目を覚ませば、目を開ける前から停滞が横たわっているのがわかる。得るものも、得たいと思うものも見当たらない人生で、指先に触れたものを手当たり次第に寄せ集めた結果、これまで生きてきた日々の全てが障害となって、頭痛も胸の痛みも存在しない健やかな一日の前に横たわっている。踏み越えねばと強く重い、乗り越えねばと奮い立たせ、勇壮なエールを自らに送るが、打てども打てども僕には響かず。他人からかけられる優しい声は、人を少しだけ穏やかにするが、自分からかけられる優しい声は、自分自身を不安にさせる。これではいけない。このままではいけない。いつからそんな事ばかりを考え続けているんだろう。最後に、これでいい、この調子でいいと思ったのはいつであり、そしていつになるのだろうか。不安によって突き動かされた人は安息あるいは熱狂を求めて見果てぬ夢へと突き進む。安息も熱狂も我が方をは見ず。かといって憎悪もその実体を成さず、悲しみすらも内側から音も立てずに腐っていった。ひとつまみ、塩をひとつまみ、それだけで料理は劇的に変わるというが、草臥れ果てたこの体に溶けてしまった、投じられるべきではなかった幾多の間違ったひとつまみを、取り出す術を僕等は持たない。今日もひとつまみ、インターネットは白く輝き、愚かさだけがさらさらと。