2005年8月24日水曜日

.exeは罪である。



check*padを使っている。
check*padは馬鹿でも使えて馬鹿でも作れるような典型的な糞ツールだ。


即ち僕はいわゆる駄目ソフトを愛用しているという事である。
それには、理由がある。

check*padには1つだけ素晴らしい所があるのだ。
それは、ユーザーインターフェースである。

check*padはIE、即ちウェブブラウザで使用できるのだ。
それが唯一にして最大のcheck*padの長所である。




人々がパソコンの前で最も多くの時間を費やすアプリケーション。
それがIE、即ちウェブブラウザである。

ウェブブラウザに大量の時間を投じた結果、誰もがウェブブラウザの使い方に精通し、誰もがそれなりにウェブブラウザを使いこなす。「お気に入り」をクリックするのに手間取る人はいないし、「お気に入りに追加」するのに手間取る人もいない。

ウェブブラウザは習慣と化し、ウェブブラウザは日常に組み込まれる。




chekc*padは、ウェブアプリケーションであるからして、習慣即ち日常と化したウェブブラウザのお気に入りに紛れ込み、習慣即ち日常と化す事が可能である。
それがウェブアプリケーションである事の素晴らしさだ。

多くの人間にとってパソコンの電源を入れるということは、ウェブブラウザを起動するという事である。check*padのような毎日使うようなアプリケーションにとって、それは最大の武器となる。起動コストは0であるし、忘れる事などありえない。否が応でも目にとまる。

日常アプリにおいて、ウェブアプリケーションでないことは致命的な欠点、即ち罪に等しいという時代が来ているようにすら思える。






同じことをゲームでも感じていた。

艦砲射撃という1つの優れた.swfゲームがある。確かにそれは内容を含めて非常に素晴らしいゲームなのだけれど、最も素晴らしい点となると「IEで遊べる」という事に尽きると思う。

ゲームはもはや一般大衆の手を離れつつあり、面白いかどうかわからないゲームを探し、見つけ、ダウンロードし、解凍をしてプレイする、というコストを支払える人は非常に少ない。対して.swfゲームを遊ぶ層となれば桁が3つ違うだろう。優れた.exeゲームは幾多とあれど、艦砲射撃よりも導入コストの低い.exeゲームは当然ながら、1つとして存在しない。

アフィリエイトによって今やページビューは換金可能な疑似貨幣だ。
全ての末端おもしろコンテンツが瞬く間に広がり消費されるブログ時代の流れの中で.swfにもたらされるアクセスは継戦費用と継戦意欲の維持という作り手にとって最も重要な効果をもたらしてくれる。それらは.exeでは決してもたらされることの無いものだ。.exeは.swfのようには広がらないし、.exeは.swfのようにアクセスつまりは金を生まない。



現段階では.exeと.swfをはじめとしたIEで遊べるゲームの間には、技術的な壁がある。.exeは圧倒的優位性を維持しており、ほんもののゲームなら.exeに限る、といった状況である。けれども、時代の流れに比例して.exeの持つ優位性は次第に小さくなって行くだろう。

それはもう、すぐそこに来ているのではないかとすら思える。






素晴らしいゲームが大衆の手に届かない事を罪であるとするならば、もはや「.exeは罪である」と言い切れるのが2005年のインターネットなのかもしれない。