ガラスに額をくっつけて外を見れば黒い夜と冷たさがどこまでも広がる。
心細さに足が震え、息を吐き、どうしても何かを書かねばとJとFとに人差し指を置けど、心の中はがらんどう。悲しみもなく、苦しみもなく、勿論の事喜びなどはあろうはずもなく、四本揃った左の指をわけもなく右手で軽く握る。自らの温もりを感じない程度には暖かくて長い夜。何かをするにはもってこいの季節だ。幾層にも積み重なった失望の上で失望に失望を積み重ねてその上に正座する。今日は心が無い。心が無いから何も書けない。明日が怖い。明後日も怖い。昨日の事はもう思い出せない。