何かがうまくいかないと、うまくいくよう努力する。誰だってそう。みんなそう。僕だってそう。うまくいかないことが、1つの間はそれでいい。うまく歌えないなら歌の練習をすればいいし、うまく笑えないなら笑う練習をすればいい。最初の頃人生ってのは単純で、何が上手くいっていないのかがすぐにわかった。やがて希望とか夢とか向上心とか、そういったものに寂しさや心苦しさが絡まって、毎日は複雑になっていった。今では何が上手くいっていないのか、何を努力すれば何が解決するのか、そういったものがまったく見えない。解決の糸筋は無く、全てが徒労に飲み込まれていく。突然シベリアを黒く染めると言い出す自分に対して、それは間違っていると指摘することも出来ないし、それどころかシベリアを黒く住めれば全てが解決するのではないかという幻想を捨て去ることも出来ない。そしてそれは幻想ではなく、本当のことのように思えてならない。無念シベリアは広くて白い。