夜を細切れにしてさ。

頭痛で、空腹で、小便で、夜を細切れにしてさ。小さく切り取って手にとって、こんなんじゃ足りないんだって文句を付けては捨てていく。本当の夜はもっと大きい、本当の夜はもっと素敵だ。安っぽい妄想を並べながら、夜を小さく千切っては少しだけ見て投げ捨てる。こんなのは夜じゃない。これも違う。これも。それから、顔をしかめて夜を見る。音もなく息を吸ってから、わざとらしく溜息をつく。ごらん、夜は小さすぎる。頭痛で、空腹で、小便で、朝を細切れにして、昼を細切れにして、そすうる事で人生を細切れにする。大きすぎるものを千切って捨てる。小さすぎると捨てていく。