もっと酷いのはDKで、Luoさんのlycanって勝率100%だったわけですよ。一度も負けてない。全部勝ってる。そんなヒーローをグランドファイナルの場で相手にpickさせてみるテストとかやってるわけ。ふざけんなっつーの。まじで。金払ってチケット買ってプラクティス見せられてるだけ。ありえないでしょう。グランドファイナルでプラクティス。実戦練習。もう一度言うけれど、ふざけんなーっつの。マジで。勝率100%でっせ、勝率100%。グランドファイナルで、それを相手に渡してみるテスト。
で、DKはlycanを相手に渡してinvokerとbatを取るテストをグランドファイナルでプラクティスして、負けて、iGが優勝して、で?そんなもん見ておもろい?盛り上がる?そんなもん見て心動きますか?乗れますか?どうやって?無理でしょう。
たとえばempireにはレソリューションっつー凄いinvoker使いが居て、magっつー凄いcaptain batが居て、silentはlycanで勝ちまくってる。あるいはmouzにはパジャっていうlycanが居て、fataという(欧州レベルでは)超一流のinvokerが居て、mssっていう十分に脅威になり得るbatが居る。naviには言及不要のdendiが居て、第一次帝国をbatで支えたfun1kというbat playerが居て、xboctが居る。DKにも、viciにも、ということで、DKがグランドファイナルでテストした内容は、もの凄い重要な意味を持つテストだった事は確かなわけです。
でも、テストはテスト。
練習は練習。
プラクティスはプラクティス。
真剣勝負じゃないわけです。
そんなもん見て楽しいですか?
そんなもん見て面白いですか?
って話。
あー、僕は無理です。
完全にギブアップ。
で、DKとviciという世界2強は真面目にやらない。
明らかに真面目に勝負してない。
っていうのは、あるんです。
大前提としてあるんですが、じゃあ、じゃあ、じゃあ、真面目に勝ちに来てないDKとviciに勝てるチームがありますかっていうと、無い。無いです。唯一iGが勝っただけ。並大抵のチームが勝てる相手ではありません。
ということで、1勝5億の大会が控えているなかで行われた、1勝100万円の大会というのはDKやviciにとって、野試合レベルのプライオリティしかなかった事は明白なのですが、じゃあ、じゃあ、じゃあ、DKとviciに勝てますかっていうと、勝てないんですね。普通は勝てない。絶対に勝てない。titanとかarrowとかfnaticとか、可能性0。EGはそこに勝っちゃったんです。これ、ありえない。ありえない。
EGの一番何が結果に繋がったかというと、masonという役に立たないプレイヤーを運用する方法を見つけていた(あるいは大会中に見つけた)ということです。masonは明らかに実力が劣るプレイヤーで、トッププロとしてのクオリティはありません。けれども、このところ常にEGのスタンドインとしてプレイしていたenvyは本番では使えません。
そして、EGにとって一番の望みであったfearの復帰も、医者からのプレイ時間制限と調整不足を理由にfear本人が非参加を決断した事で、消えてしまいました。それによってEGは、役に立たない二流プレイヤーであるmasonをcarryとして用いたままでti4を戦わざるを得ないという非常に深刻な問題が浮上していたのです。
ではEGがこの大会でmasonをどのように扱ったかというと、それは「masonを計算に入れない」という扱いでした。masonはどっか余所でファームをしてる、残りの4人は一致団結してアーテジーを信じつつ、真面目にプレイするという戦略。
で、で、で。
歴史を遡ると、まったく同じ手法で成功したチームが存在してるんです。それがzsmj離脱後のLGD。LGDはiGによる4人の引き抜きを経て、zsmjだけがチームに残り、zsmj、xiao8、yao、dd、ddcという構成でプレイしたのですが、まったく結果が出ず、世界を代表する名手だったzsmjはモチベーションクライシスを起こして引退してしまいます。そして、zsmjの代わりにLGDに加入したのが、全ての能力が低く、競技レベルでは全く役に立たないど素人。それが、3年後には世界最強のcarry playerにまで成長する事になるsylarです。
