども、プライオリティの低い対戦の場で、完全な勝利と完全なpick負けを同時に経験した事は、今後のLodaにとって大きなプラス。歯痒いpick負けは今後も幾らかは繰り返されてしまうだろうけれど、それは仕方のないこと。とにかく、dotaたるLoda、lodaたるシーンが復活したのだ!同時に、僕は馬鹿だからLodaが勝つと楽しいという単純な生き物である事が判明した。よくよく考えてみたら中国人とか好きでもなんでもないから、中国とかどうでもいいし。どんな糞ゲーでもどんな糞シーンでも、Lodaが勝てばそれで満足。ハイ、大円団。






NaViに土を付けた他のチームをざっと。


DTS(TR)
モスクワ5

これは共にソビエト最高のpickerであり、チームリーダーであるpggのチーム。中国の820と並び賞された賢い系チームプレイヤーのpggが適当に仲間を集めて「ソビエトオールスター」であるはずのNaViに勝利。pggという人は志向する勝ちパターンが独特で、結果が出なければ「pggのpickと作戦が敗因」とされるタイプのプレイヤーで、毀誉褒貶が定かでない人。けれども、個人性能もpick性能も、そしてチームを纏めて勝利に導く腕も全てが本物で、決してモチベーションを失わない執念も凄まじい。今後も結果を残す可能性は非常に高い。3人殺して4人目と相打ち、というスタイルで一世を風靡したdotaシーン黎明期を象徴する大スターのvigossも居るよ。流石に長い長いブランクの間にdendiに追い抜かれた感があり、昔を知らない人にとっては見るべきものは無いかも知れないけれど。

pgg脱退後のモスクワ5は、god、NS、santaと優れたプレイヤーを揃え、こちらもトップシーンに踏みとどまりそう。NSは一時期はdendiやLTHやpggよりも格上だったソビエトを代表するプレイヤー。




KuroKy

KuroKy。KuroKy以外の何物でもない。mouz.KuroKyとして世に出た瞬間から明らかにものが違った、悪魔的プレイヤー。あのKuroKy。mouz脱退後は次から次にチームを乗り換え、金と名誉とチームメイトを求めて世界中を転々としながらLoda王朝を完全に崩壊させた張本人。Lodaとの決定的な違いは、常軌を逸した万能性。全てのヒーローを気持ち悪いレベルで使用可能で、一体どのヒーローが得意で、どのヒーローがお気に入りなのかさっぱりわからないという変態プレイヤー。そんなKuroKy唯一の弱点は母語がドイツ語であるという点。そして、世界中を彷徨いに彷徨ったKuroKy自身が異言語話者とのプレイに対する限界を明瞭に語っており、「今後はドイツ語話者とプレイする」という方針を打ち出している以上、WarCraft3シーンとdota allstarsシーンにおいて何一つインパクトを残せなかったドイツという弱小国に縛られ続ける事になる。

それが「致命的な弱点」になるかどうかは、今の所はっきりしない。この所KuroKyとプレイしていたleafというプレイヤーは、明らかに世界的な競争力を持っている。このレベルのプレイヤーが4人居れば、一時代を築く事も可能だろう。ドイツの人口自体は決して少なくないので、HoNやLoLからの参入者も含めて、強いチームが出来上がる可能性自体は存在している。

ただし、KuroKyはやはりKuroKyで、現在プレイ中のチームが3チーム(パンツァー、J4T、10000th)もあるという意味不明な状況であり、あの世界中を旅して回ったKuroKyであるからして、一寸先は闇である。誰と組むかもわからないし、どのチームでやるのかもわからない。代役としてドイツ最強の傭兵プレイヤー的な立ち回りをしているけれど、このまま傭兵家業を続けていては未来が無い。強い母体のあるEスポーツチームに所属し、5人揃えて練度を高めなければ、天下を取るのは不可能である。いや、そんなリアル立ち回りでもNaViに勝ったんだから十分と言えば十分なのだけれど……。

