楽園追放

アニメを見た。くだらないアニメだ。それだけならばよくある話なのだが、問題はそのアニメが4000円もしたということであり、この4000円は僕の人生において最も無駄で腹立たしい金だった。端的に言えば僕はたかだか4000円の事で完全にぶち切れて僕の人生は台無しになったのである。4000円と言えば大金である。天ざるが3回食べられる。天ざるの話をするときりがないので、二度としない。つまりあの忌々しいくだらないアニメは天ざるを盗んだのだ。それも3回も。もしかしたら、3回のうちの1回は天ざるじゃなかったかもしれない。上天ざるだったかもしれない。具体的に天ざるというものが幾らくらいの食べ物なんのか僕は知らないけれど、仮に天ざるが1180円で、上天ざるが1580円ならば、天ざるのうちの1回は天ざるではなく、上天ざるだったのだ。上天ざるというからには、ただの天ざるではない。具体的に上天ざるというのがどういうものかを僕は知らないのでその内容は全くわからないが、普通の天ざるには存在しなかった蓮根とか獅子唐とか、春菊のような苦みのあるけどもうちょっとおいしい謎の苦い野菜とか、薄くスライスされた本しめじとか、ちょっと大きめのシータイガーとか、普通の天ざるよりも少し仰々しい天ぷらが付与された天ざるこそが上天ざるなのだ。その上天ざるが僕の目の前に運ばれて来た瞬間に、あのくだらないアニメはその上天ざるの上な天ぷらを片っ端から盗んで食べて行ったのだ。これはもう人の所行ではない。ここ数年の間、僕の人生における唯一の幻の希望となっている天ざるが僕の目の前に運ばれてきた瞬間に、揚げたてのほくほくでしゃきしゃきの蓮根を横から手を伸ばし盗んでいったのだ。しかも蓮根だけに止まらず、海老もししとうも無論の事茄子もきのこも、そればかりか七味唐辛子、わさび、大根おろしに至るまで、上天ざるの全てを盗んでいったのだ。その悲しみをぐっとこらえて、この日は特別に特上天ざるを頼んだとしよう。上天ざるの全てを盗み食いされた僕は愕然としながら残りの予算と相談し、特上天ざるを頼んだとしよう。天ざるが1180円、上天ざるが1580円、特上天ざるは2380円である。いったい、特上天ざるというものにどのような天ぷらが入っているのかは知らない。蕎麦屋であるからして、おそらく蕎麦は同じであろう。となると金額の差はやはり天ぷらの差ということになる。蕎麦屋のメニューであるにもかかわらず、その差異は天ぷらだけ。これはもう蕎麦屋というよりも、天ぷら屋ではないのか。しかも天ぷら屋の天ぷらと比較すると餅は餅屋であるからして、特上天ざるというのは、実はたいしたものではないのかもしれない。それでも僕は特上天ぷらを食べたかったのだ。そして遂に運ばれてきた特上天ぷらを、あのくだらないアニメは再び横から手を伸ばし全てを食べ去って行ったのだ。これで腹が立たない人間が居るか。そんなものが存在したならばそれはもう人間ではない。誰だって腹が立つ。人間だからだ。そして腹が減る。僕は腹が減った。天ざるが食べたい。食べたいと思うとまた沸々と怒りが蘇ってくる。この4000円は僕の人生における最大の過ちであり、自らにとっても、直視できない程に忌々しいものであり振り返る事すら不可能だったのだが、空腹が故に天ざるを食べたい。天ざるを食べたいけれど、残念ながら食べられない。なぜかというと、僕の天ざるは盗まれて失われたからだ。確かに存在していた僕の特上天ざる(ないしは天ざる2つ)は、あのくだらないアニメによって盗まれたのだ。悲しい。お腹がすいて悲しい。お腹がすいて目が覚めて、食べたいけれど食べるものが何も無いかなしい一日に憎悪の墓標としてここにあのアニメが如何にくだらなかったかを記憶をたどりながら記録しておく。なお、アニメのタイトルを表記してしまうと宣伝になってしまうので決して書かない。それ以上に忌々しいので僕のブログが汚れるので書かない。まず半裸の女が出てくる。もちろんおっぱいは不自然だ。おっぱいというのは皮膚という薄い外殻で形成された脂肪なのに、アニメで描かれるおっぱいというのは男にとって都合のいい形を維持しようとする形状記憶ゴムでしかない。無論のこと、ここで言う男というのも本来ならば実在しない。おっぱいが好きな男は大勢居るが、得体の知れない形状記憶ゴムを有り難がる男は本来ならば存在しないはずだ。ところがアニメオタクというものは、形状記憶ゴムを有り難がるらしい。断じて言うがこのアニメで描かれているおっぱいは、現実のおっぱいとはかけはなれた、全くの別物である。アニメのおっぱいを有り難がっている人間というのは、赤エイの総排泄口に欲情しているのと同じである。であるからして、僕はこのアニメがはじまってから終わるまで、胸は一切見ずに尻だけを見ていた。