梅雨時のdota2十題。

1,アライエンスの中国制覇。
かつてのKuroKyをもってしても不可能だった、敵地における戴冠を成し遂げてしまったアライエンス。最も残念だったのはグループリーグが1本先取形式だった事だけれど、決勝では2本先取でLGDに勝ち、さらに無敗優勝となれば、言葉を挟む余地はない。全員が独自の優れた仕事を果たす、歴史に残る名チーム。carry全員超強化というここ数年の調整も、Lodaに吉と出た。


2,中国の観客。
The Internationalにおける場違いな「china」コールや、不必要に五星紅旗をカメラに向かって振りかざすなどの行為から、dota2における 中国人観客には良い印象が無かったのだけれど、 g1ファイナルの観客は素晴しかった。iGを倒したLiquidに暖かい歓声を送り、優勝したアライエンスのメンバーが呼ばれる度に拍手を送るなど、とて も暖かい空気。バスケットボール会場という適度な規模の会場は素晴しい箱だったと思うし、無駄に長い瑞典と米国の国歌を全員に起立して迎えさせるなどの運 営側の対応も良かったと思う。グランドファイナルで盛り上がりを欠いてしまったのは残念だったけれど、こればかりはLGDが為す術もなく完敗してしまった ので仕方のないことだった。



3,ドラマを回収したzsmj。
アジア十強によるスーパーリーグの開幕戦において、運営が仕掛けたマッチングは「LGD対zsmj」。

かつてLGDにて一時代を築くどころか、数時代に渡ってシーンの主役を務めたzsmj。けれどもチームメイト4人がiGに引き抜かれてしまい、キャプテン兼picker兼マネージャーとして1人LGDに残留するも、全く結果が伴わず無惨に負け続け、モチベを失い引退してしまう。zsmjの代役として、zsmjよりも遙かに劣るsylerを入団させたLGDは、その瞬間から謎の快進撃を遂げ、「僕等が崇め奉ってきたzsmjって一体なんだったんだろう、、、。」と、誰もを切ない気持ちにさせてしまった。

そんなzsmjが、遂にLGDと相見える。その記念すべき試合において、zsmjはsylの熊相手に不利なレーン戦を凌ぎきり、さらには集団戦でLGDの要であるyaoさんを完璧に押さえ込むなど、困難なタスクを見事にこなし、viciはLGDに2-0で完勝。あとは再び頂点を目指すだけ、という情勢だったものの、チームはグループリーグ2勝2敗でiGと並んでしまい、僅かな差で予選敗退。 頂は遠い。
 

4,LGDに惜敗するvici。
The International3の予選においてviciは、LGDに惜敗。最大の敗因はpickerの不在。「あきらかにものが違うプレイヤーである」というだけの理由でCty少年がpikcerを務めているviciはpickが凄まじく脆い。傑物xttをbatに乗せて浪費したのは完全な間違いだったと思う。xttのbatは見てて僕がコーチングしてあげたくなるレベルだった。


5,シアトルへの夢潰えるvici。
世界一の才能であると、今や誰もが認めるところとなった忿怒神手Ctyを擁するvici。Cty少年は、The International3最大の注目人物になるはずだった。けれども、僅か一週間前に完勝していた相手にまさかの番狂わせを演じ、シアトル行きの切符を逃す。アライエンスがアドミナルブルドッグの熊でLGDに完勝してしまった影響から、zsmjにひたすら熊をpickし続けるという残念なpick。zsmjは熊に最適化されたプレイヤーではなく、このチームならば熊はxttが担当すべきだろう。

1-1で迎えた最終ゲーム、敗因がCtyだったのが僅かな救い。Ctyで負けたなら仕方がない。誰も彼を責めることは出来ない。



6,iGの連勝止まる。
 今年に入って無敗だったiGは、スーパーリーグで新生TongFuに2-0で敗れて遂に連勝が止まる。Haoという、一時は中国最強と目されていたcarryプレイヤーを抱えるTongFuはkingJとbananaを加入させて往年の強さを取り戻しつつあり、内容でも結果でも、中国三強に迫っている。最大の弱点はside soloを務めるkingJの絶望的な細さ。


7,LGD.intに待望の新戦力。その名はミザリー。
露、米、加、スウェーデンにデンマークという5ヶ国から人を集めた中国チームという特殊事情から、新戦力の獲得が望めず、 手詰まり感があったLGD.int。しかし、遂に待望の新戦力。その名はミザリー。

かつて「(ミザリー)1人で勝利し、(ミザリーを除いた)4人で負ける」 という希代のBAKAプレイヤーであり、「チームの利益よりも自分の利益、チームの勝利よりも自分の快楽」という酷いプレイヤーだったミザリーは、KuroKyとの出会い、パジャキャットとの出会い、Lodaとの出会い、fearとの出会いなどを経て、まんまるなチームプレイヤーとして生まれ変わり、LGD.intでは後衛を務めていた。

けれども、元を辿ればミザリーはデンマーク屈指のside soloにしてcarryプレイヤー。プレイヤー性能で優れるミザリーを前衛で用いるというチーム改変は、自然な成り行きだった。そこに立ちはだかったのが、人外kyxy the monster擁するアジア一強orange。ミザリーとパジャの甘えを叩き潰してorange快勝。

スーパーリーグのグループBでLGD.intは最終節負ければ予選敗退という危機的な状況に追い込まれた。ここで負ければ中国四強はもはや過去のもの。



7,悲しみのエンパイア。
NaViによるfun1の引き抜きから、低迷、迷走、内紛を経て完全崩壊したエンパイア。王LTHを加入させたり、stand-inを呼びまくるなど、懸命対処療法も全て実らず負けまくり。僅か数ヶ月前は欧州最強チームだったエンパイアは、弱小チームですらない、「その他大勢」というところまで落ちる。奇跡のBAKAプレイヤースキャンダルさんは完全に過去の人。
 
その一方で内紛を起こしてチームを蹴られたgoblackとsilentはフランス人に招かれてti3の予選を勝ち上がりシアトル行きの切符を入手。さらには、Quantic gamingにpickされてまさかのプロ化。完全に明暗が分かれた。



8,大規模パッチ。
大規模パッチがこの時期に当たる。目玉はbottle crowは弱体化だけれど、この程度の調整ではなくならないと思う。望まれていたのはcrowでは水を汲めないという調整だったはず。バランス調整の方も、強キャラが完全放置されたり強化される毎度お馴染みの光景で、ti3に向けて大きな変化は無さそう。


 
9,アジアの地盤沈下。
アジアシーンと欧州シーンは試合数が5倍程度開いてしまっており、アジア勢は実戦の場を欠いている。viciとMUFCが壮絶なグランドファイナルを演じた大会の優勝賞金は僅か500ドルだったりで、中規模のオンライントーナメントが存在しない。それによる影響はフィリピンやインドネシアにおいて特に深刻で、彼らは浮上する場所もきっかけも持たない。dota allstarsがほぼ滅んだ欧米とは違い、
未だにdota allstarsの方がユーザー数が多い地域なので、どうしても勢いを欠いてしまう。シーンが盛り上がらない。 その悪影響は中国勢にも及び、彼らもまた敗戦による経験の蓄積機会を欠いてしまっている。


10,Luoさんシアトルへ。
往年の大スターであり、中国最高のチームリーダーであるLuoさん率いるラットルスネークがviciを倒し、シアトル行きの切符を手にした。大好きLuoさんは大好きだから喜ぶべきことなんだけれど、Cty、zsmj、xttがこの機会を逸したのがあまりにも残念。LGDが招待を取り消されていなければとvalveへの怨みが募るばかり。