2010年7月3日土曜日

真性引き篭もり : 二次リーグからリプレイ3つ。

合計12ゲームから3リプレイと言うよりは、EHomeを除く9リプレイから3つ。EHomeがつまらないって言うんじゃなくて、このEHomeがつい先日までまともに勝つ事すらできなかった暗黒時代に居たという事実。その当時の(というか、ESWC予選で820を後ろに下げるという奇手で突然復活するまでの)中国シーンでのリプレイと比べれば、見るに堪えない。

ESWCのリプレイは、今のところ1つを除き全て最後まで見ている。最後まで見なかった1つは、OK対MYM。先日までOKの大黒柱だった13baby対OKの一戦は辛くて見てられず見るのをやめてしまた。あんなリプレイ見せられるならESWCなんていらない。デンマーク人だからMYMに行くのは仕方がないとはいえ、受け容れる事が不可能なタイミングってものがある。もう少しおだやかなタイミングで移籍してくれれば良かったんだけれど。




OK 対 NV.マレーシア

最終的には2勝1敗が2チーム、1勝2敗が2チームとなったA組で、OKがあげた一勝はマレーシアから。このリプレイを見ると、やはりMUFCが見たかった。ESWCに遠征してきたアジア勢の中で、アジア八強の中に入っているチームはEHomeのみで、ニルヴァーナマレーシアのポジションは八強の下。一方のMUFCは八強下位。たった1人の大砲だけでも、きちんと詰めれば中国と戦えるという事を証明した偉大なプレイヤー。

このゲーム、KuroKyの気合いの入り方が違っていた。ping撃ちまくりでチーム動かしまくり。動かしすぎて幾つか失敗はしていたけれど、KuroKyの安定したモチベーションは本当に素晴らしい。KuroKyがモチベーションクライシスに陥ったゲームは、SMMの最終戦となったFzy(クラン名不確か)戦くらいのもので、他は安定して60分間高モチベを保てる希有なプレイヤー。DOTA allstarsプレイヤーならば誰でもわかると思うけれど、「どんなヒーローで、どんな戦局でも、モチベーションを保ち、慎重に動きながらlast hitを丁寧にとり続ける」という当たり前すぎる事がみんな出来ていない。たとえば、このESWCでdDreamがDTSに敗れたゲームで、敗色濃厚となった場面でLodaが13+1ユニット中、7ユニットしかlast hitを取れないというシーンがあったり、2次リーグ敗退が決定していたNV.マレーシア 対 二次リーグ突破が決定していたMYMのゲームで、当然勝つべきだったMYMの13babyがモチベーションを見失って3連死して敗着したりと、KuroKyならばというシーンが幾つかあった。

結局KuroKyの舌根も、意味不明な流浪の旅も、彼の高すぎるモチベーションにその要因があり、今回の「なんの希望も持てないチーム」で挑んだESWCでも、dDreamに勝ち、一次リーグを突破し、さらにマレーシアに散ったSMMの恨みを晴らすかのように、見事にニルヴァーナマレーシアを倒して見せた。相手こそ違えど、「SMMのリベンジなった」と見るのが正解だと思う。おめでとうKuroKy。そして次はこんなんじゃなく、きちんと頂点を目指せる編成で上を目指してくれ。





NV.int 対 MYM

二次リーグのベストリプレイ。AZEN加入とフェアーの統率力で欧米最強の地位を伺う素晴らしいクオリティを見せているニルヴァーナインターナショナルと、13babyというチームの核を手に入れたMYM。そのゲームの行方を決めたのは、やっぱりAZENのAZENたるプレイだった。一次リーグの全てのゲームでAZENにネクロマンサーを割り振り、「AZENをチームから乖離させない為にはどうすればいいか」という問いに対するベストアンサーを手に入れたかに見えたニルヴァーナインターナショナルの快進撃は、二次リーグの初戦でニルヴァーナマレーシアに「ネクロマンサーをBANされる」という異常事態によって雲行きが怪しくなる。

ニルヴァーナマレーシア戦はAZENにWRを振ることで凌ぎきったものの、このゲームではWR、pugna、potm、アルケミストと相手に取られてしまい、ネクロマンサーはファーストピックで確保していたものの、最後の一手が決まらない。禁断のAZEN morpを解き放ちたい所だけれど、morpはBANされてしまっている。迷いに迷ったフェアーが選んだヒーローは、DRだった。これが敗着。

ニルヴァーナインターナショナルは、全力でAZENシフトを敷いて挑むが、AZENはそれに応えられない。AZEN。それはBAKAプレイヤーの極北。AZEN。それは自由を求めて彷徨う狩人。やはり、ここに来てAZENはAZENだった。このゲーム、勇気を出してAZENに別のヒーローを振っていたら勝てていたと思う。フェアーは有無を言わさず極端なヒーローを振るべきだった。そのヒーローが何であったかと聞かれたら、正直僕にもわからないんだけれど。

どうせpuppeyはsandやlionでも大丈夫なんだから、2順目のpickでpuppey用のdsではなく、フェアー自らの為のpickをして、AZENにはネクロマンサーでプレイさせるべきだった。フェアーは自身も優れたネクロマンサー使いであるが故に、遂にAZENをAZENにしてしまった。器用だし、強いし、上手いんだけれど、色々と制限がある。DRをMYM相手に使いこなすのはいくらAZENでも無理だった。結局この2チームは両チームともに2勝1敗でトーナメント進出。念願のDTS対MYMがトーナメントで実現することになった。

やはり、13babyのラストヒッターとしての性能は素晴らしかった。ラストヒットを取っている瞬間が一番楽しいと感じるタイプの人なんじゃないかと思ってしまうほど、高いクオリティ。ラストヒットだけならばKuroKyに匹敵する。KuroKyとの差はそれ以外の部分。




ys(aeon.sg) 対 dDream

今大会のワーストプレイヤーを5人選ぶならば、間違いなくその中に入るであろうミザリーが、最後の最後で気を吐いたゲーム。ESWCにおいて良い所が全く無かったdDreamだけれど、ディフェンディングチャンピオンには勝ってしまうあたり、メンバー的にはきちんと濃い。パジャ、ミザリー、ロダの3人は、人選的には行くべき所まで辿り着いている。aeonはこの敗戦によって、トーナメント進出の為には最後のDTS戦で30分以内の勝利が必要になってしまい、30分以内の勝利を目指してトリプルスコアで大敗した。dDreamのこの一勝は、2勝ぶんの価値があった。正直に言えば、DTS対aeonの時間制限の無い真剣勝負を見たかったんだけれど、こればかりは仕方がない。

>「2008年のアジアを遂に捕らえた欧州。だがしかし、現代アジアは銀河の果てへ。」
>そんな当たり前の事実を当たり前のように再確認できる ESWCになるだろう。
と事前に書いたとおりの結果になった。
予想はEHome-MUFC-MYMだったので、外れたと言えば外れたんだけれど。
ディフェンディングチャンピオンは二次リーグで一勝も出来ずに敗退。


トーナメントの組み合わせは、DTS 対 MYMと、EHome 対 NV.int。2位争いは、きちんと熱い。事前の予想通りMYMが二位に滑り込んでくると今でも思っている。さすがに13babyもきちんと直してくるはず。大会期間中の軌道修正では、一次リーグ初戦でNV.intに敗れてからのDTSの復活が素晴らしい。ESWCの二位は実質優勝なので、ここにどのチームが滑り込んでくるかはかなりの見所。