アライエンス試合レポートその1。対DK戦。

ジョナサンベルグことLodaがキャリアハイを更新してしまったので、試合のレポートを書いておく。


※この文章はグランドファイナル前に書かれ、グランドファイナル後に校正されたものです。グランドファイナル前に全試合のレポートを書いて投稿するつもりが4試合目(LGD戦)を書いてる途中に力尽きました。







☆ここまでのあらすじ


ずば抜けた輝きを放ち、欧州シーンはおろか、dota allstarsシーン、いやシーンどころかdota allstarsそのもののアイコンにまでなったLoda。けれども、時の流れは残酷だった。自身の相対的弱体化と、kurokyという異次元の鬼才による欧州シーン完全制覇、さらにはシーンの衰退に伴うスポンサーの降板などが重なり、モチベーションを失ったLodaはインアクティブになってしまう。

しかし、古いdota仲間に「勝てる面子、賞金稼げる面子を集めたから」と誘われてアマチュアチームですぐに復帰。そこにはスウェーデン最高の才能パジャキャット、デンマークが誇る最強コンビmiGGel+AngeL、スカンジナヴィア最高のside soloとして鳴らしたミラケルなど、かつてはKuroKyと組んでLodaを叩きのめした最強の面子が揃っていた。

一方のkurokyはその才能を買われて世界中のチームに参加し続けるも、「ドイツ語話者のイラン系ドイツ人」という出自が故に放浪に次ぐ放浪と離合集散を繰り返し、その度に彼のチームは弱体化。KurokyチームとLodaチームの力量差は歴然だった。それでもkurokyは孤軍奮闘し、Lodaを首の皮一枚まで追い詰めるが、チーム力に物を言わせて凌ぎきったLodaは、ドリームハックウインターの地にて、遂に宿敵KuroKyを討ち果たす。おりから欧州dota allstarsシーンは衰退を通り過ぎて終了。これにて、dota allstarsシーンはLodaによるKuroKy討伐というハッピーエンドを迎える。賞金を稼げなくなったLodaは再び引退。


そんな時、高校のクラスメイトであり、かつてはdota allstarsでもチームメイトだったakkeに誘われて、HoNというdota alllstarsコピーゲーで賞金を稼ぐべく現役復帰。modであるが故に開発会社も課金システムも存在しない無料ゲームのdota allstarsとは違い、HoNは開発会社が大会に賞金を出しており、しかもdota allstarsよりレベルは低く、簡単に稼げるおいしい場所だったのだ。HoN転向時にLodaが言った「ちょっと触ってお金を稼ぐだけだよ」というコメントが袋叩きにあったりするも、さくっと大会で2位になり、さくっと賞金ゲット、有言実行でさくっとHoNから引退。


同時にHoNを引退したakkeと共に、valveが高額賞金を用意したdota2シーンに参戦。Loda is back!。チームメイトに、かつて欧州最高のsolo sideだったミラケル。そしてEGから引き抜いた欧米最高のタレント、pajkatt。パジャキャット来た、これで勝つるとばかりに順風満帆、欧州強豪の地位を固めつつあったが、akkeを捨ててLoda離脱。離脱理由は、シンガポール人の恋人と現地で同棲する為。友より女を選んだと、株を下げる。


シンガポールで加入したzenithでは、全てのゲームで100点満点中55点、見所の無いプレイに終始し、過去の名声貯金で生きる終わった男、また要介護認定のダメ男として、その平凡さを世界に見せ付ける。挙げ句、賞金100万ドルのti2において、zenithはグループリーグ初日最下位。

そのあまりのていたらくにぶち切れたアジアが誇る変態プレイヤーiceiceiceさんが、hyhyからpickerとキャプテンを強奪。そして覚醒。全ゲームinvokerをpickし、全ゲーム無双。一人でチームを5位にまで導き世界は騒然。究極変態男の面目躍如。iceiceiceさんかっこいい。直後、zenithはキャプテン兼pickerだったhyhyがLoLのプロに転向し、dota2からリタイア。それを理由にLodaもスウェーデンに帰国する。




