春のdota2雑記10題。

1,「いにしえのモダン」 は「それから」に勝る。

 dota allstarsの歴史上最も誉れ高く、最も悪名高い「LGD.sgtyの3 carry」を支えていたのは、前衛三人がmid、solo side、tri laneの全てのレーンでプレイ出来る柔軟性だった。1人のプレイヤーが得意とするヒーローには限りがある。もしもmid担当を固定してしまえば、midに配置するヒーローの選択肢は精々3から5。チームとして取り得る戦略の範囲もそれに従い限られてしまう。

歴史の上では、前衛三人が万能性を持つモダンは敗れ去った。midはmid担当の人、solo sideはsolo side担当の人、という固定化された"それから"が勝利した。その"それから"を象徴するプレイヤーはone man DPSを演じたzsmj、burning、Haoといた人達であり、また、longDD、820、Superといった特殊なsolo midプレイヤーだった。その流れをdota2において決定づけたのは、何を置いてもDendiのあまりの説得力だった。最も良いプレイヤーの最も良いヒーローをmidに置く、それがdota2シーンだった。


今現在、その流れに逆行しているチームは世界中を見渡してもiGとorangeの2チームだけ。そして、iGとorangeはG-1シーズン5のグループAとグループBを、それぞれ首位で突破した。

けれども、他のチームはモダンを演じる事が出来ない。dendiが3人居ればNaViはモダンをやれる。fearが3人居ればEGもモダンを行える。nthもs4が3人居ればモダンをやる。パジャが3人居ればLGD.intだってモダンを貫く。全幅の信頼を寄せられる一流の万能前衛プレイヤーを3人揃えるというのは、簡単な事ではない。多くのチームにとって、トータルフットボールは卓上の空論だ。



2,崩れなかった中国3強。

LGD、DK共に、グループリーグ最終節に負けたらグループリーグ敗退、というところまで追い詰められていた。けれども、2チームとも最終節を勝ち、プレイオフも勝ち抜いてLAN決勝へと進出。dota allstarsシーン末期から続いたiG、DK、LGDの中国3強は今日も崩れなかった。

LGDはsolo midのxiao8を後衛に回した上で、かつてコントロール型solo midプレイヤーの頂点に立っていたlongDDをDKから獲得。後衛にxiao8とlongDDが控えるという豪華な布陣を実現し、zenithに完勝。


longDDを失ったDKはその影響から崩れるも、プレイオフでは完全に復活してLGD.int戦、zeniuth戦共に2-0で1本も落とさずにLAN決勝進出。「silences critics」 と痛快な速報。iG、DK、LGD、そしてorange。シーズン4の4強がそのまま素直に勝ち残った。




3,LGD.intの暗い未来。

米、露、加、スウェーデンにデンマークという5ヶ国から人を集め、衝撃のデビューから安定して勝ち続け、中国4強の地位を不動の物としたLGD.intだけれど、遂に息切れ。パジャ頼みの塔割り戦略は相手に知れ渡り、対LGD.int戦略を用意されてしまっている。その対応策を突破する為にさらにリスキーな一点張りの特化戦略へと傾倒して破綻してゆく。

中国在住の国際チームであるが故に、メンバー変更の可能性が見えず、LGD.intの未来は暗い。明らかに力不足のbrax。10分までは素晴しいが15分過ぎればただの人のGod。ミクロで劣る1437。劣勢になってモチベを失うとみじゃぁぁああありぃいいいへと輪廻するミザリー。中国4強で満足するならこのメンバーでも可能だけれど、頂上への道はあまりに険しい。


 
4, dota2シーンに踊るjapanの5文字。

zenithのxy-は家族旅行で日本に行ってプレイオフ欠場。グループリーグでは完勝したDK相手にも完敗し、zenithは敗退。「xy-のエゴが肥大化するのを止める為に俺達は一丸となって勝ち上がる」と語っていたiceiceiceさん無念。xy-の穴は大きかった。



5, アドミナルブルドッグの本格化。

何をやっても駄目どころか、何も出来なかった伝説のpub stomperアドミナルブルドッグは、日進月歩で強くなり、凡プロにまで進化。未だにpick出来るヒーローが存在しないという致命的すぎる問題を抱えてたりはするけれど、チームの弱点では無くなった。nthはスターラダーシーズン5でウイナーズを勝ち上がり優勝してしまい、欧州ランキング1位。Lodaが欧州最強のチームでcarryだなんて、時代錯誤も良いところ。s4のチームだけど。



