2005年9月1日木曜日

コメントしようとしたのだけれど字数制限に引っ掛かってしまったのでトラックバック。



絡んでおいて言うのもなんですが、お手数おかけしてしまって申し訳ございません。まず最初に、当方の文章力の無さと、いくつかのポイントを省略して書かなかった事により、余計な手間と心労をおかけしてしまった事を深くお詫びします。これは完全に当方の責任です。いきなり媚びを売るようで何ですが、ゲームから距離を置いてしまった元ブリザード信者としてMOMUは毎日楽しみに読ませて頂いているところであり、そのような非常に素晴らしいブログに不必要な返エントリーを書かせてしまった事を深く反省しています。誠に申し訳ない気持ちでいっぱいです。本当にごめんなさい。




結論から言うと、HIMIさんの姿勢にはやはりかなりの違和感を覚えます。
あちら(先の投稿)ではしょった事も含めて書いておきます。


まず、大前提として重ねて述べておかなければならないのは、ASIA人なのにUS Westサーバーに接続しているという時点で蹴られても仕方がない事であるという点です。HIMIさんの最初の投稿には、WC3に4つの地域別サーバーが用意されている事が完全に隠蔽され、さもUS WestのDOTA allstarに排他的な空気が漂っているかのように読めてしまいます。これはUS WestのDOTA allstrasを愛した1人の元DOTA alllstarとして、WC3やDOTA allstarsを知らない方々にそのような印象を持たれてしまう可能性の高い文章であるという点においてとても悲しく思います。



次に、HIMIさんは接続国とPINGを表示するのは「コマンド」であると誤解なさっておられますが、それは「ツール」です。そして、そのツールが登場し普及したのはここ最近、半年ほどの事です。

よって、他のUMSで「国を調べて蹴られなかった」のは、時期的に見て当然の事です。また、DOTA allstarsと他のUMSでは人口母数が絶対的に違うので同じようには語れません。他のUMSで人を蹴っていてはゲームが成り立ちませんし、ほとんどのTDではラグはなんの問題にもならないので、それらの事情を持ち出すことはその点においても間違っています。TGSのようなマイナーなUMSともなれば2vs2で遊べれば奇跡です。そんなUMSで入ってきた人間を蹴るなどという選択枝は存在しえません。DOTA allstars以外のUMSを5vs5で遊ぼうとした際の待ち時間はご存じの所であろうかと思います。

さらに、他のDOTA系列UMSよりもDOTA allstarsはハードなゲームです。1秒で1000ダメージが当然のように入るにも関わらず、ある程度のバランスが保たれている希有なゲームであり、尚かつ1ゲーム1時間がざらにあります。それにおいてラグは嫌われて当然です。

それら同列には語れない他UMSの経験例を、「国別kickはDOTA allstarsの病」の証明に利用しようとなさるHIMIさんの手法は間違っています。



DOTA allstarsよりもノーマルゲームの方がPINGが問題であるという認識は少し誤りがあります。何故ならば、ノーマルゲームにおけるラグと、DOTA allstarsにおけるラグはまったく別の問題だからです。

ノーマルゲームにおいてPINGが影響するのは、一言で言うと勝敗です。勝敗が最も重要であるpro対proのゲームや、公の試合では当然PINGは大きな問題となります。

対してDOTA alllstarsのラグは違います。
DOTA allstarsでは死亡に対して最大80秒、約2分もの「遊ぶ事が出来ないという罰」が与えられるので、ラグは嫌われるのです。ノーマルゲームではラグによるmissや死があっても「gg」と落ちたり、相手にも同じラグがあるのだからと頑張ってプレイしたりする事が可能ですが、DOTA allstarsではゲーム終了まで非常に長い時間に渡り拘束されます。その可能性がある「太平洋を越えている人間」は平等に蹴られるのです。

そして、ラグは特定ヒーロー、特にinvi持ちに有利に働くので、それを利用して数度殺し/殺されればゲームは簡単に崩壊し成り立たなくなってしまうバランス設計が成されているUMSです。崩壊したノーチャンスなゲームでも当然1時間拘束されます。故にラグは忌み嫌われるのです。



最後に付け加えておきますが「PINGで蹴る」というのは「国で蹴る」よりも残酷な行為です。
「国で蹴る」というのは生まれた土地で無条件に切り落とす行為ですが、PINGチェックは打ち直すことで50以上のぶれが出ます。そして最も重要なことは、回線の微妙な違い、即ち貧富の格差で「同じ地域に住んでいる貧者から遊ぶ機会を奪う」という点で残酷です。



wwwが一部MMOでは当たり前のように語尾につけられてしまっている現象の受け止め方については多少の相違がありますが、それらに対する感覚はほとんど同じです。またshitやfuckについても、大筋では意見に違いがありません。

ただし、我々は「shit」や「fuck」を知らないという事を念頭に置いておかなければならないと思います。

fuckは汚い言葉、言うならば言ってはならない言葉ですが、禁句とまではありません。WC3をプレイしていて、Hero killなどをした際に「fuck」と言った人が次の瞬間には普通に話しかけてきた事はありませんか?僕はfuckの後に和やかにmicroを褒められた事すら何度か経験があります。普通の人も「fuck」と口走ってしまうことはあるくらいにfuckは滲透してしまっているのです。

日本人がその正確な語感を決して知り得る事が出来ない言葉を持ってして「fuck言う奴はマナーが悪い」という先入観により排他的な印象を持ちそのような思考を行うのは、あまりよいことではないと思います。率直に言うと寛容さと想像力が足りないと思います。



JAPと言われて気分が悪くなる事はよく理解が出来る所ですが、「日本人なのにUS Westに接続している故に蹴られる」「ある時、JAPと言われた」という2点を持ってDOTA allstarsのUS HostやUS Playerを、成り立ちからしてまったく違うUMSのUS hostやPlayerよりもマナーが悪いかのように書かれることは、1人の元DOTA allstarとして非常な心外です。




「韓国の人を蹴ったら注意する」ということも持ち出されていますが、それは当然のことです。しかしながらそれはまったく別の問題です。DOTA allstarsで蹴られる事の原因は、太平洋を越えてASIAなのにUS Westに接続しているからというのが主なのです。

本物のUS Westerの気持ちを想像すれば、「問答無用でJPを蹴る事」を理解するのは簡単です。「US West限定」「CAL限定」あるいは少し違う話で言うと「AUS/NZ限定」といった国別kickの共有は行われて当然です。何故ならば回線速度という問題で人間を蹴るよりかは、やや平等であるからです。



さらに「deadmanに代表される一部プロゲーマーの劣悪な人間性」というまったく別の問題を、この「国で蹴られる」という話に混ぜ込んで語ろうとなさっているのも、また愚かなことです。それは年齢の問題でも、特定の国や地域に見られるマナーの問題でもなく、特定個人の人間性に起因する問題です。どこの国、どのような層においても良い人は良い人で存在し、悪い人は悪い人で存在するのです。

特にデリケートな問題においては、複数の問題点を不用意に混ぜ合わせ混同してしまうことのないように注意し、個別に切り分けて思考処理するべきです。



結局の所我々に求められる事は、変な先入観を持たず、蹴られても蹴られても気を改めて新しい部屋に入り、countまでstayさせてくれたhostには感謝の言葉を述べる、といったような誠実にゲームを楽しもうとする態度ではないでしょうか。