2005年6月1日水曜日

純粋後ろめたさ批判



どうして、自分で書いた成果物をインターネットに還元している人が、自分で書いた成果物でお金を稼いでいる事に後ろめたさを感じなければならないのだろう。
まったくもって、馬鹿げてる。









「稼ぐ事はあさましいこと。」
ふざけるな。


あさましいのは、あさましく稼いでいる奴らだ。
書いたものをインターネットに還元している人間が、どうして浅ましさという空気に起因する後ろめたさを感じる必要はまったくない。
まったくもって、間違いである。






我が国において、「浅ましさ批判」というものが市民権を得ているのは紛れもない事実だ。

4年も続いたゲームの攻略サイトが広告を貼るとすぐ「なんで広告なんて貼るんですか!失望しました!リンク外しました!」と荒れるに至って広告を撤去したり、グーグルとアマゾンしか無かったブログサービスがバナー広告を貼るとすぐ「景観が損なわれた!ふざけるな!」とか言い出す輩がいるわけである。

理解が出来ない。
なに、それ。
なんで?





その覆い被さる空気の前に「浅ましいから広告貼らない」と屈してる人は大勢いる。そういう、雰囲気に屈する"持ち出しで運営されている"サイトは往々にして突然消える。インターネットを通じて全人類に還元されていた成果物が消滅するわけである。
なんで?
なに、それ。
理解が出来ない。
物凄い損失である。





そういう、柔らかさを持った人達が圧力に押されて消耗し消え去った後で、インターネットに残るのは、傲慢さでそれこそ正しく浅ましく、稼ぎ腐った馬鹿リエイトだ。
出会い系だとか金貸しだとかエロだとか、そういう腐った糞リエイトだ。



「浅ましい。死ね」
の蔓延で消えるのは、浅ましい奴らじゃない。
まったく無関係の、良心的な奴らだ。
傲慢さが繊細さを淘汰する。
著作権無視の転載サイトや、肖像権無視のエロサイト、Winnyのハウトゥーサイトで日銭を回収している奴らが「浅ましい。死ね」くらいで消えると思うか?ありえない。

その蔓延が作り出すのは、馬鹿リエイターの馬鹿ネットだ。
挙げ句の果てに残るのは、糞リエイトの糞ネットだ。
それでいいのか。
追認するのか。
なぜだ。
なんでだ。
どうしてだ。







今回の事で言うと、1470.netはインターネットを自動クロウルしてかき集めたアマゾンリンクをまとめて整理し載せてたわけだ。
それにトチ狂ってる頭のおかしい人間がジャイアニズムで文句を付けた。



そういう人は昔から一定の割合でいた。

自分でスキャンをした写真の画像の俺様権利を主張したり、無料レンタルサーバーの広告を消して悦に入ったり、トップページ以外へのリンク禁止だとか、無断リンク禁止といったような、ワールドワイドウェブじゃない俺のものは俺のものであり、俺ルールを遵守しろと主張する人達はこれから先も一定の割合で存在し続けるだろう。

それはどうでもいいよ。
興味がない。
本当に。


でもさ。
どうしてそれに、後ろめたさで自分を責めて、自分で借りたサーバーの自分で書いて作り上げ回した成果物の、アソシエイトのIDを取り除き、なんにも無しの-norefsimに、変更しなけりゃいけないの?
なんで?
なに、それ。
理解が出来ない。
頭沸いているとか書いたら波風が立つから書かないけれど、頭沸いているとしか思えない。






もしも1470.netの運営者がFC2や、ライブドア、株式会社Googleであったのならば、絶対にアソシエイトIDを削除しない。この言いがかりに正当性は0.0001厘も存在せず、削除する必要性はまったく無いからである。

それに対して、運営者が柔らかい、というか弱い個人の場合には、世間体だとか雰囲気だとか、圧力だとか後ろめたさといった必要のないものに気を遣い、丁寧な説明文を長々と書いて自分で借りたサーバーの自分で書いた成果物のアソシエイトのIDを削除し、その報酬をselfkillさせられるに至るわけだ。



そういう事は、あらゆる所で起きている。
真面目で柔らかく弱く健気に広告を貼らずに持ち出しで頑張っていた人が気力を無くして404へと消えて行き、糞トのバナーをSEOっている奴らが我が物顔でネットに残る。
どうして、そういう雰囲気を誰もがどこかで追認してるのだ。
まったくもって、理解が出来ない。


いや、確かに、雰囲気って程ではない。
本当に、極めて一部の人達だ。

けれども、今回の件で明らかになったように、個人でやっている日本の人の幾らかは、たった一人人の世間体を気にしてあっさりと、アソシエイトIDを削除しちまうような柔らかい脳みそをした人間なのだ。一人どころか0人に、404へと押し流されるウェブサイトが大量に存在しているのだ。くだらない。






時間対硬貨のバランスを崩し、萎えて気力を失って無料で使えるインターネットを卒業したら、今ある何かは失われるのである。物凄い損失である。

人間を突き動かすのは夢だ。
謂わば袴とキャデラックだ。
アメリカンドリームだ、つまりは今そこにある金だ。



「便利なものをインターネットに還元すれば少しは稼げる。」
そういう実例のようなものが、根拠のない言いがかりの世間体に潰されるという実例を残して消えたら、後に続く人は夢も希望も持てなくて、誰もやろうと思わなくなる。
ただでさえ参入コストの高い場所の、心理的参入障壁がまた1つ増えた。
ただでさえ見返りの少ない国の、その見返りがまた1つ減った。

