2013年8月24日土曜日
多様性不毛時代。
以前は、多様性が重要だった。
今は多様性は不要になってしまった。
理由は、pick&banのシステムが変わったから。
以前のdota allstarsはお互いに5人をBANしてからpickフェイズが始る方式だったので、前もって10人のヒーローがゲームから排除されていた。最も得意な戦略や、バランスブレイカーの壊れキャラはBANされて消える。1戦略しか準備していないチームは主要ヒーローをBANされるだけで詰んでしまうので、多種多様なpickパターンを準備しておく 必要があった。特定ヒーローしか使えないプレイヤーは使い物にならず、チームに貢献する為には万能性が必要だった。原始のLodaは万能性を有していたし、それを上回る万能性を誇ったのがパジャであり、dendiであり、そして誰よりも他ならぬ、kurokyという、dota allstarsの歴史上最も巨大なプレイヤーだった。
pick&BANのシステム変更と共に、バランス調整の方向性も変わった。
以前の調整は、糞キャラ否定という方向性だった。壊れキャラは弱体化される、糞キャラは弱体化される。その方針に基づいて、spec、medusa、meepo、pl、naga、visageなどといった、一世を風靡した主要な壊れヒーローは死滅した。ところが、である。現在の調整方針は全く違う。
dota allstarsの歴史上最悪の糞キャラと言っても過言ではないspecは、以前の弱体化を取り消されるなど、元の性能に匹敵する強化を受けたが、強キャラの地位にすら付けていない。medusaは強化に次ぐ強化が入り続け、MRも強化されたが、上にgyroが居るのでpickされない。plはアホほど強化されて癌呼ばわりされている。かつて猛威を振るった頃のplより、今のplの方が明らかに凶悪だ。nagaやvisageは強化され続けて壊れキャラの地位を取り戻した。
そんなバランスのゲームでは、「特定の壊れヒーローだけ上手い」というプレイヤーでも十二分にやっていける。戦略の多様性など全く不要。その象徴とも言える存在がfnaticだ。たfnaticだ。欧州シーンにおける負け役でしかなかったfnaticは、CK+wispとgyroだけで欧米シーンを破壊してしまった。wispとgyroをBANしてくれたらこれ幸いと、主要な強ヒーローを総取りする。そのfnaticの流れを組んだpickerが、s4だ。navi対アライエンスという対決は、pick勝ちを狙い続けるppyと、pick勝ちを狙わず自分達のpickをし続けるs4という、両極の対決だった。
本来ならばppyが勝つはずだった保守pickと革新pickの対決でppyの足枷となったのが、かつて世界最悪にして唯一無比の多様性を誇り、世界最高のpickerでもあったkurokyの多様性の無さだったというのは、皮肉な事だと思う。
壊れキャラを放置するどころかさらに強化するという理解不能な調整が2年以上続けられたゲームと、2ヒーローしかBAN出来ないという現行のシステムが合わされば、チームが多様性を確保するメリットはほとんど無い。惜しくもダブルランページで逆転負けしたIGは多様性を放棄する事で復活したし、唯一いろんなことをするチームであったorangeが結果を残したのは完全にまぐれ。orangeが勝ったゲームのpickと、orangeが負けたゲームのpickを見比べてみればいい。ついでに、多様性を選択したゲームにおけるmushiのプレイングも。