2012年6月20日水曜日

好きな人がブログを読んでくれません。

ブログを書いても、書いても、好きな人に言及してもらえず、「僕のブログってそんなにつまらないかなあ」などと、落ち込んだり沈んだりする毎日を過ごしていたのです。けれども、よく考えてみると、好きな人など存在しなかったのです。僕の好きな人はインターネットには居ないのです。大好きな人なんて居ないのです。インターネットはおろか、インターネットの外の世界にも居ないのです。好きな人なんて、存在しないのです。大好きな人なんて、存在しないのです。


好きな人自体が存在しないのだから、好きな人に言及されないのは当然の事です。好きな人に捕捉されないのは当たり前の事だったのです。だって、そんなもの、はなから居ないんですから。僕は悩む必要の無い事で悩み、くよくよする必要の無い事でくよくよいじけていたのです。まったく馬鹿な話です。好きな人に呟いてもらえないのは、僕のブログがつまらないからではなかったのです。好きな人にはてブしてもらえないのは、僕のブログのエントリーがつまらなかったのではなかったのです。


どれだけ面白いエントリーを書いても、あるいは逆にどれだけつまらない事を書いても、どれだけ間違った事を書いても、どれだけ正しい事を書いても、好きな人に読んでもらえる可能性は存在しないのです。好きな人に言及される可能性は存在しないのです。好きな人に捕捉される可能性は存在しないのです。こんなに頑張ってブログを書いているのに、好きでもなんでも無い人達に読まれたり、言われたりするばかりで、好きな人にまったく捕捉されないのはどうしてだろうなんて、めげてばかりいたのですが、それは、間違いだったのです。全て、間違いだったのです。


それでも僕は凡庸な男ですから、好きな人に褒められたいなと思うわけです。好きな人に好かれたい。好きな人に言及されたい。好きな人に名前を出してもらえるだけで、素敵な一日になるだろうなんて、考えちゃったりするわけです。いいねボタンを押されれば、素敵な一日どころか、素敵な1年になりそうな気がします。ただそれだけの事だけで、うきうきるんるんと生きて行けそうな気がします。好きな人にリンク貼られたり、好きな人からメールが来たりする人生は、さぞかしハピネスだろうな、なんて悶々として生きています。憧れだけで生きています。それを夢見て生きています。


なのに、その日は訪れません。僕の好きな人は、僕のブログを読んでくれません。僕の大好きな人は、僕の書いたエントリーをはてブしてはくれません。twetterで言及してもくれません。リンクも貼ってはくれません。何もしてはくれません。クリック1つで僕は幸せになれるのに、僕を幸せな気分にしてはくれません。僕の好きな人は大好きな人は、僕を幸せにしたくはないのです。僕の事など興味は無いのです。僕なんて死んでしまえとでも思っているのです。いや、そんな事すら思っておらず、気にもとめてはいないのです。


ところがです。
違うのです。
そんなではなかったのです。


僕には、好きな人なんて存在しなかったのです。大好きな人なんて居ないのです。元々存在しないのだから、捕捉されないのは当たり前です。当然なのです。そんな事くらいわかっているのです。何度も自分に言い聞かせてはいるのです。好きな人が居ないのだから、好きな人に言及されないのは当たり前の事だよと、重ねて重ねて自らに、よく言い聞かせてはいるのです。それでも僕はまぬけな男ですから、自らに強く言い聞かされた事を、すぐに忘れてしまうのです。


そして、いつもと同じように、どうしてこんなにブログを書いても、好きな人は僕のブログを読んではくれないのだろうかと、くよくよといじけて気が滅入り、落ち込んでばかり居るのです。まるで学習能力の無い、あさはかな自分に嫌気が差して、さらに心が沈みます。そして落ち込んで肩を落として「好きな人がブログを褒めてくれたりなんかしちゃったら、こんな気分はすぐにでも飛んでいってしまうだろう」なんて考えるのです。堂堂めぐり。


僕がブログを書いている場所は、好きな人の居ない空間なのです。僕が呼吸をしている場所は、好きな人の居ない世界なのです。好きな人なんて居ないのです。大好きな人なんて居ないのです。どれだけ頑張っても、どれだけ努力をしても、どこまでも強く邁進しても、僕の大好きな人は、僕のブログなんて読んでくれやしないのです。だって、居ないんですもの。好きな人なんて存在しないんですもの。


けれども僕は馬鹿な男で、それが理解出来ないのです。頑張ってブログを書き続ければ、いつか好きな人に捕捉されたりなんかしちゃうんじゃないか、なんて淡い恋心を抱いて螺旋の弛んだジェットコースターみたいに、好きな人の存在しない場所でブログを書いたりしているのです。歩いても、歩いても、決して喜びには辿り着けない場所で、僕は歩いているのです。探しても、探しても、幸せも、笑顔も見つけられない場所で、愚かに生きたりしているのです。


好きな人に捕捉されるには、まず誰かを好きにならねばなりません。大好きな人に好意を持たれたいならば、誰かを大好きにならねばなりません。そのハードルを越える事が出来ないのです。僕の心はいじけてしまって、誰かを好きになる事が出来ないのです。どれだけインターネットをしても、好きな人には辿り着けません。大好きな人は現れません。その壁を乗り越える事が出来ません。


まだ見ぬ僕の大好きな人は、どこに居ますか。ツイッターですか。フェイスブックですか。mixiですか。steamですか。どこに行けば出会えますか。どに行けば会えますか。インターネットをどこまで行けば、誰かを好きになれますか。素敵な人に会えますか。僕がブログを書いている場所には、好きな人なんて存在しません。好きになれそうな人も見あたりません。だからどれだけブログを書いても、僕の大好きな人は決して、僕のブログなんて読んではくれやしません。ブログなんて書くだけ無駄なのです。いいことなんて何もないのです。いいことなんて決してないのです。