沸立つ心臓の左上

心臓の少し左、少し上にある小さな小さな人間の何かがにわかに沸き立ち、水泡の爆発となって左の肩を押し上げる。浮き上がった左肩は外れ落ちそうになりながらも僅かな筋と惨めな肉が懸命に人の形を繋ぎ止める。心臓の左の上の何かが全て蒸散してしまえばもう二度と、この体が崩壊してしまう事を恐れずに過ごせるのではないかと僅かな期待で堪え忍んでいると、無くなってしまった心の所在に血や肉が殺到し歪んで捻れ、内側へ内側へと歪に崩れてゆく。