2006年1月28日土曜日

ピーターとホリエモンの法則




能力主義の階層社会に於いて、人間は能力の極限まで出世する。すると有能な平構成員も無能な中間管理職になる。



wikipediaより。








僕はホリエモンを知らない。
ライブドアとは遠い人間である。このブログをレンタルした時に、ライブドアブログだけは元から論外、と思っていたくらいにライブドアは僕の色からはかけ離れた色をした会社である。ライブドアのサービスの中で虚業ではないものがあるとすればPJくらいのもんだ。あれはいいもんだよ。reallyなあ。







とにかく僕はホリエモンを知らない。
動いている所を見たこともないし、声を聞いたことが無い。こういうのを世間から隔離されている、って言うんだろう。けれども、ホリエモンという名前くらいは知っている。回転回転、と言いながら回っていた事なんかも。







そんなホリエモンだけれど、僕が思うにホリエモンは有能だったのだと思う。ライブドアの技術に関するブログを読んだりしていて、更にそう思うに至った。







もちろん、ホリエモンに対する批判の多くは的を得たものなんだろうと思う。酷いやり口でお金をとにかく集めて、ごまかし手口で巨大化した、みたいな批判は十分にあり得るだろうと思う。







それでもホリエモンは優秀だった。
虚々実々を用いてそこから金貸し、中古車、インスパイア、とにかく優秀だった。少なくとも、うまく行きそうだったくらいの所までは来ていたんだと思う。







けれどもホリエモンは墜ちた。
ホリエモンの手には負えないステージ、即ちホリエモンはホリエモンが無能化するステージにまで進んでしまったのだろうと僕は思う。







ホリエモンが無能化するステージとは何か。
それは普通に考えれば「虚々実々が潰されてしまう保守的なステージ」という事になるだろう。けれども僕はそうは思わない。







ホリエモンが突入した「ホリエモンが無能化するステージ」とは、堕落ではなかったろうか。金を得たホリエモンは自身の非常に優秀な能力の実の部分と、金と名が生み出す虚の部分を取り違え、ひっかえとっかえセックスして、朝から晩まで腰巾着共と旨いもん食べて、ゴーストライターと談笑しながらブログのエントリーを上げ続け、株価も順調上がったりして、セシール買って褒められて、ホリエモンはホリエモンを見失ってしまったのだと思う。







ホリエモンは慢心を得た。
いや、慢心、というよりも満足あるいは。
そうして彼は堕落へ歩み、失敗した。彼が「間違いを犯した」かどうかは今のところ誰にもはっきりとした事は言えないのだろうけれど、「失敗をした」って事だけは誰の目にも明らかだ。




堕落が成立する条件はおそらく2つ。
栄光と孤独、なんだろう。







許子将が曹操を指して言ったとされる言葉に「治世の能臣、乱世の奸雄」というものがある。ホリエモンはライブドアバブルという乱世を自らの手で生み出し、自らの手で英雄となった。







そこで僕は、もしも彼が乱世を生み出していなかったら、というifを思わずにはいられない。ホリエモンは凡百の人々よりは遙かに優秀だ。少なくとも彼は東大に入っているし、聞くところによるとプログラマーとしても中々の腕前であったらしい。







もしもホリエモンが今、ホリエモンでは無い何者かとして同じ能力を持って世にでたならば、僅か2年か3年でここを読んでいる人のほとんどよりも大きな金額を稼ぎ出す優秀な労働者になるだろう。あるいは、前に彼がそうしたように、乱世と父親不在の幼児を作りだすかもしれない。







けれどもホリエモンは無能になる事を選んだ。
「株価は見られないんですか?」なんて無能の極みじゃないか。







GOOD BYEホリエモン。
こんにちは無能。
















少し、続ける。







同じ事は僕にも言えるだろう。
即ち僕もホリエモンと同じように有能であり続けられるステージを飛び越えて無能になるステージへと突入した。それはホリエモンと同じように「堕落」である。片仮名で書くとブログ、だ。ここには孤独と栄光の両方がある。







DOTA allstarsがあった頃の僕は30-0なんてスコアを出せる位に有能な人間だった。bootsスタートでポカをする、といった多少の無能さは抱えていたが、とりあえずは有能だった。







そんな僕も今では無能の極み。あのままDOTA allstarsと共にあれば僕はずっと有能なままでいられたのに、と悲しく遠くを見つめては、神童と呼ばれた全ての者に訪れるただの人へと思いを及ばせまた明日、また明日僕はブログを書くのでしょう。







無能なブログを。
無能なブロガー。
無能なエントリーを。
無能になった真性引き篭もりhankakueisuu。







さよなら GAME
HELLO LOVE