インターネットをつまらなくしたのは、他ならぬ僕なんだ。

何か面白いことないかなと、繰り返すようにつぶやく人は、本当は面白いことなんて探していない。どうしてそう思うのかって聞かれても困る。そう思うという以上のものは何も無いのである。何か面白いことはないかな



柳の枝が風で揺れただけで面白かった頃が僕にもあったはずだ。あの頃の僕を面白さへと突き動かしていたのは、未知への希望だった。インターネットには僕の知らないものがまだ沢山あって、そのうちの幾つかは僕を必ず楽しい気分にさせてくれるだろうという根拠の無い確信があった。現実世界の全てには諦めきっていたけれど、インターネットに対してはそうじゃなかった。今ではインターネットに対しても、同じように諦めきっているように見える。



インターネット以前、どうして僕がこの世界の全てに対して、面白さなんてものは期待できないと思っていたかというと、それは揺るぎない自らの無能さがあったからだ。僕は努力をするつもりもないし、何かを目指すつもりもない。なりたいものなんてなかったし、ほしい物だってなかった。けれどもインターネットには、それがあったような気がするんだ。なんの努力もしなくても、満たされる世界。インターネットは僕の目に、そんなふうに見えた。目標なんてなくても、ただ空気を吸っているだけで楽しく生きられるインターネット。



どこかでそれは間違いだったって気づいたろう。本当にそれが間違いだったのかはわからないけれど、どこかでそれは間違いだったと気づいたのだ。そしてインターネットは楽しくなくなった。誰かのせいじゃない。僕のせいなんだ。インターネットがつまらなくなったのは、僕のせいなんだ。インターネットをつまらなくしたのは、他ならぬ僕なんだ。インターネットが楽しいなんてのは、僕の妄想だったのだ。インターネットなんて、最初からつまらなかったんだ。そんなはずはない。そんなはずはない