スウェーデンに帰ったLodaは、akkeと共にアマチュアチームに参加。そのチームは、EEというカナダ人がスウェーデン人のs4と共に2人で創設したチームだった。残る一人は欧州最悪のパブスタンパーにして最強の素人。400ゲーム遊んで400ゲーム全てが熊。勝率8割という1ヒーロープレイヤーのアドミナルブルドッグ。そのチームで参加した最初の大会がドリームハックウインター。そして即優勝。即スランプ。

スランプの原因は、アドミナルブルドッグ。熊しか使えないので、100%pick負け。BANされたら詰む。BANされる、詰む、負けるという必敗パターンを繰り返した果てに、「スウェーデン語で意思疎通出来ない」という内紛を起こして、pickerにしてチーム創設者の一人であったカナダ人のEEをkick。

ウェブ上ではレイシストだとか白人至上主義者(EEはアジア系カナダ人)だとか叩かれるも、タイミング良くアドミナルブルドッグが練習と経験により成長し、他のヒーローもアリバイ程度には動かせるようになる。新pickerであるs4の迷いのない素直で真っ直ぐなpickも当たりに当たり、EEをkickした瞬間から勝って勝って勝ちまくる。EEを擁護してLodaを叩いたネチズンどもを結果で黙らせ、大会3連続完全優勝や公式戦10連勝を記録するなどして、欧州最強チームの座を不動のものに。スポンサーも付いてプロ化し、チーム名を「アライエンス」に変更。いざ中国へ。以上、ここまでのあらすじ。#だいたい






対DK戦。

G1の開幕戦。最初の試合。

主催者側がDK対アライエンスを開幕戦に設定した意図は明白。「中国3強で一番弱いチーム」と「欧米で最強のチーム」を戦わせ、アライエンスの立ち位置をはっきりさせようという狙い。アライエンスがDKと互角ならば、アライエンスは中国三強の下位という事になる。勝てばそれ以上。負ければそれ以下。ベンチマークの為のマッチング。そのg1オフラインファイナル開幕戦で、アライエンスはレベル1roshanという一発ネタを敢行する。





DK側のBANはwispとmag。
これは普通の強キャラBAN。

一方のアライエンスは、batとshadow demon。
こちらも、一見すると普通の強キャラBAN。
けれども、これはroshanを狩る為の布石だった。




アライエンスは、TS、熊、beamとpickする。このpickはどこからどう見ても「siegeします、pushします」というpickであり、これによりアライエンスの意図ははっきりする。「中国三強という難敵をpushで破壊する」というゲームプランだ。今現在のdotaシーンでは、アンチプッシュ戦術はプッシュ戦術を上回ってしまっており、基本的に見え見えの「pushします」というpickは弱者の戦術である。アライエンスは、自らを持たざる者と位置づけ、弱者として戦うのだと、誰もが思った。僕も思った。DKの人達も思っただろう。DKは第二BANフェイズの3枠全てを、「プッシュ戦術に適したLoda用carry」に用いる。第一pickフェイズでcarryをpickしていない相手にcarryをBANする、というのは王道。DKは教科書通りのBANをした。アライエンスのBANも、教科書通りのBANだった。ヒーリングワードがアンチプッシュとして機能するジャガーノートと、アンチプッシュの代名詞であるgcとkotl。


ところが、である。これはアライエンスのpickerであり、solo midであり、キャプテンであるs4の罠だった。s4には、pushではない他の狙いがあった。それがroshanだ。一見教科書通りの「アンチプッシュBAN」に見えて、その実は「アンチroshan狩り BAN」だったのだ。roshanに乱入してspinとultを撃てるジャガーノート。遠距離からroshan中の敵を攻撃出来るgcとkotl。そして、第一BANフェイズのbatとsdも振り返って見れば同じく、アンチroshan狩りhero。5つのBAN枠全てを、「教科書通りのBANに見せかけた、アンチroshan狩り BAN」に費やしていたのだ。



