今更焦っても遅い。



「寝ている場合ではない」と飛び起きた。

そして自らに問いかける。寝ている場合でないならば、何をすればいいのか。回答は無い。気力も、体力も、夢も、希望も、ない。好きな人も、嫌いな人も、心許せる人も、愛おしい人も、いない。おそらくは、かつて僕自身であった自らすらもいない。居たところでどうなるというわけではないけれども、寂しい。あるいは、虚しい。苦しみたいわけではない。けれども楽しみたいわけでもない。怒りたいわけでもなく、悲しみたいわけでもない。ただ、どうしたいのかが、今ではわからない。寝て、起きて、寝て、起きて、行き過ぎた秋が寒い。寝ている場合ではない。寝ている場合ではないと焦ってしまいろくに眠れず、起きても何も手に付かない。もう間に合わない。全てが手遅れである。今更焦っても遅い。