2005年4月5日火曜日

ブログ読者はブログを読んでいないという事実



ウェブ上の文章を読む人間は存在しない。

インターネットのウェブサーファーはウェブサイトを閲覧、流し見しこそすれ読みはしない。それはブログに投稿された文章や、投稿につけられたコメントやトラックバックであっても同じ事である。

誰も読んでなどいないのである。
それは悲しいし、切ない事実だ。
けれどもそれはそれでよいのだと感じる。



読み取られたくないような事柄私信を、こっそりひっそり吐き出す事で得られる快感を楽しんでいるブロガーは多い。「うはははは!これわかんねーだろー!」というものを。
それは読者への裏切りであり、背徳の優越を感じさせるに十分だ。


けれども同時に、誰かに読まれたいとも思っている。
1から100を読みとってくれ!と、心のどこかで願っている。

そのバランスが悩ましい。





どれだけ丁寧に書いても100人中100人がその通りに読んでくれるわけではないし、どれだけデコイを並べても、発見され見透かされてしまう事もある。



もし、読まれずスルーされてしまった事柄や、
誤った受け取られ方をしてしまった投稿に対して、

「そうじゃないんだ」
と言おうものなら、その「そうじゃないんだ」自体が違う読み取り方をされ、延々と無意味な誤読のミルフィーユが折り重ねられてしまう。
なにせ、ブログ読者がウェブ上の文章を読まないように、ブログ著者もウェブ上の文章、つまりはコメントやトラックバックを読んでいない事がほとんどなのだから。

ムジュンだ、撤回しろ、説明しろ謝罪しろと、もう滅茶苦茶に炎上だ。
それはあまりに非生産的で疲れる作業で、流し合うしか無いのだろうなと思う。
話せば解るは嘘なんだ。






どこかで誰かが書いていた(#1)のだけれど、ブログは投稿それぞれが独立したものとして扱われてしまう傾向にある。投稿自体が読まれないのだから、当然にして流れ文脈前後の投稿というものも読まれない。
多種多彩な話題を扱ったブログであれば、それがよい方向で機能する事もあるのだけれど、連なり書かれたブログの場合は大変だろうな、と思う。

当ブログの例で言うと、言葉遊びに対して真顔で訂正を求められたり、「こちらがチョキを出したので、グーを出したら勝てますよ!」と説明した後にグーーーーーって叫びながら目の色変えたカレーパンマンが突っ込んできたのを目の当たりにして頭を抱えたり、青い人に想定外のゲレロンをされてあたふたしたり、したりして、本当に難しいものだなと感じた。




では僕が人様のブログをちゃんと読んでるのか?
となると、それもどうやら疑わしい。

明らかに都合のよいカテゴリ-だけを何度も何度も読み返し、よろしくやりたいよろしくやりたいとただそれだけを思い続けているわけで、真性引き篭もりhankakueisuuという読者は書き手にとって物凄く迷惑心外な沈黙のオーディエンスなのだろうと思う。




その疑い、つまりは「誰も読んでくれていないのかもしれない」という不安感と、諦め漂う徒労感を避ける為にブロガーが行うべき事はだだ1つ、読者を信じる事だろう。


コメント欄にも現れず、トラックバックも送ってこない、インターネットの片隅で、呼んでくれている人がいるんだという事を信じて、信じて書くしかないのだろう。
それは100万/dayのウェブサイトでも、3/dayのウェブサイトでも同じ事なのだろうと思う。


ウェブサイトにおける一番の読者は筆者自身である。
どんな文章であれ、最低でも筆者自身という一人の人間はそれを読んでいるのだから、少なくとも一人は読んでくれているんだから、それでいいじゃないか、と思う。伝わったら伝わったで喜べばいいし、伝わらなかったら伝わらなかったで喜ぶべきなんだ。



「0人じゃない」って事実だけでも十分に素晴らしいと思うよ。
そりゃあ、「1人じゃない」って方が素晴らしいのかもしれないけれど。

アイプロミスユア。というわけでもないけれど。というわけで。
僕は読者裏切るし、やりたい放題やるけれど、僕は貴方を信じてる。

なにより僕を安堵させる事実は、真性引き篭もりの読者は真性引き篭もりなんかよりもずっと素晴らしく、よっぽどまともで信じるに価する立派な人間なのだろうという事だ。そういう方々が誤読にしろ一瞥にしろ、当サイトをクリックしてくれているという事は、本当に有り難いと思う。それはとても幸せで。


何一つ伝わらなくても構わないと思う。
すれ違ってばかりでも、どこかで誰かがそれを目にして満足するのなら。
傷つけ馬鹿にしあうのも、1つの癒しの形なのだ。
少なくとも、ウェブ上では。











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