DKは持ち時間を全て使い切り、アンチプッシュcarryであるgyroと、visgaeをpick。アライエンスは一切の躊躇なく、omとursaをpick。特に、ラストピックのursaは、1秒も使わずに即pickしており、これにより「プッシュドクトリン」と思われていたアライエンスの狙いが一瞬にして明確になる。ロシャン。それもレベル1ロシャン。ラストピックursaを見て、レベル1ロシャンでないと気がつかない人間は世界中探しても1人も存在しない。

アライエンスがラストピックでursaを即pickした事により、DK側はアライエンスの意図に気がつく。「アンチroshanをゲームから排除する為のBANだったのだ」と。当然、DKはLv1roshanを阻止しに行く。アンチLv1roshanヒーローを欠いているとは言え、相手はroshanと戦闘中。阻止出来る可能性も有るし、たとえroshanを獲られたとしても、1~2killは可能。しかし、アライエンスの一発ネタはただのlv1roshanではなかった。





レベル1で全員が最前線の塔へとテレポート。テレポート遅延を考慮してmidに4人、btmに1人という念の入れよう。アライエンスがroshanに到達する頃、DK側は未だ本陣の中。




移動速度が一番速いnaixが川に到達するより前に、roshanが狩られ、アライエンスは全員がレベル2と半分まで上がる。金差も付く。これでDKのゲームプランはがたがたになる。このテレポートレベル1roshanは、dota allstarsシーンで見た事があるので、初出というわけではない。

これが再発明なのか、記憶を辿って見つけた秘策なのかは、わからない。ただ、アライエンスはドリームハックウインターの決勝戦でも、EG相手に2連敗からの3連勝で逆転しており、そのきっかけとなった1勝が開始早々フリオンをroshanに殺させ、lv1roshanをやっていると思い殺到してきた相手を狩る、という奇策からだった。アライエンスは奇策を、自分達の強みとして用いている。オリジナルであろうと、コピーだろうと、中国三強相手にテレポートlv1roshanを実行したチームは居ない。中国三強まで辿り着き、敵地中国に乗り込み、完全アウェイの場でこれをやったのが凄い。


 
テレポートlv1roshanにより金差、経験値差、そしてaegisと大きなアドバンテージを得たアライエンスは、その優位を用いて快調に立ち上がる。特にその恩恵を被ったのは、熊に乗るアドミナルブルドッグだった。DKのキャプテンであり、現在中国最強のcarryプレイヤーであるバーニングは、アドブル熊との1vs1レーンに赴いた。バーニングは、中国最強熊使いの1人。そのバーニングが熊対gyroの1vs1に赴くという事は、事前のトレーニングにより、熊を捌ききれるという確信があったのだろう。だからこそアライエンスに熊を渡したし、熊と1vs1レーンを戦う前提でgyroをpickした。

しかしながら、熊が先にレベル5になってしまい万事休す。熊がレベル5になった瞬間に、熊と1on1をプレイ出来るヒーローは消える。lv1roshanの経験値により、DK側がレベルの上がった熊を押さえ込む為の挙動を行う前に熊がlv5になってしまい、バーニングはアドミナルブルドッグにfbを取られてしまう。乾坤一擲の奇策、いや入念に練り上げられたノーリスクの安全でセーフティな盤石の奇策が、神手中の神手であるバーニングと、所詮は最強の素人でしかないアドミナルブルドッグの力関係を完全に狂わせてしまった。



アライエンスはlodaの凡庸なプレイや、団体行動の稚拙さから、キルデスで五分に持ち込まれるなど多少もたつくも、10分後のゲーム時間9分10秒に再沸きしたroshanを待ち構えて即狩り。そのaegisを用いてpushすると、完全に狙われて刺し殺されたバーニングがたまらずbuy backし、600gold程度を失う。金を稼がなければいけない大切な大切なバーニングの頓死とbuy backにより、アライエンスの有利がここで始めて明確になる。勝負は次のroshan沸き。次のroshanをもし取られれば、DKは極めて厳しくなる。


