2005年7月26日火曜日

見つかったら「あいつらもやっています」と吐く犯罪者。具体的に言うとヨシナガ。



著作権侵害はなぜ許されないのか。
言うまでもなく、それが犯罪だからである。

インターネットでは著作権侵害と著作権侵害者で満ちあふれており、言い換えるならばインターネットとは犯罪者の巣窟である。



その巣窟の片隅で、他者の著作物を無断で利用し私益を貪り続けていた犯罪者である、「僕の見た秩序。」のヨシナガの犯罪が著作権者に発見された。

その対応がお笑いである。
とぼけて開き直った上で、無関係の人間を名指しで「こいつらもやってます」と皿仕上げにし、「俺にリンクしろ!」とアクセスアップを謀る。実に腐っている。犯罪者に共通する態度のでかさというものには、いつもながら驚かされる。









日本の漫画業界、ゲーム業界は、インターネット戦略というものを持っていない。
端的に言うならば、これが最も問題である。

律義な人間が画像使用等で出版社やゲーム会社に有償使用を前提に問い合わせを行っても「担当窓口がない」という1点のみで門前払いされ、「どうすれば使えるか」ではなく、「問い合わせると拒否される/見つからなければOK」の2択となっており、誠実さを持ち合わせた真面目なファンのみが損をする実情となっている。




戦略のある規制としては、ブランドイメージを保つためにディズニー社が行っている著作権に対する徹底した姿勢が挙げられるのだが、残念ながら我が国のゲーム、漫画業界には、そのような「企業意志のある行動」は見られない。ただ「法律違反、許さない、じゃあ駄目」、という単純な論理展開を行い、担当者を若干名配置するという極めて適当なインターネット対策を行っているのである。







不許可に意志が見える企業があるとすれば、任天堂くらいである。

任天堂株式会社は性的描写の存在するポケモン同人誌に対し過剰な弾圧を加え見せしめとすることにより、「任天堂は成人向けは許さない」という明確なメッセージが大衆に伝わり、それらは今も共有され続け、任天堂社の同人誌自体が全滅したわけではないが、特に成人向けという点では、一定の効果を上げている。





逆に意志ある許可を示している企業は多数存在する。

・トレジャー

斑鳩で有名なトレジャーは有権利作品は一切の規制を行っていない。
スクリーンショットも、画像も動画も二次製作も全面的に開放している。
これは、「見て貰えれば面白さはわかっていだける」といった類の自信があるからこそ、成せる業であり、斜陽ジャンルの名作を作り続ける弱小会社の戦略であると言えるだろう。



・メディアワークス

微妙なギャルゲーを発売している微妙な企業としてのメディアワークスは、細かなガイドラインを持っている。これは、ファンの活動が売り上げへの影響を持つという吹けば飛ぶような末端市場の末端メーカーであり、メディアワークスのような企業にとって、ウェブ上でのファンコミニティをどう扱うかという事柄が死活問題となっているからである。



・D3パブリッシャー

シンプル1500シリーズで有名なD3パブリッシャーは、他の企業よりは遙かに利幅が小さいという点で紛うこと無き弱小企業である。故に「ファンに宣伝してもらう」という事に対する意識が高く、明確なガイドラインを所持している。





つまり、ファンに頼らなければならない程に困窮している企業は、意志ある基準を持っており、ファンに頼るほどには落ちぶれていない企業は適当な政策を適当に実行しているとういのが現状である。


そして、漫画業界はゲーム業界と違い、「ファンに頼らなければならない程に困窮している企業」というのが非常に少ない。(社数ではなく、割合である)

漫画市場では強大な数社が圧倒的な力を持っており、売り上げを左右するのは1に内容2に内容、3、4が無くて5に中央集権的な仕掛け、といった状態である。

つまりインターネット上で著作権侵害という犯罪行為を飯の種としている人間と、それに群がる人々というのは、多くの企業にとってまったく必要のないものであり、消滅しても構わない存在なのである。

また、現状の多くの出版社が行っているような「全て不許可」という態度であっても、amazonさえあればなんら問題が無いというのは歴史が証明しているところである。











思想無き全面規制。
それが、現状である。






思想無き全面規制により抑圧されている人々は、どのようにして生きているのか。

もちろん、「そんなものどうでもいい」と平気で犯罪行為をやってのけるようなヨシナガみたいなのは大勢いる。しかし、そうではない有償使用を前提に問い合わせを行う類の真剣な人々はどのようにしてインターネットを生活しているのか、である。



それは、朝目新聞に広告が存在しない事からしても明白である。
「非営利である」という、暗黙の仮想協定を作成し、遵守しているのである。





非営利という暗黙の仮想協定は仮想のものであり、実体は無い。なぜ実体のまったく存在しないものが広く共有されているのか、という点についてはいくつかの原因が考えられる。




