教師というものが何であったのかが理解できないのと同じくらいに学校というものが何であったのか理解できなくて気持ちが悪く、とりあえず自分をなんとか納得させられる所まで考えようとしていたのだけれど、ぴんとのずれた思い出ばかりが芋づる式に出るわ出るわの金銀小判で途方に暮れた。
暮れたくらいならまだいいのだけれど、明けた。
まあいいや。余計な事を書くのはよして、余計な事だけ書くとする。
教育実習の教師が来た。いや、教師ではなくて学生か。それは女であり、それなりの身なりをしていた。幾つだったのかは知らないけれど、同じくらいの歳になってあれは教師ではなく老いた子供だったのだなと解るようになった。