2004年12月1日水曜日

ゲームボーイ



ゲームボーイが欲しかった。
とにかくゲームボーイが欲しくてたまらなかった。

だけど、買ってもらえなかった。
目が悪くなるからとか、隠れてこそこそやりそうだから、とかそういう理由だったと思う。

悔しかったので、自分で作った。
まず、ノートのページを一枚破りとって、そこにゲームボーイを描き、名前はわからないけれど、ロウソクみたいな細長い色鉛筆のようなもので、色を塗った。
それを机の前にセロテープで貼りつけて、よくそのゲームボーイを脳内で動かして遊んでいた。とはいっても、ドラゴンクエスト5ばかりだったので、ゲームボーイの絵など必要なかったといえば、それまでなのだけれど。動けばいいのだ。動けば。



テトリスをゴミ箱に放り込んで、ゴミ箱を空にしてからインターネットエクスプローラを巡っていると、ドラゴンクエスト8の事を書いている所がいくつかあった。ブロックブログのトップページを見ると、Lv17とか、ドラクエインプレとか、そういうタイトルのブログ投稿がいくつもあった。
非常に腹立たしく、悔しかったので、ドラゴンクエスト8を作ってプレイした。

遠景フェチにはたまらないゲームであり、「うおー海が見えた!」とか言って遊んでいる分には非常に楽しい。正しく見渡す限りの世界があるといった感じで、宣伝に偽りなしといった好印象を受けた。予想していたような3D酔いが無かったのも高評価である。しかしながら、
「ドラゴンクエストシリーズの最高傑作は5である」
との印象を崩すほどの面白さではなかったので、少しがっかりした。
堀井雄二も落ちたもんだ。レベルファイブの技術力もたかがしれているといった感じだ。おそらく、日本のお家芸であったゲーム産業は将来は麻雀ゲームや将棋ゲームくらいでしか生き残れなくなるだろう。また、真性引き篭もりの読者の方々はご存じないかもしれないが、アメリカではXボックスが非常に売れている。任天堂とか、全然駄目なのだ。



後日談、という程のものでもないけれど、それを書いて終わりにしようと思う。
アルバイトで稼いだお金で、中古のゲームボーイを買った。
もちろんスケッチブックに描いたのと同じ、初代のねずみ色のものである。
ソフトはテトリスとマリオとポケットモンスターを買った。
大人買いである。

手に入れた時点で満足してしまったのか、他のゲームと日常に追い回されて疲れていたのかはわからないけれど、ほとんど遊ばないままで引き出しの奥深くにしまってしまった。
一応ポケモンは面白かったが、1人で遊ぶには小さすぎた。
近づかない方がいいものが世界には存在するように、手に入れない方がいいものも存在するという事だろう。絵に描いた餅はとても美味しいものだ。餅よりも、ずっと。