いいから、おまえは寝てろ。

大きく息を吸い込んで、無理矢理に捏造した勇敢な気持ちで、やっとの事で横になったのに、30分で目が覚めた。「がっかりやね。ほんんまがっかりや。」という罵倒がコズミックから聞こえてくる。宇宙はおそらく関西にある。

ついさっき目が覚めたばかりなのに眠たい。憤りを感じるが、その憤りは筋違いだ。30分で目が覚める自分が悪い。おまえに非がある。こうしてまた責められる。がっかりだ。本当にがっかりだ。もう日本語も繋げない。なにも繋げない。繋がらない。たどたどしく左右非対称に泳ぎながら顔を上げてはチェイン、チェインと叫ぶばかりで、見る物全てが溺れて沈んでゆく。もう何一つ、二度と浮かんでは来やしない。真っ白に静まりかえった暗い水面に「俺にはまだやり残した事があるんだ」と水を飲みながら叫ぶ声が、ぽつり一つだけぬるい速度で水の底から浮かび上がってくる。いいから、いいからおまえは寝てろ。