糸井重里は鬼だ。
奴は悪人である。
マザーというゲームがある。
糸井重里のゲームである。
マザーのラスボスは強い。
とてものすごく強い。
死なないのである。
不死身なのだ。
ところが、そのラスボスは簡単に倒せる。
ある1つの兵器によって。
その兵器とは何であるか。
それは、1曲の歌である。
無敵。
最強。
天下無双。
マザーのラスボスはとてつもなく強い。
なのに、たった一曲の歌により敗れ去る。
マザーというゲームにおいて、その歌が意味するもの。
それは、愛である。
純然たる愛である。
如何なる者も愛という破滅から逃れる事は出来ない。
それが、マザーのテーマである。
マザーというゲーム。
それは、愛しさと、切なさと、糸井重里なのである。
愛は何よりも残酷であり、愛のみが人を破壊することが出来る。
愛によって人は死ぬ。それこそが糸井マザー重里の結論であり、言葉である。
マザーの続編である、マザー2というゲームはもっと救いのないゲームである。
マザー2のラスボスは強い。
とてものすごく強い。
ほんとうに強い。
倒せない。
ところが、である。
簡単に倒せる。
マザー2のラスボスは何によって敗れ去るのか。
それは、祈りである。
「貴方に消えて欲しい」
「貴方にいなくなって欲しい」
「貴方なんていなければいいのに」
「貴方なんて生まれてこなければ良かったの」
それは切実な祈りである。
そして、ラスボスは消えてゆく。
殴られても、蹴られても、叩きのめされても傷一つ付かず、動じることがなかった強い強いラスボスは、たった1人の人間の祈願によって、その存在を維持できなくなる。
マザー2とはマザーにも増して、極悪非道なゲームである。
と言っても、糸井重里は全然凄くない。
だいたいからして、マザーはパクリだ。
アタックオブザキラートマトのパクリである。
アタックオブザキラートマトにおいて、トマトを死に至らしめる曲の題名は「恋する思春期」である。即ちトマトのような醜い人は恋する思春期、即ち愛に触れたときに全ての生きる力を失い、人々に踏み潰され蹂躙される運命にある、という極めて暗い題材を巨匠ジョンデベロはフィルムの上に鮮やかに描いて見せたのである。
アタックアオブザキラートマトの劣悪なコピーであるマーズアタックも同じである。
火星人は醜いものの象徴、即ち醜さのメタファーであり、醜さは強さとして描かれる。無敵の強さを持つ火星人に対してあらゆる兵器は通用しない。けれども火星人は簡単に死に絶える。愛の歌によって。
お嫁さんにしてください!!
いやだったら彼女でもいいです!!
それもいやだったら友達でもいいです!!
絶対やだ!っておっしゃるのであればせめて元気になってください!!
ある時、親が学校に呼び出された。
また僕が虐められていたらしい。
結果、僕は問いつめられた。
「なぜ嘘をついたのか」
晴天の霹靂であった。
確かに僕は「虐められていないか?」と問われた際には、「そんなことない」と即答していたし、毎日適当な名前を出して友達の家に行くと言っては家を抜け出して図書館で座っていた。
けれども、嘘なんてついていない。
そうした方がいいと思ったから、そうしただけだ。
追い立てられて机の下を右へ左へ逃げ回りながら、何が正しくて何がいけないのかが解らなくなった。それ以来なにを信じればよいのかわからなくなった。どうすればよいのかわからなくなった。
おそらく僕は、真実などというものを求めた事は一度として無いのだろうと思う。
誠実さなどというものを欲した事など一度も無いのだ。
ただ騙されたいのだ。完全無欠の見事な嘘で。
だから何も信じられないのだ。
これからもずっと。
きちんと、なにもかも、全て、認めないぞ。
僕はhankakueisuuなんかじゃない。
認めない。
SUPER!!
「ブログ書いたよ。読んでね。」
突然そんなメールが届いた。
僕はその人とのチャットの中で、「ごたくはいいからまずブログを読ませろ!」と言ったことを思い出した。「ブログなんて持ってないよ」とその人は答えた。「ごたくはいいからまずブログを読ませろ!」と返した。もう遠い昔のことだった。
メールに載せられていたURLに飛んだ。
aboutを見ると、日記をつけた日数がちょうど100日だった。
なにかいけないことをしてしまったかのような罪悪感に囚われた。
それを少しだけ読んだ。
僕は酷く動揺した。
そこには真性引き篭もりである自分を刺激しないようにと気を遣って書かれたであろう文章が延々と続いており、そのにじみ出る優しさに僕はすぐに耐えられなくなり、そのブログを読むのをやめた。今すぐにでも消えてしまいたい気持ちになった。なにかいけないことをしてしまったかのような罪悪感に囚われた。
どうしていいか解らずに、真性引き篭もりのエントリーの中で僅か2行、全力でこっそり煽ってみた。次の日に行くと、はてなダイアリーのトップページに飛ばされた。跡形もなく消えていた。まだ保存していなかった。なにかいけないことをしてしまったかのような罪悪感に囚われた。
僕は誰に対しても同じ態度を取った。
表面上は何も変わらなかった。
けれども中身はまったく違った。
彼女に対しては明確な意思でそうしていたのに対し、他の人はただうざいからそうしていただけだった。その内部的温度差の記憶が僕を真っ二つに切り裂いて行くのがわかった。辛くて仕方がなかった。
「毎日メールしていい?うざい?」と尋ねられた時の会話を思い出した。
僕は「うざい。」と答えた。
「一日おきならいい?」と聞かれた。
僕は「駄目。」と答えた。
「3日に一度は?」と聞かれた。
僕は「死ね。」と答えた。
それから100日以上が経っていた。
僕は何も悪くなかった。
悪いのは僕だった。
死ね、死ね、死ね、立ちはだかる敵どもよ。
ありがとう、DOTA allstars。
僕は世界で一番の幸せ者である。
年の離れた女の人から、月に一度のメールが来た。
呼び出されたので仕方なく、チャットに付き合った。
何も発言せずに、ログが絶え間なく流れて行くのを何時間も見ていた。
その人は丁寧に全ての情報を整理して、散らかっていた物事を丁寧に切り分けてそれぞれ一つずつ綺麗に説明して見せたあとで、丁重に重い話を切り出して僕に、「駄目?」と問いかけてきた。「おまえが処女だったら愛してやるよ」と即答した。泣いているのと、それを隠そうとしているのがわかった。ざまあみろと思った。
彼女はそれから何時間も、僕との仲をなんとかして修復しようとしていた。
何かに怯えるように、弱々しく力ない発言が延々続いた。
相づち一つ打たずに僕はそれを見ていた。
しばらくして飽きたので落ちた。
2週間ほどしてから、メールが来た。
同僚とつきあい始めたと書かれていた。
そんな事どうでもよかった。
私はずっと貴方の味方だから、何かあったら言ってくれと書かれていた。
もうどうでもよかった。
全ての責任は僕にあり、矢でも鉄砲でも批判でも全て受け止めるつもりであるし、罵倒されるに値するだけの事をしてしまったと考えているので、深く反省し、謝罪します。
その8
全て