本来ならばKuroKyが所属するべきチームであるはずのmouzは、HONのトッププレイヤーを集めて、1人のドイツ人も存在しないチームを結成して低迷するという離れ業を見せている。mouzがこのまま負け続け、尚かつdota2をクローズしないならば、KuroKyに白羽の矢が立てられる日が来るかもしれない。けれども、そんな遠い話を気長に待つ余裕は誰にも無く、今の所はあまり良くない。もったいない、の一言である。





EG.Fear
EG.demon
EG.Playmate
EG.ミザリー

パジャが抜けたEGは、MYM繋がりのチームである。かつてMYMを率いたfearとdemon。時期は違えどMYM最強のキラーであったプレイメイトとミザリー。そこにパジャまで居たのだから当然強かった。パジャの後釜はmaelk。長きにわたりMYMを率いたプレイヤーであり、前衛後衛全て揃ったバランスの良いチーム。

EG最大の弱点はミザリーのプレイスタイル。勝ちゲームでは常に巨大な存在なのに、負けゲームでは目を凝らして探してもどこに居るのかわからない位に空気。同じpotm使いでも、どんな展開であろうと賢明に自分の居場所を創り出すSK.AngeLとは対称的なプレイヤー。プレイメイトはシンプルな極太carry屋なので、相性自体は良いと思う。




SK.miGGel
SK.AngeL
SK.link
SK.mania
SK.ryze

SKにmaniaが加入。
maniaはMYMでプレイし続けた欧州最高のsand king専。中衛プレイヤーとしてはスカンジナヴィア最高のプレイヤーであり、中衛/後衛が必要だったSKには理想的すぎる補強。世界最高のツーマンチームとしてアップセットを起こし続けたミゲルアンゲルを主軸とし、ミゲルアンゲルを支え続けた後衛のryze、世界的な競争力を手に入れたlink、欧州一のsand屋mania。贅沢を言えばミゲルを後衛に回したいのだけれど、十分に頂点を目指せる面子。AngeLは誰がなんと言おうと、世界最高のpotm乗り。




最後に、NaVi。
NaViはアートスタイルが脱退。これが致命的だった。他のチームはメンバー交代で強くなり、NaViはメンバー交代で弱くなった。思えば短い天下だったが、昨年秋のNaViの完成度と強さ群を抜いており、完全に世界はNaViのものだった。たとえどれだけ時代が進み、どれだけNaViが弱くなろうとも、あの時代におけるあの強さは疑う余地の無い圧倒的なものであり、決して過小評価されるべきものではない事だけは決して忘れないようにしたい。




最低限、リプレイ観戦用のクライアントだけは配布してくれないかな。
ストリーミング及び動画で見るのは観戦コストが高すぎて身が持たない。


今気になってdota2の入手方法を調べたら、dota2を第三者から直接購入するのは規約違反だけど、何かゲームを買ってそれをdota2と交換するのはOKなのか。それでスカイリム(現在30ドル~40ドル)やトロピコ4(40ドル)で交換出来ているみたいだ。なんだかな……。

2012年1月25日水曜日

眠たさ寒さ。

些細な夢も小さな希望も生きる活力も眠たさの中で凍えながら目覚め、何一つ現実と交わらぬままで失望と緊張だけを残して再び、眠たさの中へと消えて行く。

2012年1月24日火曜日

何かを見下さねば話の一つも書けない糞ブロガー

実はこの動画、投稿されたのは昨年7月と少し前のこと。それが半年以上も経ったいま話題となっているのは理由がありました。1月11日にニューヨーク交響楽団がマーラーの交響曲第九番を演奏するコンサートを行った際に、客席の最前列付近からiPhoneの着信音が鳴り出し、怒った指揮者が演奏の途中で曲を止める事態に。会場はブーイングの嵐に包まれ、なんとも後味の悪い演奏会になってしまったそうです。

このニュースが広く全米で伝えられると、観客のマナーを問題視する声と同時に、指揮者の対応にも批判の声が続々と上がりました。ちなみに、iPhoneを鳴らしてしまった男性は会場でパニックになり、さらに演奏会を台無しにしてしまったと、その後の数日間は一睡もできなかったそうです。

