2006年1月21日土曜日

生き長らえて。



引き金を引いただけで、包丁を突き立てただけで、軽く背中を押しただけで、コーヒーのリキュールに白い丸薬を1つぶ入れただけで、吹雪の夜に一晩戸締まりしただけで、たったそれだけの事なのになんでみんな死んでっちゃうんだ。

僕にはそんなつもりはなくて、みんなで仲良くやって行きたいのに、視線と視線が交わるだけで、指と指とが触れ合うだけで、ここにいるだけで、右斜め下に目を逸らし少し微笑んだだけで、僕は何もしていないのにどうしてみんな死んじゃうんだ。

ならばと全てを諦めてこちら側と向こう側を入れ替えた所で何一つ生き返りやしない。だから僕は無敵のままで屍の山を築き続ける。あまりにも僕は完璧であまりにもそして強すぎる。もっと弱くなって、か弱くなって、息も絶え絶え雪山の上の白い竜に守られて、何かの錯誤で踏みつぶされて、血の一滴も流れずに雪山はずっと雪山春など来ずに純白で。

だけど僕は強すぎるから一瞥で竜は死んで息も絶え絶え悶え苦しむ彼に慈悲もかけずにAltに指を置いたまま左クリックを連打して僅かばかりの甘くもないハッカのドロップ拾い集めて血だまりの中にすぐ捨ててクリスマスキャンペーン中だからexeは2倍、2倍で成長2倍の速度、バイバイゲームで死んでゆく。

脳が死ぬ、脳が死ぬ、死なないで脳、死なないで脳。
脳が死ぬ、脳が死ぬ、なのに僕は行き長らえて脳は死ぬ。
脳が死ぬ、脳が死ぬ、死ぬなら勝手に死ねばいいのに黙々それを記録して。

死ぬな生きるな生きるな死ぬな。
死んでゆくなんだって死んでゆくんだ、なのに死なない四肢だけ歩く。