LGDはここで終わるはずだったんです。完全に終了して弱小チームになるはずだったんです。ところが、LGDは全く役に立たないsylarを運用する方法を発見します。それが、4人のプレイヤーが敵チームと真面目に戦い、残る1人のsylarはどっか余所でのんびりファームしてるという、carry player放置戦略でした。見る者が「これで勝っちゃっていいのかなぁ・・・」と首を傾げてしまうのが当時のLGDであり、LGDの微妙な、それでいて確実性をもった確かな強さ、そして現在のLGDに直で繋がるLGDの完全復活だったのです。
全く同じ事をEGはしたのです。
masonは劣っている。劣っているmasonは小規模遭遇戦において信用できない。第一塔攻防戦で信用できない。細かい立ち回りの判断力、tpのタイミングの判断力で信用できない。アイテムが揃っていない段階での集団戦では信用できない。じゃあどうする、もう来ないで、いいから余所でfarmだけしてて、というのがEGのmasonの扱いであり、それが対fnatic戦以降は負けゲームも含めて全てのゲームで完璧にハマってるんです。もちろん、成功せずに負けてしまったゲームもあるんですが、「EGの最高の戦略はmason放置なんだ」と納得できるだけの確かさがそこにはありました。
EGはよっぽどの事が無い限り、masonを呼びません。基本的には4人で守り、4人でプレイし、4人で戦い、よっぽどの事があってもmasonを呼ばずに遅延防御だけで後退したりするんです。carryプレイヤーが集団戦に参戦しなければ当然不利にはなるんですが、4人対5人の戦力差は僅かに25%。中盤の頭くらいまでは、当たり方に神経を使えば決定的な差にはならないという事を、既にLGDが何年も前に証明済みなわけです。EGはそれを綺麗になぞった、完璧になぞった、5人全員が居なくなるという異常事態から立ち直ったLGDを現代に蘇らせてしまったのです。
で、まあmasonはゲーム展開を無視してfarmを続けるわけですから、35分後には相当なアイテムを揃えている。もしもEGがmasonを除く4v5で互角以上の結果を残していたならば、のんびり遠くでローリスクfamringを続けていた、保険としてのmasonのアイテムアドバンテージで相手に逆転を許さない。序盤中盤の4v5でかなりの負けを喫したとしても、masonはアイテムがそれなりに揃ってるので、保険としてのmason DPSを用いてとりあえずラストファイト行ってみようかー、という形で最後に1度2度、可能性の有る戦いが行えるわけです(こちらの方は今ひとつ成功しませんでしたが)。
グループステージのEGはmasonを普通のプレイヤーとして扱い、普通の"役に立たないcarry player”、あるいは"いまいち信用できないcarry player"として運用していたんです。ちょうど、iG低迷期のLuoさんと同じような感じ。ところが、トーナメントラウンドに入ってEGは、masonの扱いを完全に変更。「放置要員/保険要員」として運用し、それが完璧に当たり、見事に填まり、fnaticに勝つ、viciに勝つ、DKに勝つ、優勝する、という結果に繋がったのです。もしも「実力の劣るいまいち信用出来ないcarry playerを、工夫を凝らして運用する」という普通のチームが普通にやる事をEGがやっていたならば、普通に負けてたと思うんです。
EGがグループステージとはまったく別のチームへと変貌するターニングポイントとなったのが、fnaticとの第一ゲームでした。masonはここで低クオリティなプレイを連発します。たとえば、ファームレーンからmidにTPして何もせず歩いてファームレーンに帰って行くとか、テレポートする場所を間違えて集団戦に参戦し損ねるとか、ショートカットキー押し間違えて泉で10 sec BKB使ってしまうとか。で、それで勝っちゃうんです。アーテジーとzaiに粘られてfnaticは攻めきれず、くっだらない内容でfnaticが負けるんです。この1ゲームでEGは吹っ切れました。「mason、君は来なくていいからfarmしてて」。そしてその戦略は、前例の無い突拍子も無いおかしな戦略というわけではなく、iG.yとiG.xを崩壊に追い込んだLGDというチームが3年も前に大成功していた戦略だったのです。