怒って演奏を止めた指揮者と、即興の演奏で“お返し”したクミットさん。この対比が話題になっているというわけです。
演奏中にiPhoneのマリンバ音が鳴り響いて会場が騒然となったので、演奏を止めてiPhon止めさせてから、(原因の人を退出させる事もせずに)しゃんしゃんと演奏を再開しましためでたしめでたしというお話が、糞ゴミ海外ニュースサイトのネガティブキャンペーンに利用されていて萎えた。何かを見下さねば話の一つも書けない糞ブロガーとそれに群がるインターネッター。

それ以前にiPhoneの話が流れた時点で「問題が生じた際の対応にこそ、その人の真価が問われる」「アラン・ギルバートの危機対応能力は凄い」「前時代の指揮者ならぶち切れて退出してる。」「この人はアメリカ育ちだけれど半分日本人で(」といった話をインターネットを全くしなくなった僕ですら目にした記憶があるのに、このnarinariとかいう糞サイトをやってる奴はインターネットを持って無いのかな。それとも、そういうのを目にした上で件の動画を持ち上げる為に、ようするにアクセスを稼ぐ為に厚顔無恥にネガティブキャンペーンしてるんだろうか。

しかしながらこの事件で一番酷い気分になったのは、クラシック系のブログのコメント欄で「最前列でマーラーとか、典型的なミーハーにわか成金DQNの行動パターンであり、なるほどiPhone鳴らすような低能糞客」などと散々に見下し馬鹿にしまくってる常連居座り系コメンテーター様を目にしてしまった時。本物のコメンテーターってのはどんなジャンルのどんなブログにも一定割合で存在するんだなと吐き気がした。それに続いてこれである。

なぜマーラーでiPhoneが鳴っただけで、iPhoneともマーラーとも無縁の人生を送るこの僕が、二度にもわたり、気分の悪い思いをせねばならぬのだろう。インターネットはろくなもんじゃない。

dota2を巡る陰謀論。

dota2シーンのいぶかしさが何処から来ているかというと、未実装ヒーローの偏りである。現dota allstarsシーンの最重要ヒーローが全て実装されてないという異常さである。そして「現dota allstarsシーン」が意味するものがそれ即ち「中国」であるからこそ、変な噂も湧いて出る。ご存じの通り中国は世界最大のdota allstarsシーン保有国である。それを「活きたシーン」と限定すると、唯一の国と書く事も許されるだろう。そして中国は、誰もが口を挟む余地の無い現代の最強国家であり、最強地域である。その中国が辿り着いたメタの最先端であり、メタを超えた所に君臨し続けてきた強ヒーローの多くが、dota2では未実装である。そこになんらかの意図を感じてしまうのは、被害妄想に捕らわれた中国人や中国贔屓のインターネッターならずとも自然なことだ。

昨年夏のプレ大会の際にvalveが「未完成だけれど、重要なヒーローから実装しているので大丈夫です」とか意味不明な事を言っててvalveという未知の会社に対する信用は完全に失せた。狼、パンダ、熊。この3体こそがdota allstarsの2011年だった。狼はban当然pick当然という所を通り過ぎて先手チームに1枠目でpickさせる(先手チームに押しつける)という一周後のメタで表舞台に復帰したし、パンダは全てのゲームでpickされ、熊はpickした方が勝った。2011年はそんな感じのシーンだった。ところが、その3体は未だにdota2に居ない。それどころか、他の重要ヒーローも多くが不在だ。

dota allstarsシーンの最重要ヒーローと重要ヒーローの半数が実装されていない事で得をしたのは誰か。損をしたのは誰か。「ああ、valveは中国人に勝たせたくなかったんだな」と想像するのは陰謀論だろうか。それとも、自然な事だろうか。僕はとりあえず陰謀論だと思う。思うけれど、奇妙な違和感を拭いきれないのもまた事実である。

