2005年2月21日月曜日
ブロックブロガーの憂鬱
朝方、とはいっても世間では夜更けと呼ばれる頃合にブログ投稿を行った。
65エラーとやらが出て、その文章がつままれ消えた。
試しにもう一度ブログ投稿をしてみると、その文章もどこかへ消えた。
それはよいのだ。構わぬのだ。
だって、そうである。
重いだとか繋がらないだとかいったものは、ブログサービスには付き物であり、それ自体は何の問題もない。消えてしまった投稿は、一晩寝かせて書けば済む。
ブロックブロガーにとって憂鬱なのは、重いだとか繋がらないだとか微妙に不便であるとかいった事などではなく、ブロックブロガーであるという事実である。
なにしろ、逃げ出す手段が用意されていない。
宙吊りのゴンドラに押し込められた中学生のように、揺られるままにブログするしか道は無い。そりゃあ、相当の無理をすればられるかもやもしれないけれど、のだめやシードが逃げるとなれば半日仕事となるだろう。偽なんかはもっと大変だろう。これは、無いに等しい。
逃げ出す手段が用意されていない事は、逃げ出すつもりの無い人間にとっては問題ではない。しかし、逃げ出すつもりの無いブロックブロガーにも、頭を悩ます問題がある。
ブロックブログの未来像が思い描けないという問題である。
数百人数千人、あるいは数万人のユーザーを抱えて、ブロックブログが用意している集金手段は月200円の画像アップロードオプションだけであり、そのサービスを利用している人間は限りなく少ない。
火を見るよりも不採算である。
それを見てしまうと、何かトラブルがあった際にブロックブログが音を立てて崩れ落ちてしまうのではないかと不安になる。逃げ出すつもりがなくても崩れ落ちたブログサービスに住む事は出来ない。
物凄く、不安である。
更に、月200円の画像アップロードオプションを使用している人間がいるという事実でさえも、多数のブロックブログユーザーにとっては憂鬱の種である。
支払う予定が無い人間、あるいは支払い能力を持たない人間がブロックブログでブログを書くというのは、月200円の画像アップロードオプションを使用している人間の脛をかじり続けるという事であり、脛を齧るを潔しとしない人間にとってはまことに心苦しい。
現状のブロックブログにとって最も望ましいユーザーは、
・画像をアップロード出来る自分のウェブスペースを持たず、
・アクセス数は限りなく0に近く、
・ブログに画像を載せたいと思っている。
となるわけで、ユーザーを100万人増えた所でそのような人間がどれだけひっかかるのだろうかという事を考えると、現状ではどちらへ行くのも無理だろう。
支払い以前に、画像を載せたいと思う人間の割合からして苦しい。
ブロックブログが苦しむのは勝手なのだけれど、上記3点に当てはまらないユーザーは何かがある度に、自分自身がブロックブログにとって害悪でしかないという事実に気がつかされ、気がついた人間は憂鬱になる。
アクセス数が0に近くなく、画像を載せたいとほとんど思わない、支払能力を持たない、ヘビーなブロックブログユーザーにとって、ブロックブログでブログを書き続けるという事は神経をすり減らす作業なのである。
もしも、ブロックブログが巨大な会社の巨大なサービスであれば、気を揉む事など無いだろう。しかし、ブロックブログを運営する電気なんとか応用なんとか社のブロックブログというものは、巨大な会社の巨大なサービスではない。
巨大な会社の巨大なサービス、例えばライブドア社のライブドアや、サイバーエージェントのアメーバ、グーやニフティやはてななどは、収入手段の確保に奔走していたり、他との相乗効果を狙っていたりというのがユーザーにも見えて、非常に安心出来るのである。
無料で恩恵を貪っても、罪悪感など微塵も感じないだろう。
それに対してブロックブログというものは、何から何までまったく見えない。
いや、見える。
なんの利も無い負け戦を続けているように見える。
継戦能力を既に失い、ただ逃げているようにも見える。
ここ数ヶ月でブロックブログにおこった変化とは、トップページが少し下品になったのとカウンター、サーバー落ちの代償に(´・ω・`)がついた事くらいである。
そんなものをつけるくらいなら、ブロックブログのうりの一つであるWikiStyle用の改行や装飾ボタンでもつけた方が幾分か評判は上がるだろう。もう、何をすればユーザーが喜ぶのかすらも伝わらない段階にまで消耗してしまっているのかもしれない。たとえ伝わったとしても殿軍を狩られ続けながら逃げる事しか出来ないくらいに。
そうであれば、もう、これは。
降伏してしまうべきなのである。
負け戦を続けるなど、下の下のそのまだ下のすっごい下のさらに下である。
100万ブロックブロガーに、今すぐ降伏するべきなのである。
それが駄目なら、広告を入れるべきだ。広告を。
ヘッダーに、フッダーに、左に右に、広告という広告を埋め込みまくるべきなのだ。
そうすれば、多くのユーザーの悩みは消える。かなり。
だって、そうだろ。
募金詐欺師が出会い系を宣伝する時代にIT企業が広告無しでブログサービスを運営するだなんて、そんなの正気の沙汰じゃない。
広告さえ入れてしまえば、アクセス数の多いユーザーほど社には迷惑という自体は終わる。少なくとも、そういう図式は薄れる。
それすら無理なら、隙を作るべきだ。
ブロックブログは完璧すぎる。
サポートの対応や公式のブログは、体力の無さを如実に伝えながらも、弱小サービスの模範のような対応をしており、まったく隙が見当たらない。
社長ブログにしてもそうだ。
なんというか、言葉が出ない。
もしも、しぺぺぺぺぺぺなどとユーザーを馬鹿にし続けるようなブログであったならば、無料で貪るユーザーもただ罵倒して溜飲を下げるだろうし、3万円くらいの豚を食べているとかそういうのなら幸せそうだ。
しかし、極めてブログであり、まったくもって隙が無い。
一般的な多数のブロガー、つまり画像を載せたいだなんて微塵も思わないような活字ブロガーは、ただ憂鬱に頭を抱える事しか出来ない。罵る事さえも。
ブロックブログはもう既に、いずれやりますと書いた事をやる体力はおろか、ユーザーの声を耳に入れる体力すら無くなっているようであり、隙の無い立派な弱小ブログサービスをいとおしく思う多くのユーザーにとっては、書くのも読むのも恐ろしく、憂鬱である。
元々、電気なんとか応用という会社は体力のある会社では無いであろう。
そのような所が勝てる見込みの無い負け戦を惰性で続ける理由は無い。
逃げ出すのは恥ではないし、降伏も負けもおしまいではない。
よりよいものを提供してユーザーを満足させるのが商売人の責務であると考えるならば、次の機会にやればよいではないか。これはもう、駄目なのだ。こんな所に戦力をつぎ込むべきではないのだ。今すぐどっかに売っちまえ。
いやまだやるぞというのであれば、今すぐ広告を入れるべきだ。
月額200円を払っていないユーザーは害悪でしかないという事態を終わらせるべきだ。
それすら無理なら、ユーザーを馬鹿にしあざ笑い、完璧で隙の無いブログサービスから、隙だらけの反吐が出るようなブログサービスへと変貌を遂げるべきだ。
ブロックブロガーを支配する憂鬱を今すぐにでも消し去る為に。
いや、真に憂鬱なのは95エラーに頭を抱えるブロックブログユーザーなどではなく、広告を入れた瞬間に「ふざけるな!愛想がつきた!」と逃げ出す諸悪の根源からこのような内容のトラックバックを送りつけられ頭を抱える、竹内克仁その人なのかもしれない。