力が無い。

肉体と肉体が切り離された夜に、心は何もしたくないって言うんだ。目を閉じれば夜も手伝って真っ暗で、目を開ければ動かない瞼が手伝って真っ暗。何も見えないのは僕の好奇心が足りていないせいだって自分を責めるけれど、光がまったく無い場所で闇を見つける作業を始めようにも、どこから手を付けていいのかわからない。固いものを2つぶつけ合わせれば火花が散って火がついて、明るい光を灯るのではないかと、心の中の一番固い場所と二番目に固い場所をぶつけ合わせようと企むけれど、僕の心の一番固い場所はもう既に、磯に居る甲羅を持たない謎の生き物の死骸のように、ちょっと指先が触れただけで悪寒を残してぐにゃりと潰れ、きのこの入ったカップスープの上を覆ったパイ生地をスプーンで割って、まるで中身をかき混ぜるように、僕の頭蓋骨が暗闇で割られて、脳みそは激励でぐちゃぐちゃに潰れたの、夏が走り去った深い夜に、肉体と肉体が切り離されて。