dota2ではdota allstarsではあり得ない事が起こり続けている。「欧米>>>>>中国」という構図が完璧なまでに維持され続けている。dota allstarsのチームがdota2をやると話にならない位に弱い、という現実が保たれ続けている。「リメイク」であり「コピー」であるはずのゲームなのに、移行するには200ゲーム必要で、最重要ヒーローの多くが未実装という、おかしなおかしな異空間である。おかげでdota2シーンではdota allstarsシーンではもはや顧みられない終わったヒーローが当たり前のようにpickされ、しかも勝っている。dota allstarsならば、今更potmとか絶対にありえないのに、ミザリーやアンゲルは当たり前のようにpotmに乗って勝っている。そして、dota2には今の所、chinaのcの字も見あたらない。奇妙な違和感を抱えつつ、牛歩の歩みでヒーローの実装を行い、それを革新的な大ニュースであるのように発表し続けるvalveを半年ほど遠くから見る中でぼんやりと辿り着いた結論は、「Valveは想像以上に足りていないデベロッパーらしい」という、救いのないがっかりである。これで万が一にも狼とパンダと熊が揃った瞬間に中国が勝ったりするともう、腹の底から鼻で笑うんだけど。

2012年1月19日木曜日

1人のdota allstarsプレイヤーとしてdota2に望むこと。

dota2に望むことはただ1つ。

真っ当なLadder。
即ち真っ当なマッチングシステムだ。






dota allstarsにはLadderが無い。プレイヤーのレベルに応じたマッチングシステムが存在しない。WarCraft3にはそれがあった。ボタンを押して0.1秒(誇張抜きで)でそれ相応の実力の相手とマッチングされる神ラダーが存在していた。ところが、WarCraft3のマッチングシステムはWarCraft3のノーマルゲーム限定であり、modであるdota allstarsには存在しない。故にdota allstarsで遊ぶには、個人プレイヤーが勝手にホスティングしたゲームへ入り、実力差のある中で適当にプレイするしか方法が無かった。

その状況を変えたのがgg client dota allstars Ladderである。
p2p対戦ツールのgg clientはブリザードからWarCraft3を拝借してインスタントメッセンジャーを搭載し、ネット広告をでかでかと載せまくった、如何にも中国語圏のツールである。そこだけを見てとると公式のbattle.netで対戦が不可能な違法ユーザー向けのネット対戦ツールのように思えるけれど実体は僅かに違った。仮装LANであるgg clientはラグやディレイの面で公式のbattle.netよりも明らかに優れており、E sportsの大会などは、ほぼ全てがgg client上での対戦に移行したくらいである。まあ、一言で言えば違法ユーザー向けのプラットフォームである。




そんなgg clientに導入されたのがdota allstars Ladderだ。
これが神環境だった。

勝利数、敗北数、途中離脱数が記録される。勝率も表示される。さらにLadder部屋と野試合部屋に別れており、Ladder部屋には自然と腕に自信のあるプレイヤーが集まる。勝率が表示される事により、ホストの一存により勝率45%以上等での足切りも可能になった。おまけに、gg client シンガポール等の一部地域ではBANも機能しており、違法ツールの使用が認められたり途中で抜けまくったりといったプレイヤーには、Ladder部屋への入室が数週間から数ヶ月、あるいは無期限で不可能になるという非常に重いBAN機能も作動していた。

「BANされたら新アカウントを作れば終わりでは?」
と思うかもしれないが、gg clientのLadder部屋は入室に「gg clientレベル」という条件があり、gg clientレベル自体はプレイヤーの腕に関わらず、勝とうが負けようが自然と上がっていく単純加算の経験値システムではあるけれど、Ladder部屋に入室するにはみっちり数週間遊び続けてやっと、という位のめんどくささであり、BAN上等とばかりに新規アカウントを作りまくって滅茶苦茶な事をする余地は存在していなかった。

