意志はあなたの助けにならない。

強い心を持って物事に挑めば、どんな困難も成し遂げられるのだという思い込みの罠に、毎日のように陥ってしまう。僕の日常が上手くいかないのは、強いては僕の人生が上手くいかないのは、意志が足りないからなのだと、心のどこかで思ってしまう。もっと強い意志さえあれば、どんな困難も乗り越えられると、そんな思いに捕らわれてしまう。それは、大きな間違いなのだ。僕等はそんな間違いを毎日のように繰り返し続けている。

物事を成し遂げるにあたって必要なのは意志ではない。行動である。常に失敗を繰り返す僕等は、そんな簡単なことにみんな気がつかない。強い意志でダメだったならばさらに強い意志を、それでもダメならばもっと強い意志をと、果てしなく意志の強さを自らに求める。そして失敗を積み重ね、もっと強い意志を求めるようになる。より強い意志を、さらに強い意志を。それはまるでもの凄い強い意志を保ち続けながらビデオゲームをプレイし続ければ、ビデオゲームをプレイし続けるだけで世界を平和に出来るとでも信じているかのように、何かが上手くいかない度に、これは意志が足りなかったからなのだと自らの意志薄弱を責め、次はもっと強い意志を持って挑もう、そうすれば今度こそ上手くいくのだと頑なに、意志の力に傾倒し、意志の力を信じ続ける。

でも、意志なんてなんの役にも立たない。そんなものは、なんにもならない。意志なんて、誰にも見えないブラックボックスに詰められた、心の中の出来事だ。必要なのは進むこと、前進すること、歩いてみること、歩き続けること、意志なんてどうでもいい。何かを成し遂げたいならば、意志に頼らないシステムを作ること。実際世の中はそうやって、意志に頼らず回っている。意志に頼らないシステムで僕等が住んでるこの世界は成り立っているし、強い言葉を恐れずに言えば、意志を食い物にするシステムによってこの世界は回っているのだ。そんな中で君だけが意志の問題にするなんて、筋が悪い。くすんだ世界の思うつぼだ。必要なのは意志ではなく、少しでも前に進むこと。意志に帰趨しないこと。