額から血を流して倒れていた。

目が覚めると、額から血を流して倒れていた。死んだか。殺されたか。よくない事態が頭をよぎり、生きている事だけが確認された。なぜ、血が流れたのか。酸素を運ぶと血液は言う。どうしてですかと尋ねると、必要とされているからですと、定型文が返される。僕以外にもこの星に誰か、酸素を必要とする人が居る。その事実を知り、旅立ったのだ。脳と肉体と精神がのうのうとまぬけに眠る中、血液は1人立ち上がり、額を突き破り誰かを目指した。夢と慈愛に満ちたその救済の遠い旅路は、志半ばで頓挫したか、あるいは向こうで拒まれたのか。