さらに、gg client ladderには連動式のウェブページまで存在していた。プレイしたheroの種類や勝敗結果が表示され、対戦したプレイヤーの過去のゲームの履歴を遡る事も可能だった。そんな神環境だったけれど、マッチングシステム自体は存在していなかった。誰かがホスティングして、そこに集まる、という図式自体はbattle.netと同じであり、「フレンドを集めた俺TUEEホストが徒党を組んで野良プレイヤーを狩る」という嫌な図式自体は再生産され続けていた。

酷いケースになると、勝率の高いプレイヤーが敵側として入室した場合はkickする、あるいは自分サイドに来させる等の健気な努力により、勝率95%以上を維持している人も居た。





そこに一石を投じたのがtaiwan room4である。

シンガポールのladder部屋がデフォルトのゲームルールである「all pick」であったのに対して、taiwan room4は「shuffle player」というゲームルールの為の部屋だった。all pickではゲームが始る前にチーム分けが判明する。ホストを含む上の5人は上側チーム、下の5人は下側チームに分けられる。

けれども「shuffle player」というルールはそうではない。
ホストがゲームモードを選択した瞬間に、チーム分けがシャッフルされる。自動でランダムに振り分けられる。故に、元祖dotaの時代から延々と繰り返されてきた「ホストがフレンドと共に徒党を組んで野良プレイヤーを狩る」という現象がtaiwan room4では遂に消滅した。シンガポールではそこら中に転がっていた勝率70%プレイヤーを、taiwan room4で見かける事は無かった。少なくともゲーム数200といった単位では7割プレイヤーは存在していなかったと思う。当時明らかな強キャラであり後に弱体化される事になるキャラをpickし続ける、明らかにレベルの違う上手いプレイヤーでも、3戦2勝ライン、即ち勝率66.6%を超えるか超えないかの所を彷徨っていた。




しかし、そんな神環境も長くは続かなかった。
gg clientのLadderが突然消失したのである。理由は知らない。dota allstarsのバージョンアップにgg clientが付いていけなくなったのかもしれないが、定かではない。はっきりした事は知らない。とにかく、ある日突然勝率が記録されなくなり、leaveも記録されなくなり、gg client ladderという神環境は跡形もなく完全に消滅してしまった。




そこに満を持して登場したのがbattle.netのホスティングbotである。
botホストという取り組み自体は太古の昔から存在しており、有名ではないmodの制作者が自らのmodを普及させる為にbot hostを動かしていたり、という事はあった。そんな古い取り組みであるbotホストがdota allstarsと本格的に出会い、各地のプレイヤーの改善要求を受け容れて前進し続けた結果、勝利数、敗北数、leave数が記録され、レートまで表示される上に連動式のウェブページまで存在するという神環境へと進化したのである。

残念な事にディレイの面でgg clientに大きく劣るという弱点こそ存在するものの、それ以外の面では勝るとも劣らない素晴らしい環境である。現在のdota allstarsにどれくらい日本人プレイヤーが存在しているのかはわからないけれど、gg clientのipによる国籍遮断が実施されて以降(ようするに、シンガポールにもtaiwanにも入れなくなってから)は、日本人プレイヤーは全員ホスティングbotで遊んでいると思う。





では、「battle.netのホスティングbot」という存在が僕のような末端のdota allstarsプレイヤーにとって遂に実現したエデンであるかというと、残念な事にそうではない。「フレンドを集めた俺TUEEプレイヤーが徒党を組んで野良プレイヤーを狩る」という構図自体は太古の昔と変わらずに繰り返され続けている。シンガポールのladderであったように、きちんとしたプレイヤーを5人集めれば敵方の強いプレイヤーを蹴るという行為を一切行わなくても、勝率70%台は容易である。

その行為自体を憎んでいるわけではない。かつてブログにも書いたように、勝率70%のホストを止める、というモチベーションのみでガチプレイを繰り返して20連勝した事もあった。それは刺激的で、楽しい事だった。しかし、である。本質的に求めていたのは刺激ではない。世界平和なのである。dota allstarsの平和である。dota allstarsの快適なプレイ環境である。ゲームを開始するよりも前に不平等が存在しない、公平なマッチングシステムなのである。