「権利者側に担当窓口が存在しない」
言うまでもなく、思想、戦略が無い。故に、有償許可の問い合わせや、範囲許可の問い合わせに対応する受付窓口や、ガイドラインが存在せず、話が通らない。また、巨大企業においては権利者が誰であるのかが複雑化しており、開発元-発売元間の調整や、出版社-作家の調整といった要素が絡み合っており、アドリブで誠意のある返答が行われる可能性も皆無である。故に、どうしても画像を使用したいと考えた場合、無断使用という選択肢しか存在せず、無断使用に対する義理立て、良心としての「非営利」が共有されたのである。


「私的利用」
私的利用であれば構わない、というのは当然である。ノートにデスノートを書いたり、チラシの裏にドラエモンを書くことに関しては何の問題も無い。それを、インターネットを通じて世界中に公開するから問題になるのである。そこで、許される私的利用と許されない著作権侵害との境目として、「営利目的/非営利目的」という基準は誰にでも理解が可能な明確なものであり、営利目的ではなく私的利用であるという事の証明として、「非営利という暗黙の仮想協定を守る」という選択肢がとられているのである。


「インターネット的解法」
ウェブ上、あるいはパソコン的な世界には、「非営利であれば無料で使用可能」というライセンスが存在する。それらオンライン的な回答を漫画やゲームというオフラインに当てはめて採用し、非営利だから勘弁してください、というメッセージとしての仮想協定が広まったのである。




自分はCD-Rを売り歩く中国人のような行為を平然と行っておきながら、その犯罪行為が発見されるやいなや、意味不明な言い訳を連ねて非営利という暗黙の仮想協定を遵守している朝目新聞らを名指しで晒し挙げるヨシナガは実に屑である。






何よりも重要な事は、ここは1975のウエストコーストでは無いという事だ。

1975ウエストコーストにおいて、ファンサブを形成していた人々は「非営利である」という、暗黙の仮想協定を作成し、遵守していた。ルールとマナーを守っていたのである。

そして、彼らはONLYな存在として、日本アニメ市場というものを非営利にて熱意のみで作り上げた。それは最初から著作権侵害行為である側面を持っていたし、アニメの版元が北米市場へ参入するにつれ、その色は濃くなって行った。それでも、黙認されてきたのである。

なぜならば彼らが市場を作り、彼らこそが市場そのものであったからである。
彼らを怒らせ彼らに嫌われてしまっては、大きな損害となってしまったからである。



ところが、2005年の日本は、そのような状況には無い。

漫画やゲームというジャンルでは、売れるものは売れるし、売れないものは売れない。
ドラゴンクエスト8やデスノート、のだめやSEEDが示したように、需要があるところに魅力あるコンテンツを流し込めば確実に売れるという、インターネットの著作権侵害コミニティの動向など気にする必要が無い体力を有しているのである。また、失踪日記が示したように、ウェブ上に情報が拡散するにおいて著作権侵害行為は必須ではなく、書き手がいて、アマゾンアソシエイトが存在していれば企業としてはOKなのである。






つまり、漫画やゲームというジャンルにおいて企業側が本気になれば、著作権侵害コミニティは完全に壊滅する。ジャスラックがMIDIに対して行ったのと同じ事が起こるのである。

MIDIが破壊されたのは言うまでもなく、MIDIというものが明確な利益を権利者側にもたらさなかったからである。同じく、権利者側に明確な利益をもたらさない著作権侵害コミニティというのは、「滅んでも構わないもの」である。仮に本気になって滅ぼしにかかればインターネッターから一定の反発を受けるだろう。しかしそれは致命傷とはならない。ジャンプは同じように売れ続けるし、アンパンマンの視聴率に大した変化は現れず、ドラエモンは声変わりしたままだ。「ファンを頼らなければならない位に業界の体力が低下するまで全面禁止ジャスラックMIDI状態」というものは、仮想ではなく現実としてnextページに待ち受けている悪夢なのである。


つまり、眠れる獅子たる出版社やゲーム会社が目覚めれば、インターネットは死ぬ。
多くの良心を持つ漫画好き/ゲーム好きな人々は、彼らを起こさぬようにと祈る思いで非営利であるという暗黙の仮想協定を頑なに守り続けているのである。

言うまでもなくインターネットに著作権に絡むものを載せるという行為は、許されないものであるという側面を持ち、それは拭えぬ事実なのだが、1人の人間としては非営利という暗黙の仮想協定を守り続けている人達に対しては、最大限の敬意を払うものである。








言うまでもなく著作権侵害を金に換えて平然面をのたまわり、仮想協定を頑なに守り続けている人間を晒し挙げにする犯罪者、即ちヨシナガは論外だ。正しく屑でありCD-R売りの中国人にも劣る非国民だ。とっととブログ閉鎖してリアルにでも引き篭もってろ。もはや激昂すら覚えない。
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----非営利という暗黙の仮想協定に関する参考資料----

http://www.geocities.jp/little_gate/11-05.htm
ハンターハンターのファンサイトで、「有償での使用許可」を求めて出版社に問い合わせをしたが、窓口が無く許可は愚か会話すら成り立たなかったに等しかったという実例。