果たして、19分20秒にroshanが湧くと、そこにはアライエンスではなくDKが陣取っている。金差も経験値差も得て、優位に立っているはずのアライエンスはその排除に躓き、roshanを何度か試みるも、その度にとん挫してしまう。お互いにkillを取り合い、両チームがroshanの周囲に陣取りながら、痛み分けのkillトレードと硬直、相手の顔色を伺いながらのお見合いが3分も続く。そして、迎えた22分20秒。相手のサポートrubickを殺した事をきっかけに、アライエンスはワードをこれでもかと散蒔き、無理矢理roshanを狩りに行く。





その際の布陣。

DK側は殺された後衛が少し離れた位置に居るが、アライエンス側はroshan狩りの最中なので、roshanがDKに味方する。後衛が遅れても実質5対5、後衛が到着すれば6対5になる。さらに、DKの前衛2人がアライエンスの後衛(斥候)を捕らえている。射程1000内を全員同時に殴れる最強範囲DPSのgyroも、前衛の後ろ、後衛に守られる位置におり、陣形は非常に良い。




ところが、 Lodaがバーニングのultを回避して、敵後衛とバーニングの間にblink daggerで飛び込み、スキル1でslowをかけてダメージも取る。blink daggerは敵から攻撃されると3秒間発動不可能になる。その3秒間の無効化は、roshanの攻撃でも発生してしまう。

Lodaは、攻撃モーションに入ったroshanの殴り攻撃と、バーニングの放ったultをコンマ一秒以下、僅か数フレーム差で回避して、敵後衛とレンジDPSの間に飛び入った。この一世一代のblink inで、戦況は一変する。






Lodaのursaはゲーム中屈指のDPS。そのursaが後衛に飛び込んだ事により、DKの前衛2人は反転を余儀なくされる。ursaは速攻潰す。これはdotaの鉄則だ。そうせざるを得ないヒーローなのだ。Loda目掛けて殺到したDKの前衛2名を含む計4名は、Lodaをどうにか溶かしきり、Lodaの排除に成功。DK側は全員生存。少し離れた位置に居たサポートが到着すれば5対4になり、卓上の計算ではDKが有利になるはずだった。






けれども、全てのアクティブスキルをLodaに対して使い切り、一刻も早く溶かす為に0距離でLodaを強引に殴っていたDKの4人は、狭い空間に密集してしまっており、アライエンスの範囲スキルを連続で喰らい、瞬く間に主力の前衛2人が蒸発、残る2人も為す術無く狩られて全滅。一方のアライエンスはLodaを犠牲にした甲斐あって、4人が生存しており、Lodaはbuy backしてroshanを狩り、aegisを拾い、DK逆転勝利の可能性はこの時点で完全に失われた。




ファイナルスコア。このゲームにおいて、Lodaが良いプレイをしたのはblink前後の3秒だけ。roshanの攻撃を下がって避けると同時に、バーニングのultをも紙一重のタイミングで回避し、blink inから相手のtankであるドラゴンナイトを的確に狙って削り、全てのアクティブスキルを放出させた上で死亡。45分33秒のゲームで、たった3秒の良いプレイが最も重要な局面で出た。


アライエンス側の勝因は、一にも二にもテレポートlv1roshan。
そして、全員が良いプレイをしたこと。Lodaも大事な局面で仕事をした。
作戦目標を持ち、その実現に向けて一致団結し、見事に実行した素直な一勝。





DK視点で見ると、話は変わる。
DK側から見れば、この1敗は素直な1敗ではない。
敗因は複数存在しており、全てが込み入っている。



◆補強の失敗 

DK最大の弱点は、solo midの弱さだ。DKはその弱点を埋める為にメンバーを入れ替え続けたが補強は全て失敗に終わった。今現在solo midをプレイしているのは最古参のsuperという、平凡なsolo mid能力しか持たないプレイヤー。相手が良プレイヤーならば、確実にレーン負けする。10分以降も説得力が無い。kingJ、longDD、YaphetSと、solo midをやれるプレイヤーを何人も獲得したが、全員結果が出なかった。

