4月は心を躍らせて

4月が来てまるで何かが新しくなったような気がするけれど、何も変わらない。どうでもいいものや、どうでもいいことを変えるのは簡単だけれど、本当に変えたいことを変えることは出来ない。現実は重く、春は重く、瞼もまた重く、決して変わらないものだけが僕の上に重くのし掛かる。海から逃れようとしても、潮はもの凄い勢いで満ちて、一面の桜の花びらでピンクに染まった海水で僕は濡れていく。月が落ちればいつか引くと信じていた海は、月ではなく自らの悲しみと苦しさに引き寄せられて押し寄せていたものであり、見渡す限りを埋め尽くすその勢いは月が地球を何度回っても止まらずに、燃えるように逃げ惑いながら、僕は溺れて死んでいく。