話を戻す。仮想世界の話である。なんと、仮想世界の話であった。いやはや失敬。僕が間違っていた。あのおっぱいは、仮想世界のおっぱいだったのだ。仮想世界はコンピューターの演算によって作られており、あのおっぱいが形状記憶ゴムであり、決しておっぱいなどではなかったのは、仮想世界を司るコンピューターの演算能力が足りなかっただけなのだ。自らの不覚を恥じた。はじまるやいなや画面中央に大きくどんとおかれた女性の胸についてた2つのおっぱいは、制作者側の巧妙な演出だったのだ。あのおっぱいがおっぱいではなく、形状記憶ゴムでしかなかったのは、ストーリー上で重要な要素を物語るキーパーツだったのだ。仮想世界にはローレゾ人間とハイレゾ人間がいて、ハイレゾ人間のおっぱいは生卵を落としても割れなさそうな柔らかさと、強い復元力を持つ形状記憶ゴムのゴムドームである。一方でローレゾ人間のゴムは、形状記憶ゴムというよりはフスベタケに近い。ゴムというよりもキノコである。どこにもおっぱいはない。全てが偽のおっぱいである。ローレゾ人間のそれも、ハイレゾ人間のそれも、おっぱいとは似ても似つかぬ代物である。そういう演出なのだ。そしてハイレゾ人間は仮想世界を抜け出し、遂に現実世界へと降り立つ。遂におっぱいが現れるのだ。フスベタケでも、プリンでも、形状記憶ゴムでもない本物のおっぱいを僕は目にする事になるのだと思いきやそこに現れたのは形状記憶ゴムで形成されたゴムドームだった。なんで?。ナンデ?。なんでなん?。まったくもって理解が出来なかった。仮想世界のローレゾおっぱいが、おっぱいとは違うまったく別の何かである事は理解した。仮想世界のハイレゾおっぱいももあた、おっぱいとは違うまったく別の何かである事も理解した。けれども現実世界のおっぱいもまた、何故か不可解なことにおっぱいとはまったく別の得体のしれない造形物だったのだ。現実世界は荒廃しており、荒涼とした大地をムカデのような化け物が駆けてくる。それを見て僕は話の展開がわかってしまった。このアニメで描かれている「現実世界」は、仮想世界の話という展開である。youtubeで人力車のお笑いコンビがやっていたネタで知ったパターンだ。こういう話はよくある話ではあろうが、よくある話ということが作品の価値を貶めるということは一切ない。結局の所僕達が住んでいる世界と僕達が生きる人生は、よくある話の外側には決して出ない。どんなpreciousな人生もよくある人生の類型でしかなく、どんな物語もよくある物語の類型でしかない。「ああ、これはまだ仮想世界の話であり、このおっぱいもまた仮想世界のおっぱいなのだという事を僕は理解して、おっぱいは諦めて懸命におしりを見る事にした。おしりは平和だった。僕の予測が確信に変わったのは直後である。主人公の女は4メートルほどの高さから着地して、重力を感じさせずにスタっと立って着地した。間違い無い。たとえばこの主人公の女の靴にハイテクな素材が使われていたとしても、4メートルの高さからスタっと降り立つということは決してありえない。"仮想世界から現実世界へ"と思わせておいて、実はここも仮想世界なのだ。多重構造の入れ子構造で、マトリョーシュカのように延々と続く仮想現実世界というのが、このアニメの大筋なのだろうということを、確信したのである。なんといっても、世界には生活感が全く無い。ナウシカの腐った森に住んでいる生き物をただ一種類だけ切り取って劣化コピーしたような新幹線ほどのサイズがあるムカデのような化け物は、重力を無視して空を飛ぶし、どうやら肉食であるらしいが、地表は見渡す限り荒廃しており、ムカデの化け物が食べられそうな生き物はどこにもいない。あまつさえ、主人公の女がレーザービームを撃ってムカデを殺すと、人がわらわらと寄ってきてそのムカデの肉を切り取っている。人がムカデを食べるという事はわかったが、ムカデはいったい何を食べるのか!土か?土喰うのか?肉食のムカデが土を喰うか?そんなわけがない。つまり、ムカデが闊歩する世界は、決して現実世界たりえない、仮想世界の外側にある現実世界という設定の仮想世界なのである。そして何よりも世界には水がない。荒涼とした大地に水が無い。水が無いと生きていけない。そして水を巡る描写もない。これは単純明快である。このアニメの制作者は暗に陽に、「これは仮想世界の話です」と言っているのだ。主人公の安っぽい言動や、安っぽい声色、安っぽい造形、安っぽい衣装などには、まあ、これがアニメというものの文法なのだろうと懸命に慣れる事にしたので、それなりには気にならなくはなった。これがアニメなのだ。そして、アニメに造詣の深い人が特別に面白いアニメだと言うのだから、これは面白いアニメなのだ。しかも、ただのアニメではない。