ここ数日、俺に執拗な嫌がらせを繰り返す奴が居る。

ここ数日、俺に嫌がらせをする奴がいる。正体は不明だ。俺がキーボードでxとタイピングすると、そいつは俺に嫌がらせをする。ただの嫌がらせではない。悪質な嫌がらせだ。これは推測だが、俺に嫌がらせをしているのは、1人ではない。連中は徒党を組んで俺に嫌がらせをしている。証拠はある。午前3時にも、午前10時にも、午後4時にも、午後8時にも俺は嫌がらせを受けている。とても1人では行えまい。連中は徒党を組んで俺の日常を妨害する。俺を攻撃する。俺が「x」と打ちたくてxキーを静かに押し下げると、そいつはrangeと付け加えてくる。これが嫌がらせでなくて何だ。俺は「x」と打ちたかったのに、画面に表示されるのは「xrange」なる文字列。俺のような特別でプレシャスな天才は世界中の糞野郎どもから嫉妬される。そして執拗な嫌がらせを受ける。だが、俺はそんな事では挫けない。何故ならば、俺は天才カリスマアルファブロガーの真性引き篭もりhankakueisuuだからだ。俺は戦う。俺はめげない。俺は決して諦めない。右下を見る。Back Spaceを発見する。中指を持ち上げる。五度叩く。xrangeという嫌がらせから見事に5文字をdenyして、俺はxを取り戻す。俺のxを取り戻す。しかし、悪質な連中による嫌がらせは続く。まだまだ続く。途切れる事なく延々続く。おそらく俺のパソコンはインターネットのやりすぎてハッカーどもにハッキングされ、遠隔操作を受けているのだろう。xだけではない。yまでもが連中の嫌がらせの対象になる。俺がyとタイピングすれば、連中はierdと書き入れやがる。意味がわからない。俺は自らのパソコンの自らのキーボードで、書きたい文字を書いているはずなのに、連中の嫌がらせによりその望みは絶たれる。俺がタイピングしたはずの「y」は、「yierd」という文字列として具現化する。糞忌々しいナードどもめ。俺は嫌がらせを受けている。嫉妬だ。嫉妬によるものだろう。連中は俺の才能を嫉んでいるのだ。それ以外に考えられない。俺は天才だ。世界最高の天才である俺の輝かしきテキストはierdやrangeという謎の文字列で汚される。俺はBack Spaceキーを手に取り、懸命に連中と戦う。死闘である。武器はBack Space。これが俺の武器だ。俺の闘争だ。自由を求める為に俺は生きている。自由の為に戦い、自由の為にBack Spaceを堅打する。ダダダダッ。俺の体臭の染みついた俺の臭い俺の部屋に俺の打鍵音が響き渡る。連中の悲鳴が聞こえる。俺は勝利するのだ。俺はxを取り戻し、俺はyを取り戻す。俺は勝利したのだ。連中の嫌がらせに打ち勝ったのだ。そう思ってzキーを押し下げると、連中の魔の手はそこにも潜む。14インチのCRTに表示されたのは俺が心の底から望んだ「z」ではなく「zip」の文字。糞っ喰らえだ。俺は攻撃されている。俺は被害者だ。