僕はよくウェブブラウザの履歴を全部消去する。どうしてそんな事をするかというと、履歴を消すと過去が全て消えるような感覚があるからなだよね。インターネットを見ていても、本当に見たいものを見たって思うような事は滅多と無いし、この文章が読めて良かったって思う文章にも滅多と行き当たらない。だってインターネットっていうのはそんな所じゃないからね。時間を捨てる為の場所であり、時間を捨てさせてお金を稼ぐ為の場所なんだ。だからウェブブラウザの履歴には自分自身の間違った時間の使い方が記録されている。突き詰めて言えば間違った人生がそこにある。その履歴を全て削除すると、自分の間違った時間の使い方、自分の間違った行動が全て帳消しにされるような感覚があるんだ。"ウェブサイトの履歴を全て消去する"をクリックする度に思うんだけれど、本当に良かったと思えるウェブサイトはどのくらいの割合で存在するんだろう。ないよね。全然ないよね。ポテトチップスとコーラだって生きていく為には必要なんだって強弁する事も人によっては可能だろうけど、僕にはそれが出来るだけの強さがない。自分の人生を振り返っても、楽しかった事や嬉しかったこと、あるいは幸せだったことも含めて、削除したい履歴しかないや。