一番好きを、一番先に。

好きな女の子が100人居て、百番目に好きな人から順番に告白していくと、君には変な噂が立つ。あの男の人は誰にでも、好きだ好きだって言う不真面目な人だって。百番目に好きな人から順番に告白していくと、どんな恋も実らない。



好きな飲み物が100杯あって、百番目に好きな飲み物から順番に飲んでいくと、僕のお腹はすぐたぷたぷ。蛙みたいなお腹になって、あっという間に息も吸えない。どんなに好きだった飲み物も、決して喉を通らない。



好きな仕事が100個あって、百番目に好きな仕事から働いていくと、あっという間におじいさん。好きと言えば好きなんだけど、そんなに好きでも無い仕事を、短い期間で梯子してると、何一つものにはならない。小さな成果も上げられぬまま、無闇に転職繰り返し、なんでもすぐ投げる男の出来上がり。



好きなゲームが100本あって、百番目に好きなゲームから遊んでいくと、僕の人生はすり減って行く。十何本か遊んだ頃には、人生はお手軽に破綻して、ゲームどころじゃなくなっちまう。どんな素晴しいゲームであっても、もう心には響かない。



好きな男の人が100人居て、百番目に好きな人から順番にキスしていくと、誰にでも跨るあばずれ女の出来上がり。まともな男は見向きもせずに逃げていくし、誰も真剣にはなってくれない。誰かに都合の良いだけの、虚ろな人生が待っている。






好きなものが100個あるなら、一番好きからはじめるのがいい。
自分がとても、ほんとうに、最高に好きなものからするのがいい。


一番好きなものに近づいて、何かが壊れて傷つくのが怖いとか、そんな無駄な心配をして、あんまり好きじゃないものから順に、自分の心を試していると、見えないところで心がすり減る。どこがで何かが駄目になってゆく。一番好きを、一番先に。一番好きを、まずはじめに。











好きな人がどこにもいなくて。
食べたいものが一つもなくて。
幸せにしたい人も1人もいなくて。
行きたい場所も思い浮かばない。