2012年1月24日火曜日

dota2を巡る陰謀論。

dota2シーンのいぶかしさが何処から来ているかというと、未実装ヒーローの偏りである。現dota allstarsシーンの最重要ヒーローが全て実装されてないという異常さである。そして「現dota allstarsシーン」が意味するものがそれ即ち「中国」であるからこそ、変な噂も湧いて出る。ご存じの通り中国は世界最大のdota allstarsシーン保有国である。それを「活きたシーン」と限定すると、唯一の国と書く事も許されるだろう。そして中国は、誰もが口を挟む余地の無い現代の最強国家であり、最強地域である。その中国が辿り着いたメタの最先端であり、メタを超えた所に君臨し続けてきた強ヒーローの多くが、dota2では未実装である。そこになんらかの意図を感じてしまうのは、被害妄想に捕らわれた中国人や中国贔屓のインターネッターならずとも自然なことだ。

昨年夏のプレ大会の際にvalveが「未完成だけれど、重要なヒーローから実装しているので大丈夫です」とか意味不明な事を言っててvalveという未知の会社に対する信用は完全に失せた。狼、パンダ、熊。この3体こそがdota allstarsの2011年だった。狼はban当然pick当然という所を通り過ぎて先手チームに1枠目でpickさせる(先手チームに押しつける)という一周後のメタで表舞台に復帰したし、パンダは全てのゲームでpickされ、熊はpickした方が勝った。2011年はそんな感じのシーンだった。ところが、その3体は未だにdota2に居ない。それどころか、他の重要ヒーローも多くが不在だ。

dota allstarsシーンの最重要ヒーローと重要ヒーローの半数が実装されていない事で得をしたのは誰か。損をしたのは誰か。「ああ、valveは中国人に勝たせたくなかったんだな」と想像するのは陰謀論だろうか。それとも、自然な事だろうか。僕はとりあえず陰謀論だと思う。思うけれど、奇妙な違和感を拭いきれないのもまた事実である。

dota2ではdota allstarsではあり得ない事が起こり続けている。「欧米>>>>>中国」という構図が完璧なまでに維持され続けている。dota allstarsのチームがdota2をやると話にならない位に弱い、という現実が保たれ続けている。「リメイク」であり「コピー」であるはずのゲームなのに、移行するには200ゲーム必要で、最重要ヒーローの多くが未実装という、おかしなおかしな異空間である。おかげでdota2シーンではdota allstarsシーンではもはや顧みられない終わったヒーローが当たり前のようにpickされ、しかも勝っている。dota allstarsならば、今更potmとか絶対にありえないのに、ミザリーやアンゲルは当たり前のようにpotmに乗って勝っている。そして、dota2には今の所、chinaのcの字も見あたらない。奇妙な違和感を抱えつつ、牛歩の歩みでヒーローの実装を行い、それを革新的な大ニュースであるのように発表し続けるvalveを半年ほど遠くから見る中でぼんやりと辿り着いた結論は、「Valveは想像以上に足りていないデベロッパーらしい」という、救いのないがっかりである。これで万が一にも狼とパンダと熊が揃った瞬間に中国が勝ったりするともう、腹の底から鼻で笑うんだけど。