2015年9月17日木曜日

小島秀夫のビデオゲームに対する態度が不誠実すぎて目も当てられない。














ゲーム内容の話は一切しない。







小島秀夫が酷いtweetをリツイートをしているのを見て、頭を抱えた。メタルギアソリッド5は、3D酔いに対する配慮を一切していない。プレイヤーを3D酔いに陥らせない為にビデオゲームがしてはいけない事のうち、「振り向き続けて全方角のターゲットを絶え間なく撃ち続けないとゲームを進行出来ない」以外の禁忌を全てやっている。その項目にしても、ほとんど偶然の産物で、MGS5は3D酔いに一切配慮せずに作られていると、断言してよい。

そんな、3D酔いに一切配慮をせずに作ったゲームをリリースしておいて、信者のよいしょ以外の何者でも無いツイートを平然と広める小島秀夫はビデオゲームに対する態度が不誠実すぎるし、まともな神経を持ったビデオゲーム制作者ではない。それ以上に、まともな人間ではない。




3D酔いに配慮していないビデオゲームである事は、悪いことではない。3D酔いに配慮する気がない事を明らかにしているノーティードッグのアンチャーテッドや、last of usはきちんと売れているし、きちんと評価されている。その一方で、きちんと売れてきちんと評価されているskyrimは、ゲームの導入部を3D酔いする展開にしてしまった事に対して遺憾の意を表明し、反省の弁を述べている。全力で3D酔いするゲームを作ろうが、プレイヤーの3D酔いに配慮しようが、そんなものは自由だ。それぞれの勝手だ。3D酔いをビデオゲームの面白さから切り離せるゲームも存在するだろうし、3D酔いに配慮すると面白さが成立しないビデオゲームも存在するだろう。

ビデオゲームに要求されているものは面白さであり、「3D酔いするか、3D酔いしないか」なんて事はどうでもいい。3D酔いに配慮してゲームを作る必要など無い。ただ、MGS5は3D酔いに一切配慮をしていないレベルのビデオゲームであるにも関わらず、自分のゲームを持ち上げるコメントであれば見境無くリツイートして発信し続けるという態度を選択する小島秀夫の態度は詐欺的を通り越して、犯罪的である。





実際に、インターネットはMGS5は3D酔いをするという発言で溢れている。当然である。まず第一に、MGS5は3D酔いに一切配慮をしていない。そして第二に、かつてのメタルギアソリッドは3D酔いしないゲームだった。


もしもMGS5が、MGS5というタイトルでなければ、たとえば「アンチャーテッド」とか「ミラーズエッジ」といったタイトルであれば、3D酔いに弱い人達は大いに警戒し、購入を躊躇しただろう。けれども、MGS5は、メタルギアソリッド5というタイトルを持つビデオゲームであり、あのメタルギアシリーズの謎が解かれるメタルギアシリーズの最終章という触れ込みであった。当然、過去のMGSでメタルギアシリーズに触れた経験を持つ人間も、メタルギア5に興味を持ち、購入するだろう。


けれども、かつてのMGSとMGS5は全く違うゲームである。かつてのメタルギアは、俯瞰視点の2Dゲームだった。メタルギアソリッドも、3Dグラフィックを利用した、俯瞰視点の(あるいは固定視点の)2Dゲームだった。WarCraft3やdiablo3と同じジャンルの、3Dグラフィックを利用した俯瞰視点の2Dゲームだった。けれども、MGS5は違う。MGS5は、俯瞰視点の2Dゲームではない。

3D酔いという面に置いて、かつてのMGSとMGS5は全く別のゲームである。




そして、MGS5は3D酔いに一切の配慮をしていない。

それはまず第一に最初のムービーを見ればわかる。MGS5は、手ぶれするカメラで上下左右に振り回すという、3D酔いに一切配慮しないムービーを導入部で使っており、ゲームをプレイするまでもなく、あのムービーを見るだけで、MGS5は3D酔いに一切配慮していないゲームであると断言出来るレベルで、MGS5は(3D酔いという視点から見れば)酷い。

試しに、MGS1や、MGS2のムービーと見比べてみればいい。MGS1やMGS2のムービーはカメラが揺れないし、振り回さない。幼児が見ても3D酔いしないようなカメラを提供する必要があったアナ雪と同じレベルのカメラである。けれども、MGS5のムービーは違う。手ぶれする、揺れる、振り回す、カメラと対象が移動しながらズームアップで振り向いて構図を変える等、3D酔いに陥らせない為にやってはいけない事を全てをやっている。