それは絵に描いた餅だろうか?
いや、違う。

WarCraft3には完璧なマッチングシステムが存在していた。僕のようなプレイヤーでも、日本人トップクラスのプレイヤーでも、1000ゲームという単位でプレイすれば勝率50%代に落ち着くような、恐るべき、そして素晴らしいマッチングシステムが存在していた。




しかも、「arranged team」と「random team」は別のものとして扱われていた。
「arranged team」というのはフレンドとのパーティーである。知った人と同じチームでプレイする事が出来る。その際は、相手側も、同じ「arranged team」である。友達と集まったパーティーが、同じように友達と集まったパーティーとマッチングされる。当然、実力差も考慮されて強いチームは強いチームと、弱いチームは弱いチームとマッチングされる。

一方の「random team」はランダムである。
プレイヤー1人1人は完全に個別の存在である。

「arranged team」と「random team」は混濁されない。別の物として扱われる。フレンドと集まったパーティーは同じようにフレンドと集まったパーティーと対戦し、「random team」を選択したsoloのプレイヤーは、敵も味方も「random team」を選択したsoloのプレイヤーとマッチングされる。そんな環境は、未だかつてdota allstarsには存在しない。そして、dota allstarsがWarCraft3のmodである以上、そのようなマッチングシステムは未来永劫実現しないだろう。だからこそ、WarCraft3のmodなどではない、独立したクライアントであるdota 2に望むのは、そこである。その一点である。

付け加えるならば、dota allstarsは5対5なので、arranged teamに関しては、「5人対5人」「3+2 対 3+2」の2パターンが存在すればそれで十分だろう。(4人の場合はフレンドを1人追加すれば済む。)







故に、もしもdota2のマッチングが駄目ならば、僕はdota2に心底失望するだろうし、マッチングさえ素晴らしければdota2を手放しで称賛するだろう。WarCraft3のmodプレイヤーが望み続けたのは、ただ1つWarCraft3本体と同等のマッチングシステムなのである。




具体的にdota2に失望しない条件を書いておく。

それはまず第一に、ネットコードが糞ではないこと。ping500でもそれなりにプレイ可能なFPSが存在する一方で、ping200でまともに遊べないFPSも存在する。ネットゲームの対戦環境は、pingによって左右される以上に、ゲーム側のネットコードが優秀かどうかで大きく左右される。仮装LAN環境のp2p対戦ツールであるgg clientでプレイした後に、ブリザード公式のbattle.netで遊ぶと、同じpingでも天と地ほどの差がある。gg clientが後発な上にp2pだから当然ではあるが、同じゲーム、同じpingなのに快適さが全然違う。

「ネットコードが素晴らしい事」を求めたりはしないけれど、「ネットコードがそれなりである事」は強く求める。ping 150で快適に遊べる程度の、最低限のラインを維持している事は絶対条件である。日本在住である限り、アメリカ西海岸、シンガポール、マレーシア、中国といった母数の多い地域と遊ぶとなると、ping 150前後で快適に遊べるかどうか境界線になるだろう。



次に重要なのが、「arranged team」と「random team」が混濁されるシステムでは無い事、である。dota allstarsではたった2人でも、前もってチームを組んでいるプレイヤーが居ると、ゲームが大きく変化する。以前のdota allstarsはそうではなかったのだけれど、現代のdota allstarsは、たった2人でも前もってチームを組んでいると展開が大きく変わるように調整されてしまった。(プレイヤー人口で言うと0.1%以下のプロゲーマーを対象とした調整が行われ、heavy carryとかlateとか呼ばれる晩成型のヒーローが異常なほどに強化された。)

故に、仮にたった2人でも事前にチームを組めれば、勝率は10%以上も違ってくる。そして勝率の差以上に、ゲーム内容が全く別の物になってしまう。だからこそ、arranged teamは同じようにarranged teamと、random teamは同じようにrandom teamとマッチングされなければならない。



