2008年3月12日水曜日

ずるいでござる。



「ずるいでござる!」
「高杉はずるいでござる!」
僕の野武士が叫ぶ声が最高潮に達した。

それにつけても、高杉はずるい。
















「おもしろき こともなきよを おもしろく」
これである。
ずるい。高杉はずるい。
泣きじゃくりたい。そのくらい、ずるい。








高杉は、酷い男だ。
僕らが住んでるこの、希望と未来で満ちあふれた幸せな楽園たる地球船宇宙号を、「おもしろき こともなき世」と言って罵る。僕らの息づくこの世界が、こんな誹りを受けたことが、今まで、ただの一度でもあったろうか。いや、ナインティナインの、オールナイト日本。








少し高杉を、真似てみた。
おもしろくなきフレーズを、エントリーに紛れ込ませてみた。そうしてみて、初めてわかったのだけれど、やはり、高杉は、随分とずるい。おもしろくなきフレーズは、おもしろくない。それは、けっして、揺らがない。








高杉を斬って捨てたい。
ばさりと、やってしまいたい。
この、おもしろき事で満ちあふれた世の中を、「おもしろくなき世」と悪く言う高杉を、僕は決して許すことが出来ない。このおもしろき世を心の底から愛している僕は高杉を、決して許すことが出来ない。そうだ。僕はこのおもしろき世を心の底から愛しているのである。「この世を愛している!この世を愛している!」と故郷のミシガン州でマイク片手にまくりたてて、大統領選挙への出馬を表明したいくらいである。ロムニーか。








高杉は、きっとこう言うだろう。
「ほら、おもしろくない。」

ちくしょう。
こんちくしょう。
高杉黙れ。黙れ高杉。

おもしろいのだ!
僕はおもしろいのだ!
世界一僕は面白いブログを書くのだ。

もしも、僕が、ブログオブザブログを書き上げたならば、宇宙がそれにショックを受けて大爆発をするだろうと、僕は心のどこかで、心の底から、それを信じているのだ。ちくしょう。こんちくしょう。高杉は、きっとこう言うのだろう。「ほら、このブログを見てごらんよ。ぜんぜんおもしろくない。ちっともおもしろくない。鋭くもなければ、滑稽でもない。ユーモアも、エスプリも、教養も、なにもない。なのに、この男は、自分の書くブログが、何よりも面白いはずだと、心から信じてやがるんだぜ。けっ、おわらいだぜ。真性引き篭もりhankakueisuuってのはよ。くはあっ、くはあっ、くはあっ。」おのれ、高杉。くそう。ちくしょう。てめえ、たいがいにしろよ。調子に乗ってたら、ぶっ殺すぞ。粋がるんじゃねえ。








高杉は、ろくでもない。
あれは、ろくでもない野郎だ。たのしくて、愉快で、おもしろさで満ちあふれた、とても幸せなこの世の中を、「おもしろくなき世」と平然と、言ってしまえる高杉は、まったく愉快なご身分で、ろくでもない奴だ。とてもではないけれど、僕はそんな事、決して言えない。だって僕はとても正直で、誠実で、素直な人だから。おもしろいものはおもしろいと、笑って言える、人だから。








高杉は、おかしい。
高杉の言っていることには、筋というものが通っていない。
あんなもの、僕に言わせれば侍でも、維新志士でも、なんでもない。だって、そうではないか。この世というのは、おもしろい。大変におもしろい。たとえば、wii fitなんて、もの凄い面白いではないか。任天堂は凄い。あれは、レボリューションだよ。いつの世も皆、時代は京を、目指したものだ。








高杉は、汚い。
高杉くらいに汚い男を、僕は他に知らない。
高杉は、「おもしろき こともなき世」などとは、ちっとも思っていないのだ。あいつは、そういう男だ。ちっとも思っていない事を、平気で言ってのける、ブロガーのような男だ。汚い男だ。ちーーっとも思っていない事を、当たり前の事のように言い、そしてその逆を行く。おもしろい世の中を、「おもしろき こともなき世」と言いきった上で、「おもしろく」である。汚い。高杉は汚い。おもしろいのである。世は、大抱腹時代である。世は、おもしろくて、おもしろくて、たまらないのである。








高杉になりたい。
ああ、はっきり言って、僕は、高杉になりたい。だって、高杉は、面白かったのだ。おもしろき事で満ちあふれた世の中を、口汚く罵ってなお、高杉という男は、おもしろさを生きたのだ。僕とは正反対に。








高杉は嘘つきで、僕はおもしろくない。
悔しいけれど、おもしろくない。

世界が、もしも、おもしろくなき世であったなら、僕は、どんなに面白かっただろう。もしもこの世が、おもしろくなき事で満ちあふれていたら、僕の毎日はその一粒一粒までが、きらきらと、まばゆいばかりに輝いていただろう。でも、そうは行かない。世は、おもしろい。おもしろい事で満ちあふれている。









世は、おもしろい事で満ちている。
僕には、それが、おもしろくない。
おもしろき世が、おもしろくない。