特に痛恨だったのは、当時世界最強のsfプレイヤーと目されていたYaphetS(aka PIS)が全く機能せず、遂にはモチベを失い引退してしまった事だろう。YapehtSで駄目なら誰を獲ればいいんだと、DKのマネージャーは頭を抱えたに違いない。

DKはメンバー構成の時点でアライエンスに敗れていた。アライエンスはスカンジナヴィア最高のsolo midプレイヤーであるs4が、カナダ人のEEと2人で創設したチームだ。それに際し、欧州最悪のパブスタンパーを加入させ、さらにakke+Lodaという確かな競技力を持つ2人の獲得に成功した。当時のアドミナルブルドッグは競技力の有るプレイヤーではなかったが、獲得可能なスウェーデン人という縛りの中では、最高のメンバーを集めた。

おまけにpickerであったEEをkickし、素晴しいサポートプレイヤーであるEGMを長い長い試用期間を経て加入させた。新pickerであるs4は、狡猾さとメタ戦を前面に押し出したEEのpick方針を180度転換し、素直なpickを実直に継続する事で、チームを立て直した。将来の成長を前提として獲られたアドミナルブルドッグはその期待に応えて、弱点では無いという程度にまでは成長した。アライエンスは、全てのポジションにおいて補強が成功した。一方のDKは全ての補強が失敗に終わり、最古参が説得力の無いsolo midをプレイし続けている。勝負はストーブリーグでついていた。



このような視点でゲームを観戦する事は、正しくないとお考えの人も居られると思う。その対戦の中で生じた現象のみを見て評価すべきだと考える向きもあるだろう。けれどもある時期からのdota allstarsシーンは、5対5のビデオゲーム対戦ではない。ごく普通のチームスポーツである。
 
スポンサーを獲得する為の営業能力。トレーニングベースとなる部屋を賃貸し、構築する運営能力。円滑な人間関係と信頼関係を作り上げるキャプテンの人徳。練習相手を確保するために必要なコミニケーション能力。そして何よりも、誰を獲得し、誰を切るかというマネージャーの手腕。他のプロスポーツと同じように、チームのフロントの能力が結果に直結するのがdotaである。

このゲームにおいてはlv1roshanと9分20秒の2nd roshanの比重が大きかったので、致命的な敗因として浮上こそしなかったものの、アライエンスのsolo midであるs4と、DKのsolo midであるsuperの実力差は歴然としていた。


補強に成功したチームが勝った。
補強に失敗したチームが負けた。




◆新戦略の失敗


DKはこの大会、gyroに全てを賭けてきた。バーニングは本来gyroプレイヤーではないが、gyroを仕上げてきた。確かに、グループリーグでDKが挙げた2勝は共にgyroで得たものだ。DKがグループリーグを突破出来たのは、gyroのおかげ。それでも、バーニングはgyroプレイヤーではない。

アライエンス戦での手痛い敗北を経て、立ち回りとポジショニングは修正されて行くのだが、大会の開幕戦であったこの段階では、実戦経験が足りていなかった。もしも対アライエンス戦が初戦ではなく、経験を積んだ上での事だったならば、展開は変わっていただろう。

バーニングはgyroに相応しくないポジショニングを取り、2度も変な殺され方をして2度buy back。大量のgoldを失った。不慣れな新ヒーローによる新戦略の導入により、バーニングという神手中の神手を浪費してしまった。


新戦略を導入するも実戦経験が足りずに負けるのは、どのチームにもあるパターンだ。 記憶に新しいところでは、LGDはplをpickしてMRに負け、plをpickして負け、plをpickしてMRに負け、それでもplをpickしてMRに負けて沈んだ。今大会ではiGが新サポートを試みて崩壊し、グループリーグで敗退した。


