2006年1月1日日曜日

未来を変える事は不可能だが、過去を変える事は可能である。



変えたいものがある。
変わらないものがある。

変えたくないものがある。
変わってゆくものがある。

主語は、「人それぞれ」だ。








守りたいものがある。
捨てたいものがある。

主語は、「僕には」だ。








DOTA allstarsの魂。
DOTA allstarsの誇り。

平均ゲーム時間が1ゲーム1時間を超える強烈なゲーム。
両チーム合わせて10人の参加者5vs5。

誰かが敵に殺される度にけたたましく鳴り響くトリプルキルの効果音。
デスペナルティは復活までのゲームからの隔離。
その時間、実に2分近く。

だから、殺されるとゲームから離脱する人が大勢いる。
通称、LEAVER。

そういう人達が出現するとどうなるか。
それは、ゲームが成り立たなくなる。

崩壊しているとも称される微妙ぎりぎりのゲームバランス。
4vs5でもおかしくなる。
3vs5ならワンサイド。
3vs4でも成り立たない。

5vs5、それがぎりぎりの場所。
技術的に未熟な新人でも、一緒に行動すればスキルを適当に撃つだけで多少の活躍は出来るし、数秒の的くらいにはなれる。その間に上手い人が僅かな隙間をねじ込んでゆく。チームを勝利に導くために。

だから、DOTA allstarasにおいてLEAVERは最も嫌われる。
もちろん、死にまくってその度に相手に100gold+の賞金と経験値をプレゼントするfeederと呼ばれる人を最も嫌い、そういう人に対して露骨に「墜ちてくれた方がマシだ。」と罵倒する人もいる。けれども、僕はそのような類の人ではない。誰だって最初は初心者だったのだ。僕だって、0-22といったような1時間死に続けただけのスコアを出した事がある。ハイスコアは35-0くらいか。

そして、DOTA allstarsはあまりにも奇妙なゲームだ。どんな上級者でも、-randomで引き当てるキャラクターと、序盤~中盤に対峙する敵キャラクターとの相性によってはどう頑張っても金を稼げず、経験値も稼げず、それどころか一方的に殺され続ける事だってある。70人ものキャラクターが存在するゲームだから、いくらバランス調整が行われても、時と場合によっては相性による影響が露骨に出てしまうのだ。

そんな時に、どうするのか。
重要な局面で何度か殺され、後半に生きる必殺技も無く。経験値も稼げて貰えないのでLv差が倍ほどもつき、金をまともに稼げておらず、さらに死ぬ度に所持金の約半分が失われる為にまともな装備を調えられず。おまけに、復活までのデスペナルティ中も味方や敵はどんどんLvを上げて強くなってゆく。自分だけがゲームから隔離されているような孤独感。蘇って前線へ赴く度に殺され、デスペナルティ送り。何も出来ない。ただ存在しているだけ。

それでも、僕はLEAVEしない。
何故ならば誰よりもDOTA allstarだからだ。
自分は敵に殺害機会を与える為だけに存在しているというPRIDE。

もちろん、面白くもなんともない。
ただ必死に堪え、懸命にゲーム内に留まり続ける。

何故ならば、明日は殺す側に自分が回るかもしれないからだ。
そんな時に僕が活きる機会を与えてくれるのは、そうやって殺され続け何も出来なくてもゲームに留まってくれる、ハイモラルハイマナーな本物のDOTA allstar達なのだから。だから僕はそこに居続ける。ゲームが終わる時まで。




DOTA allstarasには終わりがある。
せいぜい2時間、必ず終わるのだ。
けれども、終わらないものがある。

例えば、人生。
人間は死なないように出来ている。
少なくとも、他の幾らかよりは随分と頑丈だ。

あるいはブログ。
思い通りに行かなくなるとブログの終焉などと言い出してLEAVEする人もいる。
そういう人はそういう人だ。
それでいいのだ。

けれども、そんなんじゃあDOTA allstarsでは通用しない。
抜けない。
落ちない。
抜けてはならない。
落ちてはならない。
どんな時も、どんな時でも最後まで居続ける事。

今僕を支えている唯一のもの。
それがDOTA allstars。

だから僕は不幸にも生き続けているし、きっと今年も書き続けるのだろう。
だって僕はまだ残念な事にDOTA allstars。

守りたいもの。
DOTA allstars。

捨てたいもの。
DOTA allstars。

これが失われるまでは、僕は真性引き篭もりhankakueisuuで有り続けられるし、有り続けねばならない。失われたらどうなるかなんて、そんな先の事はわからないね。どうせ未来はもう、決まっているのだから。






DOTA allstarsの他に僕にあるもの。
それはただ2つだけ過去と未来。
それしかもう、僕にはない。

けれども、いや、それでも。
僕には過去と未来がある。






戻るで文章飛ばぬように、Ctrl+A、Ctrl+Cを繰り返しながら。
僕は進む。
未来へと。
DOTA allstarsの魂だけをこの手に持って。
家康を背負うて三方原を駆け上るが如く。





世の幾らかの人々は、過去は変えられぬものだと考えている。
対して、未来は変えられるものだと考えている。

だからこそ頑張って未来を変えるのだと、人々は言う。
それは、違う。




未来はもう決まっている。
どうせ誰もが死ぬのだ。
そこにあるのは破滅。

行き着く果ては土の下。
天国なんてなくて、それどころか事もあろうに地獄すら無い。

夕飯の刺身の養殖の鰤を天然の鯛にする事くらいは可能だ。
けれども、そんなもの未来とは呼ばない。
世間ではそれを未来と呼ばずに献立と呼ぶ。

スズキの軽自動車をトヨタのハイブリットカーにする事くらいは可能だ。
けれども、そんなもの未来とは呼ばない。
世間ではそれを未来と呼ばずにマイカーと呼ぶ。

誰も、未来を変える事は出来ない。
行き着く果ては土の下。




対して、誰にだって過去がある。
この世に産まれてきたという過去がある。
それを心の底から良かったと捕らえられるかどうか。

即ち、過去を変える事は可能だ。
それならば、変える事が可能だ。

生まれてきて良かったと思えるかどうか。
生まれてきて良かったと心の底から言えるかどうか。

それが、大事なんじゃないかな。
少なくとも僕はそう思う。

だから頑張りたい人は、未来の為に頑張るのではなくて、過去の為に頑張るべきなんだ。世界で1つしかない自分自身の過去を素晴らしいものだと言い切る為に。










そして僕は過去を諦め、破滅へと舵を取る。
未来へ。
真性引き篭もりhankakueisuu