6,世界最後のBAKAプレイヤーの最後。

fun1をNaViに引き抜かれてしまったEmpireは代役としてVigossをpick。けれどもvigossはfun1とは違いどこでもなんでも器用に出来る多彩な人ではなく、あの伝説の血みどろビゴス。世界最後のBAKAプレイヤーとしてその名声を欲しいままにしていたスキャンダルさんは、midレーンからside soloへと押し出されてしまい、スキャンダル王朝はここに終焉。現代に蘇った奇跡のBAKA帝国が崩壊してしまった。

そしてオフレーンに行ったスキャンダルさんの絶望的なまでの説得力の無さ。BAKAプレイヤーならぬただのBAK……。BAKAプレイヤーっていうのは、威力偵察でずかずか歩いて追いかけて、BAKABAKA殴って見敵必殺、全部やっつけちゃうプレイヤー。真のBAKAプレイヤーは、超人的なlast hit力と正確なaiming、極めて低い警戒心と、過剰な自信、卓越した状況判断力とselfish、10人中1位のプレイヤースキルを併せ持つ。

歴史上でもBAKAプレイヤーとして成功したBAKAプレイヤーは、vigoss、Loda、AZEN、PplaymatE、Mushi、KuroKy、dendi、スキャンダルくらいしか例がない。今現在では、自信過剰にずかずか歩いて見敵必殺BAKABAKA殴るなんてナンセンスな事をやっていたのは、世界中でスキャンダルさんただ1人だけだった。

Empireはスキャンダルさんが成長してBAKAプレイヤーから脱却し、プレイスタイルを変更した上で成熟するのを待つよりも、スキャンダルをmidに戻して再びBAKAプレイヤーをさせた方が、強くなると思うんだけれど……。



7,ファイナルフォームNaViの惨状。

問題点1、KuroKyが乗るヒーローが居ない。
問題点2、fun1が乗るヒーローが居ない。

なんの為の補強だったのかと吹き出してしまう迷走NaVi。pickによってはkurokyを前で使った方が強いと思うんだけれど、そこまでの柔軟性は今のNaViにない。KuroKyの傲慢さも「俺は世界最高の後衛プレイヤーだ」という方向へ向かってしまっている。ファイナルフォームNaViへの批評が許されるのは、まだまだ先の話。練習頑張って、実戦も数をこなして、スタートラインについてから。




8,zsmj is back。

zsmjがviciのチーム1で現役復帰。G-1のシーズン5の予選にはvici 2として登録してたんだけれど、 チームがzsmj1人+スタンドイン4人、というメンバーだったので参加が認められなかった。結局zsmjはそのままviciのチーム1に加入。vici は傑物xttを抱えている事もあり、中国四強が現実的なものに。solo mid担当に移行したCtyのpick幅の狭さと立ち回りの弱さが最大の課題。



9,sharky現役復帰。

MUFCで現役復帰。アジア最高の万能タイプが帰ってきた。パフォーマンスが戻るかどうか。



10,G-1欧州予選がもうすぐ。
NaViとnthが同じ山なのでどちらかが消える。
それまでにNaViの調整が間に合うかどうか。
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注1、LGD.sgtyは正確には"前衛3人がどこでもプレイ出来るチーム" ではなく、"4人がどこでもプレイ出来るチーム"であり、あのyyfが後衛でプレイしたり、zsmjがside soloを演じたりしていた。

一時はiGもアジア最強クラスのsolo midプレイヤーだったChuaNを前衛で使っていたので4人がどこでもプレイ出来るチームだったが、今のChuaNは後衛専門でプレイしている。

注2、"あの伝説の血みどろビゴス"いわゆるV-god。オンラインで最強だったソビエトを象徴するプレイヤーであり、Lodaと同じくらい古い名前。 最初のBAKAプレイヤーであり、dota alllstarsシーン史上最大最強のBAKAプレイヤー。もちろん今のビゴスはBAKAプレイヤーではなく、普通のプレイスタイルを持つプレイヤーです。