一方で、現在のアライエンスは「新戦略を導入するが負ける」という敗北を知らない。何故ならば、EE kick後のアライエンスには、新戦略など存在しないからだ。アライエンスの戦略は1つ。たった1つだけ。全てのゲームで全く同じ事しかやらない。Lodaがファームして勝つ。その1パターンだけだ。他のパターンは存在しない。pickも同じ。ワンパターンなpickだ。

アドミナルブルドッグという1ヒーローしか使えない最強の素人と、Lodaというストロングポイントの限られた取り回しの悪いプレイヤーを抱えているが故に、融通が利かない。故にシンプルにファームする。だから単純にファームする。同じpick、同じ配置、同じ布陣でファームする。毎回同じことを繰り返す。アライエンスに新戦略は無い。

DKは、「対アライエンス」というpick&BANではなく、「練習し、仕上げてきた新戦略」のpick&BANを行った。gyro、visage、3 carry。練習通りにやれば勝てる相手だ。所詮はレベルの低い欧米のチームだ。鳥居ぬ島の蝙蝠だと、普段着のまま、自然体でプレイした。練習した事を素直にやろうとした。練習通りやれば勝てる相手だ。弱小チーム相手に対策なんて、たかがパブスタンパー相手に対策なんて、という驕りがあったと思う。DKは内容ではなく、強者の驕りで敗れた。

DKは練習したことを素直に実行したが、それはアライエンスの側も同じだ。アライエンスも計画し、練習した事を素直にやった。gyro、visage、3 carryと、テレポートlv1roshan。どちらの戦略が優秀だったかは、結果を見れば明らかだ。DKはプレイング以前に、頭脳戦で負けた。会場入りするも随分前に、寝室で既に負けていた。


◆visageのレベル上げ失敗

ゲーム内にも敗因はある。最大の敗因はvisageのレベル上げに失敗したことだ。現在の中国シーンではvisageが猛威を振っている。キルデス10近くある。DKが挙げた2勝において、visageは8-3-13と、13-3-8というスコアを叩きだしている。iG.ChuaNが対DK戦で用いたvisageなどは、13-0-18だ。

中国における現在のvisageは、ゲームをdestroyする事の出来る最強のサポートなのだ。ところが、DKはroshanアドバンテージによりtri laneで敗れてしまい、visageのレベルを挙げ損なう。見えてる相手に歩いて殺されるという不必要なkillを献上してしまった事もあって、visageがレベル6になったのは、なんと16分ちょうど。nukerとしての強みも活かせず、ultによるスカウトも出来ず、ダメージも稼げず、実質4対6のゲームになってしまっていた。

もしもDKがコミニケーション不全に陥っていなければ、「経験値を分けてくれ」と発言する事により、無理矢理visageのレベルを上げただろう。ところが、肝心要のtri laneで失敗してしまったvisageは意気消沈してしまい、何もせずに右往左往するだけだった。誰か1人でも「visageに経験値を」と声を出せていたら、展開は違っていただろう。

DKはプレイングではなく、声出しで負けていた。
喋れない。喋らない。だから負けたのだ。
 

◆9分10秒roshan再沸き時の甘え

アライエンスのpickはroshanを狩る為のpickだ。

9分10秒のroshan再沸きも、アライエンスは必ず即狩りをしてくる。そんな事は、誰だってわかっていた。ところが、そのroshan再沸き時に、DKはイリュージョンを配置しただけで満足してしまう。

アライエンスは、smokeを使ってイリュージョンの目の前でroshanの再沸きを待ち、roshanを狩ってaegisと金と経験値。置きイリュージョン斥候は、smokeの前では無意味だ。これは、DK側の完全な甘えだった。この反省から19分の再沸き時にはroshan前に布陣を整えていたが、それを9分の段階でやっていれば、展開は変わっていただろう。(ただし、9分のvisageはレベル4とかで戦力にならないので、厳しい事には違いない。)


