2013年4月16日火曜日

道具としての使用に耐えうるロギングツールが欲しい。

ロギングと聞いてまず思い浮かぶのは米ヤフーの新社長による自宅労働禁止令である。その根拠となったのは、「自宅労働者はぜんぜんキーボードを叩いていない」という動かしがたい証拠だった。同じような話は日本でも目にした事がある。どこかのウェブ制作会社が、社員のタイピング量を監視して、本当に労働中であるかどうかを監視出来るようにしたというものだ。

ロギングにはそういう性質が付き纏う。ロギングとは人を監視する為のツールであり、人に労働を強いる為のツールだ。けれども僕がロギングに興味を持っているのは、そんな理由からではない。自分を監視したいわけでもないし、自分自身に労働を強いたいわけでもない。

生きていると自らがわからなくなる。自分が何をして生きてきたのか、どのようにして今日という一日に辿り着いたのか。昨日の昼食をど忘れしてしまった、というレベルで自分のこれまでを思い出せない。昨日も、おとついも、それどころか僅か3時間前に何をしていたのかも。全てが漠然としている。何一つはっきりしない。

ロギングはそれを救う。自分が何をしていたのかがはっきりする。明確になる。目に見えなかったものを、目に見えるようにする。仕事をしたいわけでも、監視したいわけでも、成果を手にしたいわけでもない。ただ自分が生きていて、何かをしていたという事を確認したいのだ。もちろん、改善したいし、良くできるものなら良くしたい。けれども、それ以前の問題をどうにかする為にロギングが必要だった。



ロギングというものがもしも、あらゆる端末できちんと機能すれば、一切の入力をする事なく、何時に起き、何時に寝たのかもはっきりする。GPSが動かず、全ての端末がオフラインであった時間はおそらく寝ていたのだろう、という事になる。どれだけジョギングやウォーキングをしたのかもわかるだろう。どれだけ運転したかもわかる。どんな交通機関をどのように使ったのかもわかる。一切の入力を行わずに支出を可視化する事も事も可能だろう。監視社会のようでちょっと嫌だな、という感じはするけれど、見えないものは改善できない。見えて、確認して、良くする。その為に可視化したい。幸いにして僕は起きている時間の全てをデスクトップPCの前で過ごす生活をしているので、端末がどうとか、GPSがどうとか気にする事はない。PCの前でしている事が全てだ。ロギングとの相性が非常に良いタイプの人間である。そんなわけで、ロギングツール作ってずっと使ってる。





スクリーンショットはこんな感じ。
左が統計で、下が拡大で、上がタイムライン。こうして見ると現実は酷い。



ゲームをするともっと酷い。


APM(action per minute)の表示上限は300に設定しているので、ブログを書いてる時は100~400。dota allstarsをプレイしていると250~500になっており、ありえない数字ではないものの少し高すぎるので、誤検出があると思う。おそらくは、マウスクリックをダブルカウントしてしまっている。




僕のロギングという発想はStarCraft/WarCraft3のAPMツールから来ているので、それに近い表示形式。残念ながら現存していない最終バージョンでは、タイムラインをダブルクリックでアイコンをペタして予定と結果を書き込み、下の拡大画面に表示するようにした。これにより、20時間食べる事を忘れて意識が朦朧して初めて気がつくとか、頭が痛すぎて頭痛薬を飲んで15分後に頭が痛すぎて頭痛薬を飲んでしまう、といった事は避けられるようになった。

また、アプリ毎にタグ付けして、タグで色分け表示。さらに表示中のURLと不必要サイトのリストを照らし合わせ、不必要なネットサーフィンをしていた時間と、やむにやまれずウェブブラウザを使っていた時間を分けて可視化出来るようにした。1度でも不必要サイトを閲覧すると前後10分が「余計なことしていた時間」として色分け出来るようにした。



世にあるロギングツールはネタで一発とりあえず出来ました、はいジャーン凄いでしょうで終わってるものばかりで、常用する為の道具としては作られておらず、自作のロギングツールよりも低性能。技術のある人はネタで一発とかではなくて、道具としての使用に耐えうるロギングツールを作って世に出して欲しいとこことかを見て思った。24時間手帳と、ロギングツールを統合したものが欲しいんだ。ライフログではなく、自動でテンプレートを記入してくれる24時間手帳。