2004年10月24日日曜日

アルバイト



一念発起し、アルバイトをした事がある。

まず、求人広告を見る。
喋る内容をノートに書き、入念に受け答えを想定してトレーニングをする。
電話をかける。
面接に行く。
落とされる。

その繰り返しである。
169センチで40kgあるか無いか(当時はあったと思う)の中卒、しかも挙動不振となると、採用する方がどうかしている。

近くで昔のクラスメイトに見つかりそうな所は避けた為、どんどんと面接に行く範囲は広がっていった。

1日20時間ゲームをしているような有様だったから、もともとほとんど無かった全身の筋肉がとろけてしまっており、面接場に辿り着くだけでグロッキー状態であり、懐に忍ばせたユンケルを飲んで手鏡で顔を作り、面接に挑んでいた。
努力の甲斐もなく、落とされ続けたわけである。

それでも、一日のゲーム時間を12時間に制限し、真夜中にウォーキングし、神社の階段を毎日登るなどをして体力がついてきたころに、ガストに採用された。

よっぽど人手不足だったのだろう。
事実、かなり人手不足だったようだ。

ガストでのアルバイトは非常によかった。
店長と店長と反目している社員さんの両方にかわいがってもらい、自分もやれる限りの事は全てやった。
ユンケルを飲んで45分前に行き、30分前には入っていた。
仕事自体も、スタミナが切れるまでの1時間は人の2倍以上働いたし、それ以降もなんとか人並み程度にはやれていたと思う。
スタミナが1~2時間で尽きるとバレていたので、ラッシュの最中~ラッシュの終わり間近というシフトになる。
スタミナがある間は社員さんに並ぶ位の質とスピードだったので入ってすぐラインに入り、スタミナが切れてからは大抵皿洗いか楽な場所へと回される。
皿洗いはスタミナが切れてからも速い方だった。

バイトを終えてから帰宅してからは、PS2、あるいはPCの電源を入れ、ユンケルを飲み、10時間ほどゲームをする。
就寝前にはノンカフェインのユンケルを飲み、一応横にはなるものの、ゲームがしたくてしたくて眠れない事も多々あった。

バイト代は1万円を家に入れ、ユンケルを買うとほとんど無くなる。
というか、完全になくなる有様だった。
見るに見かねて、家人がユンケルを買ってくるようになった。

大検を受けて同世代に遅れることなく大学へ行き社会復帰する為の足がかりとしてバイトを始めたのに、実情はユンケルを飲んでゲームをしているだけである。
我が事ながら呆れ果て、余計にゲームにのめりこむと言う意味不明な悪循環だった。


結局、バイトは8ヶ月ほどで辞めた。
新しく来た店長にもかわいがってもらっていたのだけど、控え室で鼻血を出して倒れて気を失い、ドクターストップという形で辞めた。

やめるべきだったのは、バイトではなくゲームであったのは明白である。
非常に後悔している。
僕が救われる最後のチャンスであったのかもしれない。