2005年5月22日日曜日
ひきこもりとニートと無職の分類方法
働きたいのが無職。
働きたくないのがニート。
選択していないのがひきこもり。
ニートという言葉は、指し示すことが難しかった層を綺麗に表せる事で広まったわけであり、他の層を混同して変に「いろんなニートがいるんだ」などとやってしまうと収集がつかなくなる。また、メディアとインターネットが作り上げた適当なニートイメージをニートという言葉に当てはめている方もいるようで、ニートという言葉を読み直す必要があると感じた。
ニートと混同される事が多いものとして、若年失業者とひきこもりというものがある。
「働く」を選択した無職が若年失業者で、「働かない」を選択したのがニートである。
「働く」も「働かない」も選択していない、未選択な無職がひきこもりである。
失業(無職)とは結果であり、ニートとは意志であり、ひきこもりとは未選択である。
また、「ニート」と「ひきこもり」という言葉を説明無しに使う場合は被扶養者に対象を限定するのが適切だろう。
仕事をして計画的に築いた貯金でひきこもっている人を「ひきこもり」と呼ぶ事は可能ですが、ひきこもりとニートという言葉は「家族に養ってもらっている」という条件に該当する人達を指し示すのが最も自然です。自立している人達を含める場合は、その旨を前思って説明しておく必要があると思う。
「そんなん全部無職じゃん」と言われればそれまでであるのだけれど、若年失業者、ニート、ひきこもりと3つに大きく分けておく事は、それらの人々を書く場合には非常に有効であるので、とりあえずタギングという形で。
単純に解決策から言うと、
ひきこもりには「働く」か「働かない」かを選択させればよい。
ニートには、「働く」を選択させればよい。
若年失業者(無職)には、職業訓練と職を与えればよい。
というだけの話であり、至極簡単である。
ただし、「ひきこもり→ニート→失業者→労働者→ひきこもり」という無限ループに陥るの可能性だとか、この分け方で自身を分類するとややこしくてやっかいだとか、まあ色々とあるわけだけれどそれはまた別の話という感じで、言葉の使い方としては、「働く」を選択、「働かない」を選択、「未選択」という分け方が一般的な使われ方に最も適合した説明であると感じます。
この分類はニートから派生した言葉にも当てはまる。
会社に属しながらも「働かない」事を選択したのが「社内ニート」である。
それに対して、労働意欲はあるものの能力不足で居場所が無くなった人たちを社内ニートと言うのは少し無理がある。社内失業者、社内ひきこもり、あるいは窓際族といった別の言葉で現す必要があるだろう。
けれども、である。
あなたは無職ですか?
それとも、ニートですか?
それとも、ひきこもりですか?
という質問を対象者に投げかける事は無意味である。
何故ならば、本人が一番かっこいいと思っているものを回答するからである。
「求人不足が原因」
と言う事がもっとも立派であると考える人は「無職です」と言う。
「働くisダサイ、働いたら負け」
とニートをcoolだと考える人は「ニートです」と言う。
「働くとか働かないとかじゃなくて」
という選択拒否がヒロイックであると考える人は「ひきこもりです」と言う。
これを判断するのは冷静で公平な第三者、というのが最も適切だろう。
それらを踏まえて先日の内田樹の投稿を読むと、あれは正しくニートを対象として書かれた文章であり、僕の文章も同じくニートを対象として書いたものです。ニートの捉え方自体はまったく同じです。
「働く」を選択したのが失業者、いわゆる無職。
「働かない」を選択したのがニート。
「働く」も「働かない」も選択していないのがひきこもり。