象牙が亀になり嘶くような、鼈甲が象になり飛び立つような。
身を翻す蝋燭の火に寄り目惹かれる飛ぶ虫のように。
不確かな底なしの無敵の勇気、それに付随する確かななにか。
誰のために、
何が出来るか。
誰のために、
何をするのか。
どうして即ち理由付け人生の規範。
誰かのために出来る事なんて何一つ無い。
精々、嫌がらせ。嫌がらせの笑顔、嫌がらせの身振り、嫌がらせの呼吸音。
それらを行わないこと、逃げ出すこと、消えそうなもの、憎むこと。
悲しさは無く、辛さも無い。
ただただ、哀れ。心が哀れ、思いが哀れ、哀れが哀れ、哀れが哀れ。
自分のために、
何が出来るか。
自分にために、
何をするのか。
自分に何をしてやれるのか。
なにも。もう、何一つ。
出来る事、してやれる事、全て無し。
見守ることも逃げることも、羽ばたくことも守ってやることも。
フリーフォール自由落下目をそらしながら見つめているだけ。
無力。
なにもしてやれない。
無力。
なにもしてあげられない。
誰にも、無論自分にも。
無力。無力。無力。無力。無力。無力。無力。
誰かのために出来ること、自分のために出来ること。
無力。
無限の無力。