女学生の躯。



無理矢理眠って、立ち上がり、二歩三歩いて横になり、無理矢理眠って、無理矢理眠って立ち上がって、少し歩いて立ち止まり、PCの電源を入れるにも、その気力もなく、動機もなく、複雑に絡み合った布海苔とヒジキと天草が打ち寄せられた潮だまりのように、異臭を放ち汚濁した、口をぼおっと開けたまま、息を吐き、息を吸い、詰まった鼻を吸ってこじ開け、横になり、無理矢理眠って、無理矢理眠って目が覚めて、起きて、立って、頭を掻いて口で息をし、行く当てもなく立ち尽くし、横になっていた万年床をそっとゆっくり見下ろした。

しばらく前まで寝ていた場所に、人間の体というものを思い描き、この辺が頭で、この辺が足で、とやってみるけれど、どうにもうまくいかない。人間の体というものの、大きさや重さ、あるいは質感といったものを、うまく思い浮かべる事が出来ない。人間という生き物は、本当に、この僕が息衝く世界に、存在しているのだろうか。女子校生という生き物は、本当に、この僕が息衝く世界に、存在しているのだろうか。疑いが生まれ、憎しみが生まれ、涎が垂れて臭い。

世界の実感がない。ネットでいつの日か読んだ、労働とか、娯楽とか、食事、肉欲、享楽の話が全て、どこか遠く、違う宇宙で行われている異形の異星人の営みのように思えて、遠く向こうの国道に穴を掘る重機の音だけが、まことの事のように思える。

見下ろした寝床の上には、抜け落ちた髪の毛と、汚れたまくらカバーだけが現実として落ちていて、どこから入り込んだのか、蛾が一匹だけ舞った。生憎、蛾で満足できる歳でも無いので、蛾ではなく、人を、人間を、おんにゃのこのカラダというものを、そこに思い浮かべて、ここに頭があって、肩があって、指があって、うつ伏せに胸があって、尻があって膝の裏、かかとと思い浮かべてみるけれど、やはりうまくいかない。そんなものは、ここには無いのだ。無いものを思い浮かべて生きる事など、誰よりも貧弱な脳みそぢからしか持たない僕にはとてもではないが、成し遂げられない。

ああ、つまらない。退屈だ。僕の書くブログというものは、どうしてこんなにつまらないのだろう。退屈なのだろう。書いていても心は躍らないし、読んでいてもときめかない。女の体の1つにも負ける、くだらない、くだらないものなのだろう。それらの疑問に対する明白な回答は、随分と前から既にこの部屋に用意されており、それは二本の足で何もせず、床を見つめて立っている。ああ、こんなものくだらない。どこの誰でも構わないから、風呂付きの一軒家と、まどち付きのXbox360をセットにして、半月ばかり貸してはくれないものだろうか。ようく遊んで返すから。