masonの運用方法だけではなくて、EGは全部が完璧に当たってたんです。中国シーンが見限ったヒーローとでも言うべきenigmaで最後まで結果を出し切ったzaiとか、enigmaをBANされても存在感を見せたzaiとか、明らかに世界的名手としてのクオリティを持っている内容だったzaiとか。エルダーティタンという、中国では非常に注目されながら、一定レベルで見切りを付けられてしまった性能のヒーローでsylar完璧に潰したり。とにかく全てが当たっていた。
そして本題のアーテジーなんですが、僕の認識では、あれってsydm(現在TongFuに所属)だと思ってました。でもね、本当にね、あの内容はね、sydmじゃ絶対に無理なわけです。はい結論が出ました。アーテジーはsydmじゃありません。じゃあsydmじゃないアーテジーってなんなんでしょう。
で、ああいうプレイヤーを見ると、「ようわ英語が喋れてチームメイトと揉めないスキャンダルさん?」みたいな話になると思うんですが、スキャンダルとアーテジーは全く違う特性のプレイヤーです。スキャンダルさんはレーンの強さとレーンの強さが直に繋がる時間帯に強く依存したタイプのsolo mid playerなんですが、アーテジーはレーンの強さに全く依存していないんです。というか、アーテジーって割とレーン弱い。弱いんですよ。あのプレイスタイルでレーンが強くない。全然強くない。それどころか、どっちかっていうと弱いんじゃないかなって思う事すらある。DKとかODとか、レーンでのインパクトは全然無い。しかもマップセンスも無い。なのにあのプレイスタイル。
あれで勝てるってのはおかしいです。
明らかにおかしい。何かの間違いです。
DKとviciに何かの間違いで勝つのは不可能です。
じゃああああああああああなんなんですかああああああああ!?!?!?
アーテジーってなんなんですか?
ようゎ、sydmじゃなかったんですか?
なんなんでしょうね。あの結果を見てもアーテジーが凄いとは思えないという。まあ、ti3で優勝したチームのcarry playerも全然凄くない人でしたから、凄くないイコール世界的競争力が無いってわけではないという事で。で、文章としての体を成していない勢いで何度でも繰り返しますけれど、DK相手にpaでああいう結果にはならないんです。絶対にならない。絶対無理。ないです。EGのチームワークが良かったとか、士気が高かったとか、DKが疲れてたとか、そういう理由を加味してもああいう結果にはならないと思うんです。なんなんでしょうね!アーテジーって。
まあ、一応あの結果を見て誰を思い出したかっていうと、黎明期のLodaと全盛期のKurokyです。今後の結果如何によっては、loda、kuroky、dendiという3人に並ぶsolo mid playerとして歴史に名を残す可能性がある、というかもう既に王手をかけてしまっている感じ。あのレーンの平凡さ、あのpick プール、あの立ち回りの平凡さ、あのマップセンスの無さで・・・・。
EGに関しては、zaiが凄いってのと、mason放置が完璧にハマったというのと、意思統一がしっかり出来ていたという事しかわからず、何度見てもアーテジーってなんなの、アーテジーってなんだったの、というもやもやが心に残るだけなのでありました。でも、これだけは何度でも繰り返して言いますけれど、paでsolo midやってああいう結果には絶対にならないです。それを2度ならず3度も繰り返してしまう謎。謎の男アーテジー。世界第八の不思議。ナンバーエイトミステリアス。運用が良かったとか、チームワークが良かったとか、サポートが強いとか、DKやviciにとってはプラクティスでしかなかったとかいった様々な理由を考慮しても、ああいう結果には絶対にならないです。いや、でも誰もやってないだけでなるのかもしれない・・・それが3回続くかっていうとNOだけど。
それでも、ppdやmasonレベルのプレイヤーとアーテジーみたいなプレイスタイルの人間を抱えたチームが世界的競争力を持つとは思わないんですけど、勝っちゃってるんですよね。viciだけじゃなくてDKに。DKだけじゃなくてviciに。
今大会のアーテジーに関してはもう一個あるんですが、それはまたいつか別の機会に。
余興のおまけ画像(nagaがsydm) |