最後にもう一つ、pingによるマッチングである。
米国西海岸を対象としてマッチングを探索したのにping 800のロシア人とマッチングされたり、東南アジアでマッチングを探索したのにping 800のブラジル人とマッチングされては、たまったものではない。住んでいる地域に応じて、自動的に近くのプレイヤーとマッチングされるというのは、当然の事であり、最低条件の1つである。

dota 2のマッチング画面に「地域選択」なるものがある時点で相当不安なのだけれど、そこはポジティブに「中国語で会話をしたい中国人の為のシステム」「北米語ではなく南米語でプレイしたいメキシコ人の為の地域選択」であると今の所は非常に前向きに受け止めている。中国人にとってpingが良いからとベトナム語やタイ語のプレイヤーとマッチングされる事は悪夢だろうし、メキシコ人、あるいはロシア人にとっても同じ事が言えるからだ。

そういった人々の為に「地域選択」が存在する上で、pingを踏まえてマッチングされるのが当然であろう。dota2のプレイ画面を見た感じ、成績は地域別ではなく、プレイヤー別に記録されているのだから、尚更である。気紛れで南米サーバーに参戦したロシア人とか、気紛れで欧州サーバーに参戦したブラジル人なんかと組み合わされて糞ゲーにされたら、たまったものではない。





付け加えておくならば、League of Legendsのマッチングシステムは明らかにWarCraft3のマッチングを参考にしており、かなり良いように見える。ただし、無料ゲーであるが故にランクマッチに参加する為には廃人である事が条件という理不尽設計の為、僕自身は一度としてランクマッチをプレイした事がない。そんな事態を避ける為にはdota2が普通の販売ゲー、1購入1アカウントである事が重要なのだけれど、dota2は無料ゲーなのではないかという噂が以前から根強くあり、雲行きが怪しい。

とにかく、dota allstarsに足りないのはただ1つマッチングであり、dota2に望む事は唯一マッチングである。その1点である。他の事は一切望まないし、言いたくはないがdota2にマッチング以外の何かを望む事自体が間違いだろう。

ブリザードエンタテイメントからdota allstarsの簒奪に一定規模で成功したゲームは全て、modの対戦環境が悪いというWarCraft3の隙を突く事により、顧客を奪う事に成功したのである。ネット対戦型ゲームのプレイヤーが欲しているのは優れたゲームではない。優れた対戦環境なのだ。

2012年1月18日水曜日

こんなにも眠たい人生を

だらしなく浅く腰掛けて低い背もたれに頭蓋骨を預けると白く輝くブログの投稿画面を映し出す明るいモニタは手の届かぬ距離へと遠ざかり、その遠さが故に家埃とビデオげームの絶え間ない責め苦に弱り果てた両眼の焦点も届かず心を連れ添い宙をさまよい瞼も落ちて、世界の隅々までを照らし出す人々の喜びと可能性に満ちあふれたインターネットの輝きに照らし出される薄暗い部屋は出口のない宵闇。異なる人生と自らの目覚めと希望に満ちあふれた思考を同じ弱さと謙虚さで品よく望み、その願いの微かさを鏝に口を開いて息を吸えば、僕が住み暮らし眠たさと戦う日常世界の刺し殺したい軽薄さが凍ったオヒョウの巨大な背びれの鋭い棘になり肺の奥まで笹掻き立てて、丸く揺れながら膨らんだ風船ガムの美しさが音も立てずに瓦解してしぼみ、手の施しようのない石油由来の粘着幕が希望も欲望も慈愛も敬愛も向上心も後悔も、全てをべたつかせながら繋ぎまとめて呼吸は辛く、死んだ頬が生む廃人の顔を天使の視界から守るため、国中の鏡を石で割り、国中の写真機を銃で撃ち、全て粉々に片付けてから、痛みの1つも思い出せない程度のぼんやりとしたまどろみの、純然たるまどろみだけで構築された世界秩序を築き上げてからやすらかに、心やすらかに。

