南の島へ

たとえば眠ったところで、この人生は僅かなりとも改善されない。それがわかっているので、眠る気力が湧いてこない。かと言って起き続けていると頭が腫れて耳が鳴る。優しい言葉を最後に聞いたのはいつの日だったのか思い出せない。順当な言葉で罵られるあらゆる声が今も心に蘇る。より酷いのは罵られることもなしに消えていった愚かな日。褒められることも、けなされることも、罵られることも恐れて、ただ目を開き、耳を閉じ、冷たくなった指に触れる。南の島の海底に住む立って泳ぐ魚のようにまぶしすぎる世界から瞼を守ろうと今日も四指が宙を舞う。