なんなんだ。なんなんだこれはなんなんだ。
右胸と左胸がボインボインとミサイルになって今にも羽ばたき飛んでっては機械獣を木っ端微塵にしてしまいそうなくらいの不確かさ。胸ぐらを掴む虚無。
頭の重みに首が倒れて鼓膜に押された体の全てが軋む京都の寺の廊下の起てる音。とすれば全身を何かが歩き回っているわけでそれは何かと尋ねたならば、即答即ち人間不信。
7月の15日、あるいは16、17日、即ち一月前の自分と今とを比べてみても、どちらがどうなのかはあまり理解できない。なら1年前と目をやればそこにはもう別の人。全て奪われ席が無い。
いつから、どこから、なぜどうして。
理由も思考も全部無駄。
全て必然の帰趨。
弱きは罪、破壊されるも罪、踏みにじられるはそれも罪。
必要なのは強さ。
痛み感じぬ機械の体。
欲望赴く獣の心。
それを滅ぼす胸のミサイル金無垢の空白純然たる遺失。