これはそういう実例だ。
まったくもって悪夢である。







1470.netを書いた人は、食器乾燥機などという非常に貴族趣味的なアイテムを買う位の余裕があるわけで、たいしたダメージにはならないだろう。けれども、誰もが誰もそんな余裕があるわけじゃない。ちょっとした事でダメージを受け週に3日しか帰れぬような職業書きへと転職し、帰らぬ人となるかもしれない。
そうなったらおしまいだ。
物凄い損失だ。



「その程度の金も稼げないような人間は大したものを書けないから消えて結構」
違う。
まったくもって違う。
書く能力と稼ぐ能力はまったく別物なのである。
インターネットに還元できるようなものを書ける人間が、よろしく稼ぎ回収できる能力を兼ね備えているとは限らない。


「金で困るような低学歴の貧乏人は大したものを書けないから消えて結構」
違う。
まったくもって違う。
僕がこれまで一緒に仕事をした中で最も優秀だった人間は高校しか出ていなかった(彼はストックオプションで僕が一生かかっても手に入れられないような大金を手にした!*1)し、あのジョンカーマックも木の根を食った餓死寸前の所から空の彼方の雲の上だ。




重ねて言うが、1470.netを書いた人にとってこの出来事は大した問題じゃないだろう。
けれども、「稼ぐ=あさましい」といったふざけた電波に屈する人間が一定数でいる限り、我が国に存在しているはずだった夢のドリームなインターネットは一定量が損なわれているのである。


JASRACのMIDI狩りで、MIDIをする人は大きく減った。
まるで滅びた。


"後ろめたさ"の広告狩りで、それと同じように減る。
こぼれ落ちているのは、広告収入が本当に必要な人達だ。

狩られた後に残るのは、インターネットに還元する気の無い人と、広告収入なんてまったく必要の無い身分の人と、天然物の狂人だけだ。
そんな人達はそう多くはない。

消えるのはあさましい人達ではなく、まったく逆の人達だ。
生き残るのは、そういう人達だ。
これはまったく必要ない。








ただでさえ「プログラマー=廃人」みたいなネガティブが蔓延しているのに、こんな理不尽な"後ろめたさ"を追認していると、柔らかい優しい人達は本当にまったく来なくなる。


なんで稼ぐ事に対して、ぽさ度だとかなーだとか言わねばならぬに追い込まれるのだ。発展と進歩を最適化する為に必要なのは、働いたものがなるたけ成果を得られる事だろ。
能力のある人間が労力を費やし作って稼ぐ。
それは素晴らしいこと。
誇りにするべきこと。
しゃんとしろよ。
胸を張れ。


「俺のもの!」
と叫き散らす市民は何も作らない。働かない。権利だけ叫ぶ。
潰すのはいつもブサヨだ。耳を貸す必要は全くない。

馬鹿か。
無視しろ。
相手にすんな。
時間の無駄だろ。
篩にとして用いられるのは品質のみでいいはずだ。
公開している時点でもう十分に還元だ。




「インターネットを聞いて対応する。」
それは、物凄く大事な事なんだろうと思う。
書き手が気がつかない事をノーマネーで指摘してくれるのだから。
けれども、フィードバックとジャイアニズムを混同して対応するのは下の下だ。
「俺の為にもっとよくしろ!」と、「おまえのものは俺のもの!」は全然違う。
そこは絶対に取り違えてはいけない場所である。
まったくもって、間違っている。





あー、震源地が近いからって書かずに放置して傍観してたら流石にマジむかついてきた。悪玉連鎖して激昂だ。そりゃあeulもTFTに来ないわけだ。allsatrsのオフィシャルも消失するわけだ。

だいたい、どうして、どいつもこいつも口を開けば「運営費に」とか言いだすんだ。なんでそこで呑まれて媚びるんだ。ふざけたもんだ。夢を語れよ。夢を。

南の島を買い占めて南の島へと移住するとか、ぼったくられた石を買うだとか、おいしい唐揚げを食べるだとか、いつもより少しバージンなオリーブオイルでパスタを食うとか、トロだウニだバカガイだとか、燃費の悪い四角い車とかマツダのRだとか、プール付きの豪邸だとかメイド付きの豪邸だとかちんこ付きの美女だとかダービーカウンティを買い占めるとかそういうなんかがあるだろう。
夢を語れよ。
夢を。
その後ろめたさは必要ない。
破壊しろ。
潰せ。
誇って何が悪いんだよ。
自分で自分を褒めて行けよ。
よく、育てるにはまず褒めろって言うじゃあないか。
なんでけなすだとか制限するだとか隠すだとか、そういう方向で進むんだ。





「あさましさ」
は、あさましい人達には届かない。

「広告収入」
は、広告収入が必要な人達には届かない。

どうなるんだ。
篩われて何が残るんだ。









*1:言うまでもなくこれはネタだ!元ネタが解った人はおめでとう!