このアニメは天ざるが3回食べられるくらいの価値があるアニメなのである。amazonのレビューでも大好評でどのレビューも満点である。間違い無くここから面白くなるのだ。アニメには人間は出てこない。人の形をした、ロボットのようなものしか出てこない。いや、当然である。僕にはわかっている。これはまだ仮想世界の話なのだから、人が出てこなくて当然なのだ。主人公の女はこれ見よがしに悪党に襲われ、男三人に襲われながらそれを撃退するが、それも至極当然の話だ。現実世界では女が武器を持った男3人に襲われて無事ということは決して有り得ないが、これは仮想世界なのだ。仮想世界の出来事なのだ。食べ物も出てこない。たとえば食べ物が出てきたとしても、明らかにそれは仮想世界の出来事ですということを語る形での食べ物しか出てこない。しかもご丁寧に人工知能が現れて、感情とは電気信号ですみたいな話をもったいぶって始める。おまけに50機以上の敵ロボットが出てくるが、パイロットが乗っていることが確認できたのは僅かに3機でしかも全員女。とにかく何から何まで不可解で、全ては「これはまだ仮想世界の出来事だ」という事をありとあらゆる方角から指し示していたし、ちょっとだけ敵のロボットをやっつけたけれど、敵のロボットはまだ50も残っている。もちろん味方は主人公の一機のみで、機体性能はだいたい同じ。となると、仮想世界でしたというオチでしか回避し得ないと思っていたらそのまま終わった。はあああああああああああああああ?????????????なんなん?なんなん?頭おかしいん?おっぱいやなかったやろ?明らかにおっぱいやなくて形状記憶ゴムやったやん。しかもおっぱいだけやなく全部おかしかったのにこれ全部現実世界の話でしたってどこをどうすればそうなるの?あのムカデは何を食べてたん?あの荒涼とした大地で、あの1体5トンはあった巨大な化けムカデは何を食べて生きてたん?しかもあの個体密度。どんだけおんねん。あれが仮想世界の電子信号のモンスターじゃなきゃなんなん?車で走って追いかけさせたってそういう問題やないやろ。木も草も無い所で尚且つ明らかに肉食描写どこから肉は来てるん?あのムカデの肉はどこから来てるん?おまえら食物連鎖知ってるか?食物連鎖。肉食の動物が生きていくにはその何倍もの肉が必要なんやで?あれはここは仮想世界ですよって描写なの。いいですか?あのムカデは「ここは仮想世界ですよ」っていう描写である以外に成り立つ余地は一切ないの。肉食動物は一年で体重の5倍から10倍の肉食べるってあのどこに肉があるの?共食い?共食いであるとして、その共食いされるムカデは何を食べてるの?それも共食い?その共食いのループはどこに行き着くの?しかもあのムカデあきらかに集団行動してたよね?集団で狩りをしてたよね?何狩るの?あのね、肉食動物と草食動物だと肉食の方が小さいの。水牛はライオンの4倍、カバはライオンの8倍、ゾウはライオンの15倍あるの。あれだけの巨大な肉食動物が生きていくには莫大な量の肉が必要で、その肉を担保できるのはあのムカデ以上に巨大な草食生物だけなの。どこに草あるの?あの世界のどこに草があるの?全部荒野やん。地球全部まるまる荒野なのにどこに草があるの?あのムカデに食べられているであろう草食動物は何を喰ってんの?いったい何喰ってんの?土か?土喰ってんのか?土喰う生き物がいて、それをムカデが喰ってんのか?それとも、あの体重5トンの巨大ムカデ自体が土喰ってのんか?一年に25トンの肉を喰うであろうあの巨大ムカデはいったいなんの肉食ってんの?肉やなくて土か?土喰い生物か?いや、だから、そんな話微塵も出てこなかったよね?土か?土喰ってんのか?土以外に説明つかんけど土か?じゃあなんで土喰うムカデが音に釣られて人間食べに来るの?おとなしく土喰っとけや!あんなもん、現実でも仮想でもなんでもないやろ。おとぎ話ですらないし、ヘンゼルとグレーテルやがなでもないやろが。おっぱいは形状記憶ゴムじゃねーんだよ。とにかくこのアニメから僕が学んだのは、須崎西をおもしろがれる男の言うことは信じるなってことだけだった。まあ、運が無かった。このアニメは現代日本に存在する最悪の糞アニメ、いや現代だけではなく過去から未来に渡る全てに至るまでの中で、最も才能の無い最も無能な人間が話の筋を書いて、最も無能な連中がつくった地球上最悪の糞アニメなんだろうってことだけ。危うく日本中全てのアニメ愛好者を一人残らず撃ち殺したい衝動に狩られるとこだった。amazonのレビューだと100以上のレビューがほとんど★5つだった気がするが、日本の人口は100や200ではないということで今は全てを忘れたい。クールジャパンは税金を盗むための詐欺事業。とにかく天ざるが口惜しい。