◆コミニケーション不全

なぜDKはvisageのレベルを上げ損なったのだろうか?
どうして誰1人として、9分10秒のsmokeに気がつかなかったのだろう?

visageのレベル上げも、roshan再沸き対策も、プレイング面でのミスではなかった。考えて、意見を交換し、チーム内での意思疎通をきちん と行っていれば、避けられた事態だ。誰か1人くらいは、smoke即roshanに思い当たる。誰か1人くらいは、visageのレベルを上げようと提案 する。

けれどもDKは意気消沈し、死者の行列のように右往左往し、腐った鮪のようにして負けた。DKはプレイでミスを犯すよりも前に、コミニケーションでミスを犯し、コミニケーションで負けていた。戦わずして負けていたのだ。どうしてそんな事が起こったのだろうか。





DKのrotkは、中国最悪のバッドマナープレイヤーとして有名な人だ。

上の画像のfuck youは、ネタだから許されるという自作の免罪符に基づきやっているのだが、ネタだから何を言っても許されるというわけではない。それに、rotkはネタどうこうではなく、事実としてそういう人物だ。粗暴で、マナーが悪く、協調性が無い。チームメイトを言葉と態度で威圧し、自らの意見を押し通す。相手も煽る。罵る。罵倒する。

そういう人間がチーム内に居ると、チーム内の人間関係は機能不全に陥ってしまう。DKというチームでは、キャプテンであり、最も上手いプレイヤーであり、古参であるバーニングよりも、ただのsolo sideプレイヤーにすぎないrotkの方が大きな発言権を持っている。 その発言権は、プレイングの説得力や、お互いの信頼関係、あるいは研究熱心さによって作られたものではない。チームメイトを怒鳴り散らして作り上げられた発言力だ。粗暴で、抑圧的で、他者を支配下に置いてコントロールしようとするrotkという人物の人間性、立居振舞によって生み出されたものだ。


DKは立ち上がりに失敗した後に、「ああまたrotkがぶち切れるな」という"うんざり感"を全面に漂わせたプレイに終始した。コミニケーションによる戦局改善、意見交換による戦局改善という傾向が、全く見て取れなかった。全員が押し黙って、うんざりしながら、そして同時に怯えながらプレイしていたように見えた。





 アライエンスがEEをkickしてまで作り上げた単一言語の仲良しクラブは、コミニケーションでは圧倒的な強さを誇る。最強のプレイヤーでありpickerであるs4はその強さが故に発言権を決して失わないし、Lodaとakkeは元クラスメイトであり、どれだけ酷いプレイをしても、2人組みであるが故の発言権を維持出来る。この3人が中心となり、誰もが考え、誰もが発言出来る空間が出来ているように見える。あくまでも、外からプレイを見る限りなので、ただの想像にすぎないけれど。DK戦でも飛び出したLodaの酷すぎる立ち回りは即座に狩られてfeedした後に完全に修正され、中国滞在中は二度と同じような立ち回りをしなかった。

DKが犯した2つの失敗は、共にコミニケーションによって回避可能なものだった。visageのレベル上げと、9分10秒のroshan再沸き。共に、意思疎通が出来ていれば、意見交換が出来ていれば回避可能な事態だった。

DKがkickして、入れ替えるべきだったプレイヤーは誰だったのか。DKは、多くのプレイヤーを入れ替えてきた。けれども、rotkは残した。スキルという点では決して駄目なプレイヤーではないが、本当にDKがkickするべきだったプレイヤーは、rotkだったはずだ。残すべき人を蹴り、蹴るべき人を残したチームが負けた。

dotaにおいて最も重要なのは円滑な人間関係と、コミニケーション能力なのだ。そこにrotkという爆弾を抱え、そのrotkを管理せず、粗暴な振る舞いを許しているDKというチームが、安定した成功を得られる可能性はほとんど無い。この1敗はDKにとって、とても自然な敗北だったと思う。





☆ここまでのあらすじ

頭の中では全ゲーム書き上がっているので、必要ならば各自適当に持って行って読んで。もう疲れた。