中でも、一番酷いと思ったのは、主人公が一人で潜入するシーンのムービーにおいて、微動だにしない主人公の背後から撮っていたカメラが、カメラマンの歩行による揺れと、手ぶれによる揺れで揺れまくるシーンだ。ビデオゲームとは何なのか。何故主人公は歩かずに立っているのに、カメラは歩行揺れするのか。何故カメラマンが居るのか。一人で潜入しているのに、その後ろにカメラを持った人間が居るのか。何故カメラマンの歩行でカメラが揺れるのか。カメラマンとは一体誰なのか。どういう意図の演出なんだ。

まさかMGS5を作った人が映画好きだから映画っぽくしただけという事ではなかろうかと危惧するレベルの意味不明さである。主人公が一人で潜入してるのに、なんでカメラマンがついてきてるのか。おまえ誰やねん。なんでカメラマンが歩くとカメラが歩行揺れするのか。なんでカメラマンが居るのか。いや、だから誰やねん。こんなもん潜入ゲーでもステルスゲーでもなんでもないやんか。最後に全落ちで劇団員による演劇でしたっていうオチでもあるのか?あるのか?あるならわかるよ?そういうエンディングが待ってるならわかる。メタルギアシリーズ最終作で、全員劇団員でしたー、って言うならわかるよ。一人で潜入して、主人公は動かずに立っているシーンで、後ろからカメラが寄る際に、手ぶれ揺れ、歩行揺れするって、のもわかる。そういうオチの為の伏線っていうならわかる。でも、そういう話は漏れてこない。わけがわからない。じゃあ、なんなの。なんで主人公の後ろにカメラマンが居るの?カメラマンの歩行でカメラが揺れるの?どういう意図の演出家も理解出来ない。ただ、「3D酔いさせにかかってる」という事だけはわかった。主人公が一人で潜入し、微動だにしないシーンでカメラが歩行揺れし、手ぶれ揺れする謎演出は、MGS5というビデオゲームが3D酔いに対する配慮を一切していないという事だけは伝わってきた。

弁護の為にもう一度MGS1や2の話をしておくと、MGS1やMGS2のムービーは、MGS5のように揺れないし、手ぶれしないし、歩行揺れもしないし、左右に振り回す事もない。カメラはゆっくりと一方向に動くだけで、3D酔いに配慮したムービーである。MGS5は違う。MGS5のムービーシーンは、3D酔いに対する配慮は一切ない。もちろん、MGS5の3D酔いに対する一貫した無関心で冷徹な態度は、ムービーなどという目を瞑っていれば凌げる些細なものだけではない。





MGS5の3D酔い対策で最も酷いのは、オプション項目における詐欺だ。

MGS5のオプションには、画面の揺れをオフにするという項目がある。なお、画面の揺れをオフにしても、画面の揺れはオフにならない。自分でも何を言っているのかわからないレベルで困惑する。MGS5のオプションには、画面の揺れをオフにするという項目はあるが、画面の揺れをオフにしても、画面の揺れはオフにならないのである。画面の揺れをオフにしても、画面の揺れはオフになりません。

はい。

MGS5で画面の揺れをオフにするというオプションでオフになるのは、歩行揺れだけである。画面の揺れはオフにならない。画面は揺れまくるし、振動しまくるし、ぶれまくる。絶対に回避出来ない強制戦闘中にも揺れ続ける。画面の揺れをオフにしても、揺れ続ける。どのように立ち回りを工夫しても、揺れるものは揺れる、というか揺れまくるし、5分10分揺れ続ける。絶対に画面の揺れからは逃げられない。




これが、「MGSは3D酔いしません!手触りが違います!ありがとうございます!」というメタルギア以外のビデオゲームの話を一切していない上に、俯瞰視点2DゲームのMGSに対してMGSでは3D酔いした事がないというすっとんきょうな発言を行う人間のツイートをリツイートして広める人物が作ったゲームである。画面の揺れをオフにするというオプションで、画面の揺れがオフにならない3Dゲームを作った人物のリツイートである。

こういう小島秀夫の態度を見ると、任天堂はまともだったと思う。ムービーシーンで迫力の為にカメラを動かすと3D酔いするからと片っ端から却下し、ゲームデザインから3D酔いに配慮した上で、「あくまでも3D酔いしにくいだけで、3D酔いしないとは言い切れない」と広報した岩田聡は、小島秀夫とはまったく違う、誠実な態度とまともな神経を持ったビデオゲーム制作者であり、ビデオゲームの味方だった。




