胸が痛い。

空を割る花火の音に感じる苛立ちは、その音が僕の眠りや平穏な生活を妨げるからではなく、その下で誰かが楽しく笑っているからであり、また別の誰かがそれらをインターネットで叩くことにより楽しく笑っているから。楽しい人は楽しくない人を見てけらけらと楽しく笑い飛ばし、楽しくない人は楽しい人を見て楽しくない。夜が更けて夏の暑さも蝉も花火もどこかへ去って、寂しさだけが流れ落ちたターバンのように素肌の上を這い、取り囲む。胸が痛い。