2012年1月13日金曜日

心労の元を1つ片付けた矢先、その枠に新たなる何かが滑り込んでくる悲しみ。

丸一日を費やして、苦労と心労を積み重ね、普通の人ならば5分で終わるような甚大で些細な出来事を1つなんとか片付けたと少しだけ心を落ち着かせていたら、普通の人ならば5分で終わるような些細で甚大な出来事が心と体に滑り込んでくる悲しみ。自らのあまりの無能さに落ち込む事も傷つくことも、受け容れる事も改善を志す事も無く、ただ真っ暗闇で広大な空間だけが胸の中に大きく広がる。そのあまりの大きさにどうしようもなくなり、脳味噌が壊れてぐるぐるになって全てを忘れてしまうまで起きて、起きて、眠らずに居ようと自らに誓い、骨折り損で夜が暮れてゆく。

2012年1月6日金曜日

3秒間だけ待ってくれた夢。

SMMの準々決勝で、完璧な滑り出しで圧倒的優位に立ち勝ち確とも言える優位を獲りながら、相手側に謎と疑惑のディスコネクトが出たからとリメイクさせられて完敗し、「Fuck off」とか「go fuck urself」とか消えて行ったEGが因縁の相手と再戦。




33:26 [All] MiTH-TrlFFFFFFY: Sv
33:29 [All] EG.Fear: :D
33:31 [All] EG.MiSeRy: lkmao
33:31 [All] EG.DeMoN: Fuck off
33:32 [All] EG.Pajkatt: lmao
33:34 [All] EG.MiSeRy: go fuck urself

この「Sv」というチャットが肝で、集団戦で勝利したり、ファーストブラッドを取ったら必ずセーブを要求しなければならない。ディスコネクトが出ればそこからやり直す。ところが、EGは15分過ぎて一度もセーブを要求していなかった。セーブ要求が無くても普通は運営側が自主的に10分に一度くらいはセーブするのだけれど、それもなかった。EGのミスでもあり、運営のミスでもある。とにもかくにも運営はルールだからとリメイクを認め、そしてEGは惨敗した。

46:40 [All] EG.DeMoN: do i leave and ask for remake now?
46:49 [All] EG.Fear: past 20 cant
46:54 [All] EG.MiSeRy: you guys are pathetic
この辺のログを見ても、どれくらい彼らがぶち切れてたかはよく解るところ。




そして再戦の結果は36-3という圧倒的すぎるスコアでEGが爆勝。そこでデーモンが言った一言が「aloomost 20min no rmk」。大会のレギュレーションが違うので20minとかrmkとか全く関係無いのに「aloomost 20min no rmk」。この一言に込められたデーモンの怨念の凄まじさ。Eスポーツ的快楽。過去の例を見るとこういう場合「やましい方」がその後も栄光やら栄冠やらを掴み取っていく事が多いのだけれど、今回は圧倒的な大団円。

・・・と言いたいところなんだけれど、「aloomost 20min no rmk」という発言が成された時間は18分40秒。しかも本陣攻城中。このままでは20分経たずに終わってしまう、「aloomost 20min no rmk」というデーモン渾身の発言が宙に浮いてしまうと、冷や冷やしながら見ていると、勝負タイムは20分3秒。僅か3秒すんでの所で夢はEGを待ち侘びた。

2012年1月2日月曜日

お湯を沸かして右手を突っ込んだら火傷した。

何やってんだ。馬鹿か。

2012年1月1日日曜日

無念さ。

頭が痛いので少し眠ろうと、一日中眠って過していたら酷い頭痛に無念さが込み上げ、明日こそはと直向きに思う。今ならばアンパンマンの気持ちがよくわかる。誰かに頭痛を食べさせるだけで感謝される生き物に生まれたならば、僕だって笑顔で毎日を気持ちよく過ごせただろう。同じ事をしようにも、僕の痛みは黒くて汚いバイ菌で出来ており、誰の役にも立ちはしない。心を強く持てというフレーズが頭痛の合間を駆け巡る。強い心は我が身を滅ぼす。滅びる為に蘇るのか。