MGS1は、3Dグラフィックを利用した俯瞰視点の2Dゲーム(あるいは固定視点ゲーム)であり、ムービーシーンにおいても、3D酔いしないカメラワークのゲームだった。MGS5が3Dゲームである事は、ゲームの面白さに大いに寄与したのであろうが、ムービーシーンで微動だにしない主人公に後ろから迫るカメラが、存在しないはずのカメラマンの歩行揺れ手ぶれ揺れで揺れに揺れた上で左右に振れるなど、小島秀夫は3D酔いに対する関心を一切持たない。(配慮が無いというレベルではなく、小島秀夫は3D酔いに関心が無いゲーム制作をしている。)


たとえば、MGS1は落ちているアイテムに触れるだけでアイテムを回収出来たのに対して、MGS5は極めて小さな家の中に入って、周囲を見回した上でアイテムを確認し、アイテムの前でボタンを押さなければ、アイテムを回収出来ないゲームである。「小さな空間で辺りを見回すと酔う」という3D酔いの禁忌を平気で破っている。

しかもMGS5の小さな家の中で得られるアイテムは、MGS1のように戦略上重要なアイテムではなく、申し訳程度の端金である。世界で一番売れたTPSの1つであるGTA5は、小さな空間である家は入れない、小さな家は全て外見だけの張りぼてであり、入れるのは大きめの家だけ。プレイヤーを3D酔いさせた上で端金を掴ませるようなゲーム設計はされていない。世界で一番プレイヤー人口の多いTPSであるWorld of Tanksは、閉じられた小さな空間で周囲を見回さなくてよいゲームである。

他にも、MGS5には乗り物の馬が登場するのだが、MGS5では馬に乗る度に、強制的にカメラが上下左右に振り回される。3D酔いに対する配慮は全く無い。配慮ではなくて3D酔いに対する関心自体が存在しない。我が国で一番成功したTPSである無双シリーズは、馬に乗ってもカメラは動かない。また、ゼルダの伝説では、カメラを振り回す事なく即座にスッっと前を向く。馬の乗り降りに関しては、馬がその馬で180度反転出来るゲームに関しては無双の騎乗前と騎乗後でカメラは動かないというアプローチが正解であり、馬がその場で180度反転出来ないゲームにおいては、速やかにスッと前を向くゼルダのアプローチが3D酔い対策としては正解だろう。初期から使える馬に乗るだけで、カメラを仰々しく振り回し続けるMGS5が、3D酔いに一切配慮する気がない、プレイヤーの3D酔いに全く関心のないビデオゲームである事は火を見るよりも明らかである。




MGSというシリーズが、3D酔いしないゲームデザインから、3D酔いするゲームデザインに移行した事に関してはなんの問題もない。現代において固定視点ゲームは売れないだろう、受け入れられないだろう、エキサイティングじゃないだろう、という判断は、とても自然な事である。MGSが3D酔いするタイプのビデオゲームになった事は、全く悪い事ではない。MGS5が3D酔いするビデオゲームである事は、全く悪い事ではない。

MGS5は、3D酔いに対する配慮を一切せずに作られている。配慮をしていないのではなく、3D酔いに対する関心自体が全く存在していない。もちろんそれも、全く悪い事ではない。面白いゲームを作りたいので、3D酔いには配慮しませんと言っているアンチャーテッドのノーティードッグがあれだけ評価される世界に僕等は生きているのである。3D酔いに配慮しない方が面白くなるので、3D酔いには配慮しません、という態度を選択するのであれば、そう言えば済む話である。




けれどもMGS5は、画面の揺れをオフにするというオプションで画面の揺れがオフにならないというレベルのビデオゲームであり、馬に乗る度にカメラを振り回し、ムービーシーンにおいては決して存在しないはずのカメラマンの手ぶれと歩行揺れで3D酔いを全力で誘発しにかかるビデオゲームである。

そのようなゲームを作り、フルプライスで売っておきながら、信者のおべっか以外の何物でもない「MGS5は3D酔いしません」というコメントをリツイート拡散したのが小島秀夫であり、この人物は我が国において最も信用に値しない人物の一人であり、また、自らを賞賛するコメントをリツイートする事で被害者を増やす小島秀夫という人間は明確に、ビデオゲームの敵である。