2004年11月8日月曜日
「貴方にとって人生とは?」
「貴方の趣味は何ですか?」
そのような質問をされたならば、迷うことなくこう答える。
「無い。完全に無趣味である」と。
僕に趣味などない。
ならば、ゲームは僕にとって何なんだという事になる。
無理やり答えるならば、全てだ。
僕の全てだ。
DOTA allstarsこそが僕の全てだ。
DOTA allstarsだけが僕自身だ。
ウォークラフト3を立ち上げ、DOTA allstars部屋を探して入る。
それが全てだ。
そこで勝つ、あるいは負ける。
相手は、アメリカ人のサラリーマンやら、台湾人の学生やら、マレーシア人の料理人だ。それに対して、こちらはDOTA allstarsそのものだ。
負けてなるものか。
DOTA allstarsをプレイし、勝つか負けるかするのが僕の全てだ。
アメリカ人のサラリーマンや、台湾人の学生や、マレーシア人の料理人にとって、僕という存在は
「英会話能力の低いかなり手強いAI」
でしかない。
つまり、僕という存在を一言で言うと、英会話能力の低いかなり手強いAIなのだ。
それ以上でもそれ以下でもない。
「貴方にとって人生とは?」
と、もし僕に問いただす人がいたとする。
僕は自身を持って答える。
「存在しない。完全に存在しない」、と。
過去にそのようなものが存在していたような気もする。
しかし、少なくとも現時点においては僕に人生など存在しない。
英会話能力の低いかなり手強いAIは英会話能力の低いかなり手強いAIでさえあればよいのだ。他のものは一切必要無い。
ウォークラフト3のインストールが終わった。
僕自身が始まる。
もう一度始まる。
失われた6時間を取り戻す時がやってきた。
失われた僕自身を取り戻す時が。
救われるもなにもない。
失うものも無い。
得るものも無い。
DOTA allstarsが全てだ。そのものだ。
行くぞ!
アメリカ人のサラリーマンよ!
行くぞ!
台湾人の学生よ!
行くぞ!
マレーシア人の料理人よ!
少し手強く、英語が喋れず、罵詈雑言を飛ばさず、敗戦時には相手を褒め称えるDOTA allstars最強最弱のAIが。